強欲にはどんな領域があるのか

強欲（Greed）というのは，他の人を犠牲にしてまでもより多くを求める，過剰で開くことのない欲求と努力，とされます。「もっと手に入れたい」という，より多いのもに対する過剰な努力ですので，「足るを知る」というところを超えていくところに特徴があります。

満足することがない欲求というのも強欲の特徴で，これはいつまで経っても満足することができない，満たされることがないことも表しています。そして，強欲傾向が強い人は，必ずしも人を傷つけるわけではないのですが，より多くのものを求めようとする努力は周囲の人を傷つけることもあります。

パーソナリティのダークサイド 社会・人格・臨床心理学による科学と実践

強欲の領域

一口に強欲と言っても，何から何までとにかく多くの物を手に入れようとするわけではないかもしれません。この領域のものはもっと多くを手に入れたいと思う一方で，こちらはそうではない，という領域固有な強欲があるかもしれません。

これは他の概念でも同じです。たとえば自尊感情（自己価値）についても，学業や仲間関係，身体的魅力など領域別に把握することを試みる場合があります。また満足度もそうですね。生活の満足度，仕事の満足度，学校の満足度など，領域が分けられています。

では，強欲にはどんな領域があるのでしょうか。お金？もの？財産？人間関係？どうでしょうか。「承認」「食物」「友情」「知識」「物質」「金銭」「業績」「権力」「性」「物質」という１０の領域から強欲を把握しようと試みた研究があります。こちらの論文を見てみましょう（Domain-Specific Greed）。

Domain-Specific Greed - PubMed