遊郭
もうずいぶん前の話になるが、旧遊郭、赤線跡などの写真を撮り歩いた時期があった。
そのころ知り合った人たちが、かつて妓楼であった建物に住んでいる人と懇意になり、いろんな話を聞かせてもらったり仲良くしているという話を聞いた。
この写真は、その知り合いが借りてきたというネガフィルムを、ぼくがスキャンしたものだ。
そのネガフィルムは120mmの6×6で、露出が足りておらず、スキャンするのにずいぶん苦労した。
同じロールの中に子どもの写真もあって、それがフィルムを貸してくれた本人だというから、その年代から判断して、おそらく1950年代のものだろう。
「空室あります」の看板があることから、この妓楼がまだ営業していたのではないか、ここに写っている女性たちは、そこで働く女性たちではないかと推測している。
建物はまだ現住で在るようでGoogleマップで確認しても見ることができる。
左側、建物全体の1/3くらいだが、洋風の意匠で建て替えか増築されていて、それが特徴になっている。
古い写真の背景になっている格子も残されていて、屋号もそのままだ。
最後の写真は中村遊郭では有名だった美人絵。
これがあった建物も取り壊されてしまったと聞いた。