
ペットを飼う人と飼わない人は何が違うのか
自分が物心ついたときには,自宅に犬とネコと小鳥が飼われていました。田舎の家ですので,ネコはもちろん自由に家の外と家の中を行き来していました。鳥小屋も家の外にあったのですが,ネコが被害を与えていた記憶はありません。
その後も,自宅には入れ替わりで犬がいたりネコがいたり,金魚がいたり小鳥がいたりしました。父親が動物を飼うのが好きだったようです。
トラブルもいろいろとありました。犬がフィラリアに感染してしまったり,突然死したり,ネコが蛇と戦っている様子を目撃したり,近所の小動物を狩ってしまったり……。
犬やネコを飼う
平成28年に「全国犬猫飼育実態調査」が行われています。全国では単身世帯が増加していることから,世帯数も全体的に増加しているそうです。その一方で,単身世帯が増えると犬やネコを飼うことも難しくなります(単身のマンションやアパートでは大きな動物を飼うことが難しいですからね)。そういうことが背景にあって,犬やネコの飼育数も減少傾向にあるようです。
また,高齢世帯の増加も,飼育数の減少に影響しているようです。犬やネコも長寿になる傾向があるようで,「最後まで面倒を見切れないかもしれない」という不安をどうしても持ってしまう傾向はありそうです。
犬やネコを飼う人の特徴
犬やネコを飼う人には,何か特徴はあるのでしょうか。
先ほど見た実態調査のように,そもそも家族で住んでいないと難しいかもしれませんし,一軒家であるかアパート暮らしであるかという要因もありますし,年齢の要因もあります。
そういったこと以外にもペットを飼う人には,何か心理的な特徴があるのでしょうか。また,イヌを飼う人とネコを飼う人の違いはどうでしょう。そして両方飼う人もいますよね。それぞれの特徴について調べてみると,どういったことがわかるのでしょうか。
比較してみる
ペットの飼育者と飼っていない人を比べて特徴を調べた研究が,この論文(Exploring the differences between pet and non-pet owners: Implications for human-animal interaction research and policy)です。
分析は,2003年から2004年にカリフォルニア州で行われた電話調査のデータに基づいています。サンプルサイズは4万2千人で,平均年齢は44.4歳です。そのうち26.2%が犬を,21.5%がネコを,8.5%が両方を飼っていました。
ペットを飼うか飼わないか
ペットを飼っている人と飼っていない人で,どのような違いが見られたでしょうか。
ペットを飼っている人は既婚者が多く,女性が多く,白人で一軒家に住んでいる比率が高く見られました。そして,BMIが低いなど全体的な健康度が高い傾向にもありました。しかし,ぜんそくの比率は高かったようです。
イヌを飼う人
では,イヌを飼っている人の特徴にはどのようなものが見られたのでしょうか。
イヌを飼っている人は,女性で,独身で,一軒家で,家も大きく,年収がより高く,フルタイムで働き,都市部よりも田舎に住んでおり,BMIが高くぜんそく持ちの人が多いようです。その一方で,年齢が高く白人ではない人々は,イヌを飼う率が低かったようです。
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