プロサッカーにおける不正のパターン
プロスポーツの世界では,時々,汚職事件や八百長事件,賭け事に関連する詐欺事件など,さまざまな問題が生じます。
スポーツ詐欺事件
日本国内でもあれこれと問題が思い浮かぶのですが,日本だけではなく,世界中でスポーツに関連する汚職事件や詐欺事件は頻発しています。サッカー界もそうですし,オリンピックにもさまざまな問題がつきまといますよね。
今回の研究は,サッカーに関連する不正行為の問題を取り上げるものです。サッカーにおける不正行為にはどのようなパターンや手口があるのでしょうか。またサッカー界で不正行為を可能にする要因には何があるのでしょうか。プロサッカーにおいて,不正行為を抑制する方法は何かあるのでしょうか。
詐欺行為
詐欺行為にはさまざまなものがありますが,大きくカテゴリーを分けることも可能なようです。
個人に対する詐欺行為
個人に対する詐欺行為は,個人や組織が,欺瞞,操作,窃盗,不正行為,虚偽を用いて,個人的な利益を得るために,個人を標的として詐欺行為を行うことです。サッカー業界の例としては,ファンに偽物の試合チケットを販売したり,サッカー選手に存在しない事業への投資を持ちかけることなどを挙げることができます。
組織に対する詐欺行為
組織に対する詐欺行為は,個人,グループ,他の組織が,それぞれの利益を得るために居,欺瞞,操作,窃盗,不正,また虚偽を用いて,組織に対して損害を与える場合を指します。サッカーファンやサプライヤー,個人また組織犯罪グループによる組織に対する不正行為は,外部不正行為を呼ばれます。組織の知的財産や顧客データを盗むためのサイバー攻撃なども含まれます。
組織の内部関係者が関与する組織に対する詐欺行為にもいくつかの種類があります。
財務不正は,個人の利益のために組織の会計記録を操作することを指します。資産の不正流用は,組織の資産の乱用や窃盗のことであり,策略や操作,ウソによって発覚を避けるために盗んだことを隠蔽することも指します。汚職は,個人的な利益を得るために,信頼される立場を悪用することで,賄賂や違法な心付け,利益相反,恐喝,えこひいき,縁故主義,職務怠慢なども含まれます。
レビュー
サッカーにおける不正行為とはどのようなものであり,どのように行われ,なぜ行われるのか,どのような対策が可能なのかという問題について,先行研究をレビューした研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Understanding and Mitigating Fraud Risk in Professional Football)。
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