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愛情の生涯発達的変化

割引あり

パートナーに愛情を注ぐことは,人間として欠かせない要素でもあります。現実の人間関係だけでなく,文学や映像作品,漫画でも演劇でも描かれるテーマです。


愛の三角理論

スターンバーグの愛の三角理論というモデルは1980年代に提唱されたものですが,よく知られています。愛の三角理論は,「情熱」「親密さ」「コミットメント」という3つの要素で愛を捉えるものです。これらの要素は,現在,過去,未来のパートナーとの関わり方や,相手に対する感情を捉えます。

◎情熱:恋愛関係にある2人の間の身体的魅力や興奮,物理的な親密さの欲求
◎親密さ:恋愛関係における相互の信頼とつながりに対する感情
◎コミットメント:現在の関係が続くという考えや決意

これら3つの愛の要素を組み合わせて,三角形を描くのがこのモデルの特徴です。そして,それぞれの要素が同じくらいのバランスになれば正三角形になるというわけです。しかし,スターンバーグは,関係の初期段階は情熱が特徴的で突出していると指摘しています。


年齢

愛の三角理論で表現される愛の3要素は,年齢とともにどのように変化していくのでしょうか。

たとえば,思春期には動機づけや自己の変化が生じると考えられることから,情熱に駆りたてられる可能性が考えられます。また親密さに関しては,相手への信頼を伴いますので,若い青年期よりももう少し年長の青年期後期や成人期初期くらいで高まるとも予想されます。コミットメントは,長期的な関係を前提とすると高くなりそうです。中年期以降のほうが,コミットメントは高まるのではないでしょうか。

実際には,どのような違いが見られるのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Perceptions of love across the lifespan: Differences in passion, intimacy, and commitment)。

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