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抽象画

暑さでちょっとぼぅっとした時の一枚。
こんな平和な一枚なのに日向は殺人的な暑さなのだ。
その暑さの中を女の子二人が談笑しながら渡って行く。

蝉たちの絶唱や地上に突き刺さる日差しは時間の経過を殺していて、この光景の中で生きているのは彼女たちだけのように見えた。
すべてのものが対象化されるようなこのコントラストは、まるでキリコの抽象画のようだと思った。
もしそうなのだとしたら、ぼくが彼女たちを眺めている此岸は、ことによると彼岸なのかも知れない。

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