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渋谷の夜

夜の渋谷ほど、いらんな人間を見ることができる場所はないと今は思っている。僕の東京での行動範囲が狭いからかもしれないが・・・

渋谷も夜が遅い街だ。終電を過ぎてからが本番?と思うくらい、街に人がいるし、お店のネオンもギラギラ輝いている。

家路を急ぐ者、カメラを片手にいそいそと渋谷の街を撮る人。お酒にすっかり酔った若い男性の軍団にギャル、そんな人たちをお店に呼び込もうとするキャッチの人たち。そして、お酒に潰されてしまって、道端で座り込んで頭が垂れてしまったり、寝てしまっている人。

当たり前だけど、いろんな人がいる。とある本からの抜粋だが、スクランブル交差点を1回の横断で行き来する人たちは、多くて3000人いるらしい。それだけ多くの人たちが集まる渋谷は、正に雑踏、混沌とでも言おうか。

そんな眠らない街を1人歩いていると、まるで舞台でスポットライトを浴びた主人公のような気分になる。たくさんの人々が行き交うセンター街の真ん中をネオンに照らされた自分が歩いているに過ぎないのだが・・・・・

とは言え、そんな喧騒もセンター街を通り抜けるとそれぞれの暮らしが根付く静かな渋谷(神山町)が姿を現す。いつ行っても客がいない馴染みのバーで1杯飲む。

そしてまた、来た道を引き返す。何を以て、こんな汚くて臭い街がいいんだと思いつつ、そんな街に夜な夜な繰り出しては、こうしてスカした文章を書いている自分もまた周りと同じようなものである。

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