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政治的な暴力を許容する傾向

割引あり

2021年に起きたアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件は,アメリカの歴史のなかでも稀で重要な事件です。


政治的暴力

政治的暴力は右派・左派問わず昔から存在しており,現代の民主主義を特徴づける行動の一つでもあります。

政治的暴力の背景には,もちろん社会的な問題やシステム上の特徴が要因として存在しているのですが,個人の特徴についても研究が行われています。ただし研究は局所的で限られており,体系的に研究されているとは言いがたい状況のようです。

ダークなパーソナリティ

ナルシシズム(自分に対する誇大な感覚),サイコパシー(倫理観や共感性の欠如),マキャベリアニズム(他者の自己中心的な利用)というダーク・トライアド,これらにサディズム(他者の苦痛に喜びを抱く)を加えたダーク・テトラド,さらに協調性の低さ,HEXACOモデルの正直さー謙虚さの低さなど,全体的に社会的な問題に結びつきやすいとされるパーソナリティ特性も,政治的暴力の傾向に関連する可能性があります。

関連の可能性はあるものの,政治的理由による暴力を支持する傾向が,ダークなパーソナリティ群にどのように関連するのかについては,十分に検討されていません。そこで,オーストラリアやアメリカなど複数の国を対象とする2つの研究からこれらの関連を検討した研究を見ていきましょう。こちらの論文です(They choose violence. Dark personality traits drive support for politically motivated violence in five democracies)。

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