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味音痴には料理説明のありがたみが分からない.
ここ最近,働いている人と関わる機会が多かったせいか,いわゆる良いものを結構食べてる(食べさせてもらってる)機会が多々あった.
味音痴の私にとって美味しいor微妙のどちらかの感想しか持てなくてもどかしいし,味の違いが分かっていない気がする.
味覚音痴から言わせてもらうと,国産牛の霜降りがなぜ需要があるのが分からない.
トンカツの端っこが好きな私でも,脂が多すぎて1枚食べただけでくどいと感じてしまう.
上質な脂と表現されがちだが,その脂をくどいと言う感想を持つ私は良さが分かっていないのだろう.
でも,油の乗ってないヒレ肉が1番好き.
一番高いってことは皆,脂嫌いなんじゃないって思う.
尚更,霜降りが高い理由が謎である.
味音痴の私にとって,製法や素材の育て方といった事前情報を客に激推ししてくるレストランは天敵である.
レストランの歴史は聞いていて面白いし,あの皇族の人が食べましたって言う情報は自分の中で処理ができるので,インプットしたい情報である.
あと,恐らく専属の料理人がおいしいと判断した店であるから外れの可能性が低いという勝手な判断をする.
ただ,製法や素材の育て方は異なる.
すごくこだわっているって事以上の情報が入ってこないのである.
なんか,面倒な作り方をしているんだなぁとか,大変なんだなぁという程度の処理しかできない.
最悪なのが,よく分からないけど凄そうな情報が入っていると,本来の味の良し悪しを判断できなくなり,雰囲気で美味しく感じるという馬鹿舌現象が発生してしまうのである.
最近立てた一つの仮説がある.
料理説明を強制してくる店,コスパ悪い説である.
というのも,料理説明をしないと値段に見合ったサービスとならないと思っている自分がいるからである.
ファッション業界の超高級ブランドは必ず,お店に入ると必ず店員が付く.
防犯などの側面もあるとは思うが,無駄に長い商品説明が行われる.
シンプルに"超ふわふわ"とか"さらさら"とか"軽い"だとか顧客が簡単に理解できることのみならず,なんか分からないことつらつらと説明される.(1度しか入ったことないけど多分メジャーだと思う.)
だが,高級ブランドというものは原価率が非常に低く,45万円のバッグの原価が2万円もしないのである.
ブランド料とも考えられるが,コスパという観点では最悪と言える.
逆に,他の業界ではサプライチェーンの背景はほとんど説明しない.
どれだけ努力をしても,成果物だけで評価されるからである.
その成果物に見合った金額の設定を売り手が行い,顧客はサービスと料金が見合っているかの判断を行い,購入の判断を決める.
だからこそ,コスパが悪いという現象が発生しない.
飲食業界もファッション業界と同じで制作過程を顧客に伝えてくる.
個人的にはコスパが良い(味と値段が見合っているという意味ね)店は説明をしなくても値段に納得をしてもらえるという認識を持っているから,丁寧に説明をしないと思っている.
自信があるのだったら事前説明をせずに,味で真っ向勝負してくれれば良いのにと思ってたりする.
何が言いたいのかというと,高いレストランは,何も説明をしないとコスパが悪くなる商品を提供しているが,説明の内容に莫大な付加価値があるため,説明を辞められないのではないかということである.
味音痴の私にとっては説明が無くても,美味しいパラメータのMAXに到達するので説明があってもおいしいと多分思う.
だからこそ,コスパが悪くなるのである.
10万するフグの懐石だの,100g1万の松坂牛だの何だの高えモンはあらかた食ったけど,こんなボロい屋台の80円の大根がいちばんうめえ.金ってのは一体何なんだろうな.
なんかこのセリフが初めて聞いた時から頭の中に残っている.
味音痴とかではなくて,もしかしたらこういうのが社会の真理なのかもしれない.
まだまだ,食べたことのあるものが少ないから何とも言えないけど,歳を取ったらこういう考えに帰着する気がしている.
今のところの1番うまい料理は山梨の2000円のカレーである.