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小説:13階段 高野和明

4/11読了

感想の書留、ネタバレ注意。

一個前に読んだ『Aではない君と』の著者の薬丸岳さんが物語を書くきっかけになった本。

1番印象に残ってるのは死刑執行場面の描写。
 
リアルもリアル、臨場感半端なくて手に汗握りながら読んだ。

二転三転する物語で伏線も散りばめられる。
 
ミステリーめっちゃ苦手な私が混乱せずに読み進めれるほど構成がしっかりしてて、めちゃくちゃ面白かった。

正義が行われるのが見たい。
刑法が強制力を持って守ろうとする正義は実は不公平なのではないか。人が人を正義のもとで裁こうとするとき、その正義には普遍的な基準など存在しない。

どこから見るかによって正義は変わるし、人によって何を正義とするかも違う。

法律は全ての人に平等であるべきもので、なるべく公平に近いもので適用されてると思ってたけど、刑法においては矛盾とか不合理だらけなんやと再認識。
 
画一的じゃない人間を人間が作った法律で完全に裁くなんて限界がある。

読んだことで死刑、法治国家についてめっちゃ考えさせられたけど、
 
考えさせられた割にほとんど何も浮かばなかった。
 
死刑制度を維持しているのは間違いなく他人を殺した犯罪者。 
 
冤罪の可能性がゼロに等しいなら死刑反対ではないんやけど、賛成って言い切ることもできんな。
 
難しいなー。


同じ死刑を題材にしてる中村文則さんの、『何もかも憂鬱な夜に』が読みたい。
 

死刑をどう捉えてどう取り扱ってるんやろうか…。

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