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頭が悪くなる可能性があるという信念
暗黙の知能理論は,知能の可変性や可鍛性に関する人々の信念のことを指します。心理学者ドゥエックによると,知能が変化しうると考える増加的で成長的なマインドセットをもつ人もいれば,知能は固定的で変化しないと考える固定的なマインドセットをもつ人もいるとのことです。
固定か変化か
増加的なマインドセットは,頭のよさが努力や戦略,社会的支援などによって変改するという信念を表します。このようなマインドセットをもつ人は,学習目標指向的で自分の能力を高めることを目標にしやすく,他者からの肯定的な評価を得ようとすることにはあまり焦点を当てない傾向にあるようです。
マインドセットの信念は,幸福感にも影響するようです。成長マインドセットをもつとポジティブな感情を経験しやすく,幸福度も高い傾向があるという報告があります。
減少
これまでマインドセットは,「増加」や「成長」か「固定」かに焦点が阿寺得てきました。しかし,変化には「減少」もあるはずです。
知的能力が「失われる」「少なくなる」「低下する」方向に焦点を当てたら,どういうことが起きるのでしょうか。これまでにも,マインドセットを「固定」「方向を特定しない変化」「増加」「減少」という4つに分けて検討した研究があるそうです。なるほど……これは私も気づきませんでした。
結果から,次のようなことがわかったそうです。
◎知能が減少する信念は,中程度に見られる
◎知能が減少する信念は,他の信念と弱くしか関連しない
◎知能が減少する信念は,予防や能力低下の信念に関連する
知能が減少するという信念は,他のマインドセットとは少し異なる特徴をもつと言えそうです。
減少と増加
知能が減少するという信念は,増加するという信念とどのような関連を示すのでしょうか。また,何か独自の特徴はあるのでしょうか。両者の関連に注目して検討した研究が行われています。こちらの論文を見てみましょう(Belief in negative change in intelligence: Whether and (if so) how it can add to the implicit theories of intelligence)。
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