仕事への満足度に影響する要因
職務満足(job satisfaction)については,膨大な数の研究があり。研究の歴史は50年以上にものぼります。職務満足度をどのように定義するのか,どのように測定するのか,という問題も重要ですが,個人レベル,集団レベル,職業のカテゴリなどについて,職務満足を高めたり低めたりする要因についても焦点を当ててきました。
関心
多くの人々の関心は,職務満足度と職務遂行能力との関係に向けられています。仕事をする能力やスキルが十分にある人は,満足度が高いのかという問題です。
幼い頃の知的能力や教育の内容が,将来の職業上の達成や満足度に影響する可能性があります。多くの文献で,仮定の要因とその後の教育や職業上の達成との関連が検証されています。しかし,家庭の社会的背景,幼少期の能力やスキルがその後の教育や職業の達成にどのようにつながっていくのかについては,明確にはわかっていない部分もたくさんあります。
縦断的調査
そこで,1970年に生まれた1万人以上の人々を対象とした研究プロジェクトのデータを分析した研究を見ていきましょう。ここでは,統制の所在(Locus of Control)と呼ばれる概念に注目します。これは,出来事に対して自分自身がどれくらい関与しているかという感覚です。内的な統制の所在は,適応的な結果につながることが知られています。
また,10歳時点で測定した知能がその後の仕事上の成果に関連するかどうかについても焦点を当てています。それから,親の社会的地位にも注目します。
では,こちらの論文を見てみましょう(Predicting job satisfaction: Findings from the British Cohort Study)。
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