串き穿つ

最たるものを かけはやに
珍しいかと思えばとり乱し
気まぐれにコトを掻き鳴らせば
迷い蛾の芯から羽まで色付き
鱗粉を堕とす

真をつらぬき
目を見開き
遠くを凝視しても
何も届かないけれど
確かに此方から届くものは
あるらしい

目の前を良く引きて
穿つ先の小さな的は
元から誰かが空けた穴を
侵食して、侵蝕して

誰かが穿った矢の後を続くのは
恥でもなんでもない
その先に見える世界は
自分にしか見えないもの
真っ直ぐに犇めく空を斬って
弓をまた張り
何処へ穿つか狙いを定める

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