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ダークな人はどのように見られがちなのか

割引あり

ダーク・トライアドは,次の3つのパーソナリティ(性格)特性のまとまりです。

◎マキャベリアニズム:他者を操作する,皮肉な見方をする,自分の利益を優先する
◎ナルシシズム:優越感,誇大感,特権意識,賞賛を求める
◎サイコパシー:冷淡さ,共感性の欠如,スリルを求める

これらはそれぞれ別の文脈で研究されてきたのですが,21世紀に入って共通点が指摘されて,一緒に研究されるようになってきました。


ビッグ・ツー

人間の性格全体を,2つの大きな特性で表現しようとする研究の流れがあります。ビッグ・ファイブ・パーソナリティを因子分析すると,その上にふたつの因子が出現します。また古くから,ふたつの大きな次元が報告されています。

◎作動性(エージェンシー):能力,独自性,野心,活動性
◎共同性(コミュ二オン):暖かさ,協調性,道徳性

ビッグ・ファイブ・パーソナリティの上位

ビッグ・ファイブ・パーソナリティの上位の次元も,だいたい同じような次元で表現されます。

◎協調性・勤勉性・情緒安定性(神経症傾向) → アルファ(α)因子,安定性
◎外向性・開放性 → ベータ(β)因子,可塑性

ダーク特性の特徴

ダーク・トライアドの特性はどれも,作動性が高く共同性が低いという特徴を持つと考えられています。しかし,その程度は特性によって異なっているようです。

加えて,近年ではサディズムやスパイトなど,ダークなパーソナリティに新たな仲間が追加されつつもあります。これらについては,まだ十分に研究されていない状況でもあります。

共同性と作動性という基本的な次元との関係を見ておくことは,パーソナリティそのものだけでなく人間関係のパターンを探る上でも重要なことです。特に,学校の教室といった実際の場面の中で,この両側面がどのように評価されるかを検討して,ダークな性格との関連を検討すると貴重な検討になりそうです。

縦断的な調査データを用いて,実際にこれらの関係を検討した研究がありますので,こちらの論文を見ておきましょう(Making and maintaining relationships through the prism of the dark triad traits: A longitudinal social network study)。

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