シェアハウス脱出計画
2月の終わり。僕は住む家を失った。
すべては自分のせいだけど。
ホームレスになりかけた(正確にいうと少しなった)あとに、藁にもすがる思いで、僕はシェアハウスに住むことにした。
シェアハウスに住むなんて有り得ないと思っていた。
同じひとつ屋根の下に知らない人たちと一緒に暮らすなんて……
でも、僕は選ぶしかなかった。そのとき、僕の選択肢はホームレスになるか、死ぬか、シェアハウスに入るかのどれかしかないと本気で思っていたから。
そのシェアハウスをついに出ることにした。
約6か月をそこで暮らして、いろいろな人の人生に触れることができた。
そして、僕自信の価値観も変わり、素敵な経験もできた。
僕は端から見れば、落ちるところまで落ちた人間だろう。
そのときは、こう思えなかったかもしれない。
でも、今ははっきりと言える
「僕は本当に運が良い」
おそらく自分だけの人生にしか目を向けていなければ見ることができない景色を、僕はシェアハウスを通じて理解することができた。
でも、僕は思う。
シェアハウスは長く住んではならない場所だと。
それはなぜか?
確かに僕は素敵な経験をできた。でも、同時にそこに住む誰かに依存をしているような気がしてきた。
いい加減、また自分の足で立って生きていかなければと思い、今回出る決意をしたんだ。
決して、シェアハウスのメンバーが嫌いになったから出るわけじゃない。
自分自身のこれからの長い人生を考えたときに
しっかりと自分の人生を味わっていかなければならないと思った。
人は、誰かの人生を生きられない生き物だ。
役者みたいに誰かの人生を演じることはできても、その人の人生を生きることはできない。
自分のなかで、誰かに依存してしまってる感覚が出てきたなかで潮時だと本能的に気づいた。
決して、誰の力も借りずに生きるわけではない。
自分の力だけで生きられるほど、この世の中は甘くはないし、そんな生き方をしても誰も幸せにはなれない。
ここ1か月で思ったことだ。
これから、新しい生活が待っている。
それは、初めてひとり暮らしを始めたころとはまた違う想いをもって、誰かではない僕がまた始まる気がする。
きっと、必ず素敵な毎日が待っているはずだ。
嬉しいことも悲しいことも。ドキドキすることもワクワクすることも。
起こることのすべてが僕の人生に必要なことなんだと思う。
これからを素直に受け入れて、毎日を暮らそう。
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