のり巻きと駆け落ち(368回目)
スーパーに買い出しに行ったついでに買ってきた「焼きビーフン」と「ネギトロ、かんぴょう巻き」
子どものころ、寿司といえばこういうのか、太巻き、おいなりさんだった。
今でも大変に好物なのである。
子どものころの寿司で思い出す。
寿司は近所の公設市場にある持ち帰り専門の寿司屋で買ってくるものだった。
そこにあるのが鉄火巻きやカッパ巻き(名古屋はかんぴょう巻きが一般的ではない気がする)、太巻きやおいなりさん。
子どもから見ても2枚目のやさ男が握って(巻いて)いる寿司屋だった。
市場なので、だいたいお客さんは常連ばかり。
母はもとより子どものぼくも、どの店でもどこの子なのか知っている店ばかりだからツケで買い物ができた。
寿司は母が買ってこいというと市場に走り、そのやさ男にその場で巻いてもらうか出来合いを持ち帰るか。
にぎりの寿司もちろん食ったことはあったが、それはお出かけ先みたいな特別な時だけだ。
ある時いつものように母と市場に行くと寿司屋は閉まっていた。
まあ休みのときはあるから休みなんだろうと思っていたが、それが何日も続き、そのうちに知らないおじさんが店に立つようになった。
売ってるものは変わらないが、どうにも冴えないおじさんだ。
やめちゃったんだというのは子どもでも理解できたが、その理由など知る由もない。
ところがある日母親たちの立ち話で、その話題が出たのに耳をそばだてた。
「◯◯の奥さんと出来とったらしいよ」
「駆け落ちだがね〜」
駆け落ちの意味は何となくドラマなんかから知っていた。
当時は(そうなのか〜、駆け落ちか〜)なんて思ったものだが、今考えてみるとずいぶんスキャンダラスなことをしたもんだなァと。
そんなことを思い出しながら昼飯を食った。
晩飯は「たまご焼き入りみそ汁」「鶏唐揚げ」「なすのみそ炒め」「カニカマとレタスのサラダ」
色々少しずつ作った。
唐揚げといっても2つか3つ食うだけなので、ふたり分でもそんなに用意しなくていい。
なすのみそ炒めも唐揚げの下味をつけている間にできる。
サラダは割いてあえるだけだし、みそ汁もたまごを焼くだけ。
ごはんを炊く時間を除けば30分くらい。
ごちそうさん。