これがあったらナンボでもメシ食えるブツ(372回目)
たまご雑炊。
朝昼兼用だ。
ちょっと目を離したので、ずいぶんお粥に近くなってしまった。
ぼくは好き嫌いがないというのが取り柄だが、食えないことはないが、あまり積極的には食わないものがある。
それが「お粥」だ。
なぜかといえば理由ははっきりしていて、あれを見ると病院食を思い出すからだ。
初めて入院した時は、かなり重篤だったせいもあって、身体を動かすこと自体が禁じられていた。
またその間絶食である。
それから寝返りはしていいとか始まって、食事も重湯からお粥、白飯となっていった。
なっていったのだけど、一度でも病院の食事を摂った経験のある方ならお分かりかと思うが、とかく「味がない」のである。
特に減塩食になっていると、まあ味はほとんどしない。
おかずに並ぶものは煮魚とか野菜を煮物で見覚えのあるものばかりである。
見覚えがあるということは味も覚えている。
しかし口に入れた病院のそれは、ほぼ無味である。
そのギャップになかなか慣れなかった。
退院してから食った、ごく当たり前のもの全てがめちゃくちゃ塩辛く思えたものだ。
そんな記憶が呼び覚まされるので、あまりお粥は食わない。
中華風のお粥なんてとても旨いのだけど、ね。
晩飯は「海鮮丼」と「切り干し大根の煮物」
丼の刺身はスーパーで購めたものだが、店にもよるがこういったものに大根のツマが付いてくる。
実はぼくはあれが好物なのだ。
名古屋だと「たまり醤油」というのが普通に家庭にあって(豆みそ文化だからね)、わさびを溶いたたまり醤油にツマをつけて食うと、それだけで米がいけた。
今日のはたっぷりツマがあったので、ホクホクしながら食った。
家人は「他所ではやらないでね」と苦笑する。
さらに切り干し大根の煮物も「これがあったらナンボでもメシ食える」おかずの一つだ。
まあ切り干し大根を戻す手間さえ惜しまなければ手軽に作れるから、子どもの頃からよく食卓に出ていた。
ぼくはそれがあると抱え込むように食ってしまうので、母はぼく用に小鉢を用意していたくらいだ。
よく考えたらどっちも大根だ。
大根好きなんだなァ、俺。
ごちそうさん。