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若いと思わせる要因

主観的年齢とは,年齢そのものではなく,自分自身が「感じる」自分の年齢のことです。自分で年齢どのように考えているか,また自分をどのようなレンズを通して見ているかを表していると考える研究者もいるそうです。

実際の年齢よりも,主観的年齢には社会的な意味,心理的な意味,そして個人的な意味などさまざまな意味が含められています。

高齢者研究が中心

自分のことを「若々しいと思うかどうか」は,特に高齢の方々の中心的な関心となりがちです。高齢者を対象としたサプリメントや運動器具,健康食品などのうたい文句には,かならずといっていいほど「若々しさ」が謳われますからね。

しかし,もっと若い年代の主観的年齢に注目していくと,年齢とともに複雑な関係も見えてきます。たとえば,25歳くらいまでは主観的年齢は比較的高く(つまり,実際の年齢よりも自分が「年をとっている」と認識しやすい),25歳を超えると主観的年齢は低くなっていく(「自分は実年齢よりも若い」と認識しやすい)という関係性も報告されているそうです。

主観的年齢が関連するもの

自分の年齢よりも「若い」と認識することは,生活満足度の高さや,身体的な健康度の高さなど,広く「健康」「幸福」に関連することも報告されています。

ただしここでも,なかなか一筋縄ではいかない関係性が報告されることもあります。ある研究では女性の方が主観的年齢が若いと認識されやすいことが報告されていますし,別の研究では男性ほど若いと認識されやすいということが報告されたりします。また,教育歴が低い(最終学歴が大学卒よりも高校卒)ほど主観的年齢が若いと報告しやすいという研究と,教育歴が高いほど主観的年齢が若いという報告もあるそうです。

主観的年齢が何に関連するのかという問題は,決着がついていません。そこで,年代,教育歴,性別,婚姻,職業,また健康の自己評価,BMI,慢性疾患,抑うつなど数多くの変数と主観的年齢との関連を検討したらどうなるでしょうか。このような検討を行った,こちらの論文を見てみましょう(Socio-demographic correlates of subjective age in young and middle-aged adults)。

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