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「ニコイチ」のローライフレックス・スタンダード
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( R09 ONE SHOT 1:50 20℃ 13'00" )
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( R09 ONE SHOT 1:50 20℃ 13'00" )
愛知・岡崎 2013年
桜は満開だけども春の嵐のような天気になっていて、三脚ではなくて車の屋根にカメラを押しつけて撮った。
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ローライフレックスもあれこれ手にしたけれど、1番よく使ったのはスタンダードと呼ばれる最初期のローライフレックスだ。
発売は1932年だというから昭和なら7年。ぼくの亡き母よりひとつ年上だ。
よく見かけるローライフレックスはセルフコッキングといって巻き上げレバーをぐるりと回すと同時にシャッターもチャージされるが、これはそんな機能もなく撮る直前にテイクレンズにあるレンズシャッターをチャージして撮るのである。
またフィルムの頭出しもオートマットといってスタートの矢印を合わせれフタを閉じて巻き取れば1枚目の頭が出るなんて便利さはなく、ちゃんとフタをとじてから赤窓と呼ばれるフィルムのスタート位置を外からみるための窓を開き、ゆっくり巻き上げレバーを回して位置を探るのだ。
しかしその作業さえ終えてカウンターをリセットすれば、自動巻き上げになっていて、巻き取る側の軸の厚みの変化にも対応する。
ローライフレックス・スタンダードには大まかに3つのバリエーションがあり、テイクレンズのカールツァイスイエナ・テッサーの明るさがF4.5・3.8・3.5と異なる。シャッターも中期頃までは1/300秒迄だが、後に最高速1/500秒のコンパーラピッドを装備。
細かな変更は多くあったようで、ピントノブや赤窓開閉の仕様、裏蓋のエッジ処理(黒と銀)等の他、部分的な塗装仕上げも年代・ロットによって様々なものがある。
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ぼくのはテッサーのF3.5のものだ。スタンダードでは実に「スタンダード」なレンズである。
カラーではほとんど撮らなかったが悪くない。
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構造がシンプルなためもあって、例えば2.8Fや3.5Fなんかと比べるとすこぶる軽い。
ぼくは首からぶら下げていたが痛くなるようなこともなかった。
軽いのでストラップをピンと張ってカメラをしっかり固定して撮らないと手ブレしやすい。
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そのフットワークのよさからか結構あちこちに連れ出した。
これは京都。
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近接用のローライナーも付いてきたので。
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ジョブズが亡くなった時のApple Store名古屋。
35mmの手軽さはないが、同様な心持ちで気軽に使えたカメラだった。
もちろん年代物であるから好不調はあるが、ぼくが手に入れたものは先オーナーがふたつのスタンダードの調子がいい部分を合わせた「ニコイチ」で、これがまた非常に調子がよかった。
ビューレンズはf3.1とテイクレンズよりも若干明るいものが入っているが、スクリーンもオリジナルで見えにくかったのでスプリットイメージのものに入れ替えていた。
当たり前だけど露出計なんかないし、使いやすいかと問われると、もうこれは「使いにくい」としか言いようがない。
そりゃそうだ。
90年も前のカメラが今のと同じくらい使いやすいとかだったら困る。
でもまあ写真は撮れる。
ちゃんと撮れるのだ。
露出を見て適切なシャッタースピード、絞りを設定すれば、写真は撮れる。
もうこのカメラはそのことに尽きる。
本来カメラとはそういうものだし、ローライフレックス・スタンダードは紛れもなくカメラそのものだ。