![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101126549/rectangle_large_type_2_48bcb8e93349b12651a587e00867b398.png?width=1200)
親の年齢と子どもの知能
近年,日本でも高齢になってからの出産が増えてきていて,女性が最初に子どもを出産する年齢は,30歳を超えています。
子どもをもうける年齢が高くなってくると,夫婦としてもいろいろなことが心配になってくるのではないでしょうか。特に,高齢での出産についてのリスクはあれこれと言われていますので,なおさらです。
親の年齢効果
研究の中では,子どもの知能に対する親の年齢効果を扱ったものもあるようです。子どもをもうける時の親の年齢によって,子どもの知能指数が影響を受けたりすることはあるのでしょうか。
ここでは,いくつかの要因が関係していると推測されています。
◎生物学的要因:遺伝上の突然変異負荷の増加,エピジェネティックス(DNA配列ではない遺伝子の影響),母胎内環境の影響
◎心理社会的要因:高齢の親は成熟して経験豊富な場合が多い,経済的にも豊かで子どもに多くの資源を提供する傾向がある
◎淘汰効果:学歴や社会階層が高い親は高齢で子どもをもうける傾向がある
とはいうえ,これらの要因をちゃんと推定していくのは簡単ではありません。これらの要因が相互にからみ合っているからです。
ポリジェニックスコア
近年注目されている遺伝関係の分析に,ポリジェニックスコアの分析というものがあります。これは,ある形質について遺伝子多型を分析するゲノムワイド関連分析(GWAS)で得られた情報に基づいて,ある個人のある形質に対する遺伝子セットを推定して分析に組み入れるという分析方法です。
親から子への影響を分析する際にも,ポリジェニックスコアを考慮に入れると,親の年齢の効果をより純粋に推定することができるかもしれません。こおういった観点から分析を行った研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Estimating the parental age effect on intelligence with controlling for confounding effects from genotypic differences)。
ここから先は
¥ 100
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?