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大学教員はよく表札を盗まれていた?
最近読んだ本の中で,面白かった一節を紹介したいと思います。
読んだ本というのは,『家相の科学 21世紀版:一戸建て・マンションの選び方住まい方』(清家清,2000年,光文社)です。
家を探したり建てたりするときに,多くの人が気にするのが「家相」や「風水」です。この本では,実際にどのような記述が行われているのかを示しながら,現在(といっても家の構造や性能の話も数十年前のものなので,そこは割り引いておく必要はありますけれども)の家でどのようなことが言えるのかを,わかりやすく示しています。
各項目2ページで読みやすいのもいいですね。100項目の家相のポイントについてまとめられています。解説本というよりは,家づくりにまつわるエッセイ集ですね。
家相
そもそも家相を考えるときに踏まえておくべきことは,中国の地理や気候です。もともと家相の話は古代中国,かつ黄河中流地域で生まれていますので,そのあたりの地理や気候,北が山岳地で南に川があって,冬は北西から冷たい風が吹くなどの状況が,「理論」に反映しています。
となると,同じ中国でも別の地域だと,また違う話も出てくるはずで,日本でも地域によってまた違う話になってきますよね。
さらに,当時の家と現在の家とでは,素材も構造も異なりますし,生活も家族の構成も違います。そのあたりについてしっかり踏まえたうえで,何が共通していて何が違ってくるのかを理解しておきたいところです。
四軒
というわけで本の内容も面白かったのですが,次の話も面白いと思いました。
私の家では,毎年入学試験期になると,表札を盗まれました。大学の先生の表札を四軒以上集めると試験(四軒というだじゃれ)にパスするというのです。亡くなった父も大学の教師だったので,一度に二枚稼げるというわけで被害が大きかったようですが,父はさすがに老練で,寒夜にご苦労なことだと,いささか表札盗人に同情的でした。
昔は,入試の時期になると,大学教員の表札がよく盗まれたそうなのです。「試験」を「四軒」にかけて,「試験とる」を「四軒とる」にかけていたようです。
ダジャレなのですが,それで表札が盗まれるというのも困りものですね。
それから,今の感覚だと「どうして大学教員の住所がわかるんだ」と思ってしまいそうです。しかし20世紀の後半くらいまでは,書籍にも雑誌にも,有名人の住所が堂々と載っていたりしたものなのですよね……。学会の名簿もありましたし,それが古本屋に売られていたり。何かの情報を見れば,どこに住んでいるのかがいまよりもすぐにわかったものなのでした。
それにしても,毎年のように表札を盗まれていたら,たまったものじゃありません。もう聞くこともなくなった,昔の変わった風習(?)のお話でした。
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