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年齢とともに物質主義はどうなっていくのか

物質主義とは何でしょうか。あらためて尋ねられると,なかなかこうだとは言いにくいように思うのですが,「幸福などの望ましい最終状態に到達するために必要な,あるいは望ましい行動様式として,人が所有物そのものやそれを得ることに置く重要性」といったように定義されるそうです。

物質主義が高い人というのは,ものを所有することやその取得を生活の中心に置いていきます。また自分の成功や他の人の成功を,どれくらいものを得ているかで判断しがちです。そして,ものを得ることが幸福には不可欠だと考える傾向もあります。

年齢と物質主義

ところで,年齢を重ねると,物質主義はどのように変化していくのでしょうか。中年期に入ると次の世代の世話をしたり利他的な配慮をするようになると考えられていますし,成人期後期になるとそれまでの人生を振り返るようなことも増えてくることでしょう。このように考えると,成人期の終わりにかけて物質主義は低下していくと考えることができそうです。

その一方で,高齢になるとステイタスや友人,健康など,おおくのものを失う経験をします。するとかえって物質主義的になるのではないかという予想もできそうです。

では実際,物質主義は年齢とともにどのように変化していくのでしょうか。一般的に物質主義が年齢とともにどのように変化していくとイメージされているかと,実際の変化の両方を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Materialism across the life span: An age-period-cohort analysis)。

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