マガジンのカバー画像

万葉短編集ー珠玉の駄作選ー

3
思いついたときに書きたいものを書く。 それが万葉短編です。大体10分以内に読める作品を制作していきます。 面白いと感じた作品があれば、続きをご自由に二次制作していただけます*但…
運営しているクリエイター

#ミステリー小説

万葉短編集その②ー逃避行ー

「ひぐっひぐっ」
「おい、いい加減泣くのをやめないか」

背の高い男と、床にうずくまる少女が小部屋にいた。
男は真っ黒いスーツを、少女は白いワンピースを着ていた。
どちらの服装も清潔な印象だが、いたるところに不自然な赤黒いシミができてしまっていた。

男は泣き止まない少女の傍らに立った。
それから横顔に触れようと手を伸ばす。
しかし、何を思ったのかすぐに手を引っ込めてしまった。

「あちゃあ、汚ね

もっとみる