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恐れのない大胆さの両側面
リスクや危険を感じても恐怖心や恐れを抱くことなく,積極的に行動することができる傾向のことを,恐れのない大胆さ(Fearless Boldness)といいます。これは「勇気」とは異なり,危険や未知の状況に直面しても恐怖やためらいが少なかったりほとんど見られなかったりする状況のことを指します。従って,より物事に果敢に挑む姿勢を見せると考えられます。
両面
大胆で冒険好きで,型破りな人物は,ときに反社会的な人物として描かれます。しかし,一方で英雄的な人物にもなりえます。これは,コインの両面のようなものです。この両面の背後にあるパーソナリティ特性として,「大胆さ」「恐れのない大胆さ」という概念が提唱され,研究されるようになっていきました。
恐れのない大胆さは質問項目で測定され,大胆でストレスに強く,自信があり,社会的影響力を発揮する特徴をもつ因子として見出されています。しかし,単に大胆なだけでは良い結果になるのか悪い結果になるのかは予測することが難しく,知能や社会性の発達と組み合わせることが必要だという指摘もあるようです。
職業
恐れのない大胆さが高い個人は,大胆不敵でストレスに強く,自信に満ちており,説得力があるようにみえます。
この特徴は,青年期の危険な行動や反社会的な行動傾向に結びつきやすいことが報告されています。一方で,恐れのない大胆さと知能との交互作用も重要な役割を演じることが報告されています。恐れのない第探査が高く,かつ知能も高い人びとは,犯罪行為をあまり行わないことが示されています。知能の高さが,恐れのない大胆さの社会的な適応を支えることにつながると考えられます。
また別の研究では,恐れのない大胆さと教育レベルとの相互作用が,仕事の成績に関連することも報告されています。教育レベルが低い場合,恐れのない大胆さは非生産的な職務行為に関連する一方で,教育レベルが高い場合には業務成績の高さにつながるようです。
研究
大規模なデータを用いて,恐れのない大胆さと知能や教育レベルの組み合わせがどのような結果をもたらすのかを検討した研究があります。どのような結果が報告されているのでしょうか。
こちらの論文を見てみましょう(The two faces of fearless dominance and their relations to vocational success)。
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