都市部と農村部で異なる高齢者の自殺の様子
全世界で,毎年何人が自殺で死亡していると思いますか?おおよその数字を答えてみてください。
2016年の経済協力開発機構(OECD)の調査によると,自殺による死亡者数は1年間に15万人以上,人口10万人あたり約12人なのだそうです。
日本や韓国,ロシアなどは,世界的に見ても自殺者の率が多い国とされています。日本では中年期の男性の自殺者数が多いことは知られています。お隣の韓国でも,高齢になるほど自殺者数は上昇傾向にあるそうです。
予測と予防
何が自殺につながる要因となっているのでしょうか。これを検討することはなかなか難しい問題です。心身の問題から,ということもあるでしょうし,文化的な要因もあります。では,さまざまな要因を総合的に検討したらどうなるでしょうね。
また,自殺を実行するかどうかという以前に,「死にたいと思ったことがあるか」という自殺念慮を予測することも重要です。死にたいと思うことと,実際に実行してしまうこととの間には大きな溝があるのですが,まずは自殺念慮に至る背景を明らかにすることは,自殺そのものを減らすことにもつながります。
今回は,韓国の高齢者を対象に,どのような要因が自殺念慮に影響するのかを検討した研究を見ていきましょう。特に,都市部に居住する高齢者と,農村部に居住する高齢者が比較されています。では,こちらの論文を見てみましょう(Urban and rural differences in suicidal ideation and associated factors among older Koreans: Results from the Korean National Survey 2012–2013)。
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