未来のアナログ君

私の目の前には
いつも時計がある

時計はいつでも回ってる

電池が切れない限り
いつも時計は同じ速さを刻み続ける

なのに私の体の中ではテンポが目茶苦茶

今じゃ アナログ時計からデジタル時計に変わってゆく
でも「カチカチ」のあの音は
いつものアナログにしか無い音

昔は日時計だったり
振り子時計だったりした時計も
時代が進んで
回る時計は希少種に成り兼ねない

あと100年もすれば
アナログ時計は世界にたった一つになり
コレクターの手に渡り
金にされる…

ただの想像だけどね

アナログ君、
君の未来を刻めるかい?

私には、きっちり速さを同じくして刻める体内時計は無い

でも だからこそ予想が出来る
馬鹿にするんじゃあないよ

君はきっちり 同じ速さを刻むだけでも良い
未来を刻めるなら 刻みつづけてくれるかい?

何?
馬鹿にするのはそっちの方じゃないか?

それならそれで 馬鹿同士で仲良くしようじゃないか

流行りにのれないバカな私と
未来が刻めないバカな君と
共に時を刻めば ちょうど良い

カチカチ 文句を言っても良いさ
私もテンポは目茶苦茶だもの

100年後は もう私はいない。
たぶん。

君も いつかはどこかへ行ってしまい、私達は離れ離れになるだろう

でもアナログ君、君だけはずっと生きてゆけるさ
流行りに流されず、今でも必死じゃないか

私は電池では動けないから
いつか死んで 動けなくなる

君は電池で動けるんだから
いつまでも時を刻んでくれ。
アナログ君。

君にこの声が聴こえるかい?

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