宇宙の彼方、夢も希望も無い世界に独り、
寂しがりやの星がいた。
名前もわからない、小さな小さな星だけど、
どこかの誰かに届くように、
精一杯光り続けてる星がいた。
けれども、地球にいる僕は、
月にくっついてるだけの星にしか見えないんだ。
申し訳ないけどさ。
毎晩見るけど、いっつも月と同じ距離のまま。
月が天高く昇れば、星も天高く昇る。
なんなのさ、この星って奴は。
そんなある日、僕はひとつの夢を見た。
宇宙の夢でもなく、地獄でも天国でもない。
ただ、ただ暗いだけの夢を見たんだ。
その夢は、何かが見えそうで見えない、
僕の手に届きそうで届かない、
そんなおかしな夢だった。
でも、ただひとり、知り合いがいた。
いつもの名も知らない星だった。
けど、僕を助けに来たわけじゃない。
ただ光るためだけにやってきた。
闇の世界は怖いでしょう。
光がどれほど恋しいか、
光ひとつの大きさが、
よくわかるでしょう、と。
…言わないさ、奴は言葉を知らないもの。
赤ちゃんでも、お年寄りでもない、
何歳なのかも知らないんだから。
奴はただ、光り続けた。
おいで、とも、
くるな、とも
言わないまま。
奴は、私が目覚めた時には消えていた。
ふふん、やっぱり夢なんて消えちまうのさ。
その夢は、今日も光っている。
なぜ光るのか、僕にはやっぱりわからない。
だって。
僕が、その星だもん。