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ロシアでも性格は寿命を予測するのか

割引あり

特定のパーソナリティ特性が,心身の健康や寿命にも関連するというのは,これまでの研究でも何度も報告されてきた内容です。でも,報告された国は偏っているのですよね。別の国でも同じような関連が見られるのかどうかというのは,けっこう大きな問題です。


健康行動

どうしてある人は,他の人よりも健康で長生きすることができるのでしょうか。

遺伝的な疾患をもつ場合は別として,健康のリスクは健康行動に大きく左右されます。毎日多くの本数を喫煙すること,運動不足であること,大量に飲酒すること,不健康な食事を繰り返すこと,その他の日常的な行動はなんでも,個人の健康の予防やリスクへとつながり,最終的には寿命の長短を左右していくことになります。

また,社会経済的地位や教育の程度は,健康や長寿に少なからず影響することもわかっています。

非認知

さらに,個人の心理学的な差異も,心身の健康に関連します。知能も健康に関連するのですが,パーソナリティなどの非認知的な特性も,健康に関わります。非認知的な特性をあえて「スキル」と呼ぶ文脈もあります。あえて「スキル」と呼ぶことで,早期教育の中でパーソナリティ的なものを育成する教育と,政策的な方向性が論じられるようになっています。

非認知能力は教育と密接に関連しており,教育と健康との関係のありかたに影響する可能性があります。さらに,非認知スキルの形成は,家庭の社会経済学的な状況によっても左右されると考えられます。社会経済学的状況と心身の健康との間の関連に,非認知的なスキルが関係する可能性もあります。

ロシアの研究

ビッグ・ファイブ・パーソナリティと心身の健康や長寿の研究は,アメリカやヨーどっぱで行われたものが非常に多いと言えます。それ以外の国の報告は数が少ないのですが,今回紹介する研究はロシアで行われたものです。

では,こちらの論文を見てみましょう(Does personality predict health? Non-cognitive skills, health behaviours, and longevity in Russia)。

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