見出し画像

不自由という自由(129回目)

Camp Snap Cameraである。

アメリカ在住の知人が帰国しているらしく、突然「使ってみてよ」とプレゼントしてくれたのである。
神さまっているのね。

いや少し前に彼が使っているのをインスタで見て、少し気になっていたカメラだったからどうなのよ?とコメントしたことがあった。
それを覚えてたんだなァ。

日本では代理店とかがなくネットを見てもレビューめいたものすらない。
800MPのデジタルカメラなのだが、大きな特徴としては背面液晶がない。操作系もシャッターボタンだけで何もさせてもらえない。
まあ言ってみればインスタントカメラのデジタル版だと思ってもらえるのが近い。
バッテリーも内蔵されていて外すことができないからUSB-Cで充電する。一度の充電で500枚撮れるのだそうだ。
メモリーも同様で画像を吸い上げるのもケーブルを介して行う。こちらは4GBのマイクロSDがはいっているらしく2000枚の写真が記録できるという。

とにかく充電して撮りたいものに向かってシャッターを押すだけ。
ピント合わせも露出補正も何にもない。

だいたい画角は35mmくらいだろうか。
明るさはf/3.2。
ボディはプラスチックでビビターのウルトラワイドみたいな感じ。

ISOは200から800くらいまでみたい。
開放でf/3.2なんだから夜はダメだろう。
まあフラッシュもあるから撮りたけりゃバーンと炊けばいいのだ。

オールドデジカメがエモいとかで、それ専門の店もできているらしい。
デジタルカメラは家電の一種になっているから、最新のがいいに決まっている。オートフォーカスは爆速だし、高感度のノイズもよく見ないと分からないレベルだ。

でも...ってことなんだろうな。

このカメラは背面液晶がないということは撮った画をすぐ確認することはできない。つまりデジタルカメラの一番の利点がオミットされているのだ。
スマホなりPCなりに繋いで、それで初めて見られるので、それはフィルムカメラのそれに近い。
デジタルカメラとしては実に不自由である。

ところが撮っていると、これがまた実に自由だ。
ピントも気にしない。露出も気にしない。
ノーファインダーでパチパチやっても、結構それなりに写る。
びっくりするくらい軽いから、これ片手にどんどん歩いてどんどん撮りたくなる。
こういう高揚感は久しぶりである。

いいなと思ったら応援しよう!