見出し画像

真性S女 アトリエ・エス と行く万葉のたび

第三十回 市原…と言っても地名ではありません


   言問はぬ 木すら妹と 兄ありとふを ただ独り子に あるが苦しさ

巻六・一○○七、市原王(イチハラノオオキミ)。
作者が自分が独り子であるのを悲しんだ歌、とするのが現在の通説です。

「妹と兄ありと」、これ面白いですねえ、妹の方が兄よりさきですよ。
『家畜人ヤプー』のポーリーンもクララに妹→兄の順できょうだいを紹介しますけど、別に万葉びとが「女権社会」だったわけではないでしょう。
「女と男のきょうだい」という意味で、必ずしも兄いもうとという意味でもないようです。
あっと、イチョウのような雌雄の別のある木、という説もありますね。

うーん、市原ですか? 聞いたことくらいありますよね。
あれは、櫟(いちい)の木の原っぱ、が語源といわれてます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?