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意地悪をする傾向が仕事に与える影響

職場の中で人間関係が悪くなったり,ハラスメントが生じたり,仕事をする上でもストレスから逃れることはなかなか難しいことがあります。それだけでなく,ルールを破る人,サボり,隠蔽,バーンアウトなども考えていくと,ますます問題は多そうに思えてきます。

職場の問題に影響を与える要因として,近年は「スパイトフルネス」という概念に注目が集まっているそうです。これはどのような心理特性なのでしょうか。

スパイト

スパイトフルネスというのは,自分自身にも害をもたらす可能性がありながらも,執念深く他者を傷つける行為に従事する傾向だとされています。英単語の「spite」(スパイト)というのは,「意地悪をする」「困らせる」「悪意」「意地悪」といった意味ですので,スパイトフルネス(spitefulness)は「意地悪」「悪意」に満ちあふれたような状態と言えるでしょうか。

スパイトフルネスについてこれまでに行われた研究を見ていくと,次のような特徴が報告されています。

◎ビッグ・ファイブ・パーソナリティの協調性,勤勉性,開放性とマイナスの関連
◎攻撃的で無礼,不規則な行動をとりやすい
◎ダーク・トライアド(マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシー)に関連する

スパイトフルネスはこれらに関連しつつも,これら「そのもの」ではないと考えられています。独自のユニークな心理特性だということです。

職場のスパイトフルネス

スパイトフルネスはまさに「意地悪をする」傾向ですので,職場でもさまざまな問題につながりそうです。

実際に,職場におけるスパイトフルネスがどのような結果につながっていくのでしょうか。この関連を検討した研究がありますので,こちらの論文を見ていきましょう(Spitefulness as a boundary condition for the relations between subtle workplace mistreatment and deviant work behavior)。

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