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永久保証のペット.

先日,高島屋を歩いているとLOVOTというペットロボットの体験ができる催事が開かれていた.

PaulSmithやBALENCIAGAに入ると,ぴったり店員が横についてなかなか出られなくなるような現象が起きる気配がしたので素通りしようとしたのだが,連れが入って行ったので仕方がなく中に入った.

ペット禁止の住宅やアレルギー持ちの人がターゲットらしい.
その場では公言していなかったが,高齢で自分の死がペットの死より早く来てしまう可能性がある人もターゲットになっている気がする.
実際に一定数の需要があると私にも思う.
最大の売りは一生死なないペットらしい.
人間の体温と近しい温度になっていて,触ってみると温かみがあった.
CPU8コア,GPU1024コアを搭載しており,そのコアを用いたAIで瞳孔,瞬きの動きや鳴き声,人間の声に対するリアクションなどが出力されるらしい.
また,画像認識能力が優れているらしく,100人以上の顔を覚えて親密な関係値になると懐くらしい.
そして,今日の1枚的な感じで毎日写真を撮り,クラウドにアップロードするらしい.
お値段は本体代金約¥550,000-+ソフトウェア料金月額約¥10,000-.
2年に1度定期点検でまた6万円程度かかるらしい.

なんか色々と凄いビジネスだと感じた.
競合を実際の生物としており,恐らく生物のランニングコストに合わせた価格設定にしている.
ソフトウェアの更新&オンラインストレージ料金と言っても,年に5万円支払う価値のあるアップデートをしてくれるのだろうか?(実際には12万円払ってるんだけどね.)
正直,昔であればロボットとして売っていた商品を限りなく,生物に近くしてペットと変わらないからペット価格として売っているように見える.
私個人としてはペットだと思い込んだとしても,ここまで金儲けの匂いがプンプンすると萎えてしまう.

世の中は完璧なペットを求めているのだろうか?
私自身,ペットアレルギー持ちでペット禁止の家だからこそ,このLOVOTのターゲット層だが,買いたいとは思えない.
生物は不完全だからこそ,愛しさが生まれると思う.
おしっこやうんちをまともにできない,疲れているときに構ってくる,抜け毛の処理,機嫌の浮き沈みがある,初対面の人に不愛想,老いを感じる etc…といった自分にとって面倒だと感じ,LOVOTが排除したペットのデメリットこそがペットの愛おしさを生む一要因だと思う.

死なないペットということをすごく推していた.
筐体が壊れてもデータの引継ぎが可能らしい.
死んだ犬のクローンを生み出してもう一度飼うような時代だから,もしかしたら,需要があるのかもしれないが私にはそうは感じられなかった.
不完全な生物がプログラムされている死こそが,愛情を注ぐ根源になっていると思う.
餌をあげる,散歩をする,遊ぶといった時間が限りあるものであると思うと自然とその時間が大切なものに感じる.
また,その時間を割かなければならないという心持ちが生まれる.
その時間や心持ちこそが私のペットを飼う意義なのである.


人は魂を持っているが,犬は持たないという説がある.
人の生前と死後の重さを計測して,物理的な要因を排除した結果,21グラムと結論付けた博士がいる.
かなりずさんな実験だったらしく,信ぴょう性は無いらしいが,スピリチュアル界隈では魂の重さは21グラムと言われている.
その博士曰く,同じ実験を犬でも行ったところ,重量の変化はなかったらしい.
したがって,魂は無いという説であるが,そんな訳があるだろうか.
私は意思がある生物は,魂はあるだろうという理由はないが,自信はある.
だからこそ,私もこの実験結果を信用していない.

現代の技術だったら,この実験を行うのは容易であると思うので,魂の重さはあるのかという議論に終止符を打ってほしい.

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