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実録Balatro攻略史 上達編

一つ前の記事をろくに書かずにやってたらいつの間にか

基礎編とかしゃれ込んでたら本当にゲームの構造について書くことが多くて本命のゲームに対する考え方とかをろくすっぽ書かずに終わってしまった。ので書く。大分雑多に書く。ちなみに先に書いておくと掛け算はともかく、この状態でこの枚数捨てたときこの役ができる確率は~などの数学的な要素は一切書いていないしプレイしているぼくもかんがえていません
ただセオリーをりかいすることだけでなんとかなるもんなんすよほんと


段階を踏んで上手くなろう

ジョーカーを買ってみる

このゲームの得点源はジョーカー・役のレベル・トランプの3つからなる。そして先に挙げたものほどその影響度が高い。どんな役をどんなトランプで作って出してもジョーカーは得点に関与するし、どんなトランプを使っても役レベルがあればいい得点が出る。しかし逆にトランプ1枚だけがどんなに派手な効果を持っていても役一回の提出でその強さは終わってしまうのだ。
確実にわかりやすい強みが得られるので初心者はタロットに頼りがちだが、基本的にはジョーカーから揃え始めるのがよい。少なくともアンティ3突破時にはジョーカーを5枚埋めておきたい。

画面と操作に慣れる

アクションゲームみたいなことを書いてるがちょくちょく見られるミス。
うっかりプレイとディスカードを間違える・ジョーカーをミスクリックして売ってしまう・トランプのスートを見間違える・成立している役を見落とすなどゲームの難しさ以前の問題なミスも多い。
プレイ/ディスカードボタンの位置やスートの色の変更はオプションで設定が可能。ジョーカーは用がないなら常に選択解除し、売却タブは閉めておく。
画面の下部にはランクとスート2種類のソートボタンが存在し、気づかないプレイヤーも多い。左のラン情報ボタンを押せば現在の役のレベル・出した回数・今後のブラインドの情報・買ったバウチャーが確認できる。

強くなるために手に入れた手段を使う

せっかくフラッシュを推奨するジョーカーを買ったのにフルハウスを狙っていては意味がないし、ツーペアを強化したのにストレートフラッシュが偶然できたからと言って出しても大抵ろくな得点にはならない。資金を費やして強くしたのだからそれを使わないことには宝の持ち腐れである。実際に役を出す前に画面左の計算欄には役そのものの得点が出るため、その時点で比較して難しい役がボロ負けしているようなら弱い役でもそれを使うのがよい。そもそも強化したのだからそれはもう「弱い役」ではないのだ。

得点システムを理解する

得点に関する要素はあれこれあるが、究極的には「チップ×倍率」の一言に集約される。そしてこの計算式は、2つの数値のバランスが良いほど大きい数値が出る。和は同じ100でも1×99は99だが、きっちり50×50にすれば2500と言った具合である。ということはどんなジョーカーを買うべきか、どんなタロットを使うべきかはこの2つの少ない方をカバーするように選べばいいのだ。チュートリアルで買わされるたった倍率+4だけのジョーカーでさえ、チップが1000くらいあるのに倍率が1やら2の状況下でなら砂漠でオアシスを発見したかのような恩恵をもたらしてくれる。

得点源の役割分担を知る

惑星カードは対応する役のレベルを上げる。役レベルが上がるということはその役を出すだけで保証されるチップと倍率が上がるということだが、実際の数値変化を詳しく見てみるとツーペア(天王星)は倍率+1・チップ+20、土星(ストレート)は倍率+3・チップ+30…という具合に倍率よりチップ側の数値が圧倒的に多い。ということは役レベルを上げれば上げるほどチップは他の要素で稼がなくてもよくなるわけで、他に受け持った要素があるのに限られた枚数しか持てないジョーカーなどがチップを稼ぐ必要はなくなる。
惑星カードを使ってジョーカーの仕事を肩代わりさせる。これがこのゲームの得点システムの本質である。今日はこれだけでも覚えて帰ってください

資金について考える

資金源には複数種類があるが、固定値なブラインド撃破報酬はともかく他…残りハンド数と利息はプレイングや時期でどちらをどう重視するか変わる。ゲームの序盤はノルマが低い。ということはジョーカーを買ってより少ない手数で倒せれば収入へとつながるわけで、火力確保がそのまま金策になる。
逆に利息を得るための元手が少ないのに無理に節約した場合、金はあれども火力に乏しいために上がり続けるノルマに対応できず残りハンドからの収入がどんどん減っていき、いざ金を使うという段階ではリロール金額が上がり続けるというショップシステムが立ちはだかる。資金システムは貧乏人には厳しいが、金持ちが急に金を一気に使おうとする行為にも痛烈なカウンターをかますのだ。目安としてはなるべく30$前後を維持できるようにしたい。もしもそれ以上の金額を持っているのに火力に悩んでいるなら、それは資金を火力に変換する機会を逃しすぎている。

ゲーム終盤はノルマがどんどん上がり、序盤では対応できていたデッキが徐々に手数を必要とするようになる。なので残りハンドよりも利息の重要度が一気に上がる。こういう状況でうっかり大金を消費した場合、利息収入が消えるので継続的にパック購入で惑星カードやタロットを積み重ねられず、リロールでこれぞというジョーカーを探すこともできずにわずかな報酬だけで食いつながなくてはいけなくなる。

ローグライトゲーマーにはこの構図に見覚えがある方もいるのではないか?早い段階から積極的に火力を確保し、それによって生まれた余裕でさらなる強化を整える、そして終盤帯にも通用するようにジョーカー強化や役レベルなど確実な積み重ねを怠らず、利息を得続ける経済を構築し購入力も保つ。
これはSlay the Spireのフロントローディングとスケーリングの概念に近い。Balatroには体力の概念がないが、代わりに経済力と惑星やタロットへの投資という形でリソースと投資先のやり繰りをゲーム内に実装しているのだ。

残りハンドは1手につき1$に換算される。つまり無駄なハンド1回の消費は1$を失うというわけだが、逆に言えばそれ以上の価値があるなら元を取れるということでもある。突破が確実な場合にゴールドシール付きのトランプをハイカードで出して小銭を稼ぐ・ゴールドカードやブルーシールのトランプを使えば倒せるという段階でどうでもいいカードを出して温存を狙う…など
勝てる状況下でも選べる選択肢は多い。そしてそんな状況下でも利息は平等に収入をもたらすわけで、金があるから利息がある→利息があるからハンドを消費して惑星やタロットをトランプから拾える→金を使わないでそれらを入手したので金が浮くという富める者がさらに富むループを作れる。

採点の流れを把握する

役を出すとトランプが採点され、手元にあるトランプの効果があれば乗り、そしてジョーカーからのチップや倍率が加わって得点計算となる。
これらはすべて左から右の順に行われる。Balatroにおいてのプレイングの差がつくのは主にこの順番のルールをきちんと把握しているかどうかであり、最悪な順番と最善な順番との差は時に数万点にも及ぶ。具体的な例として:

ラスフルジョーカー(スペードが得点時に倍率+3)とフォトグラフ(絵札が得点時に倍率×2)がある状態で全てスペードのキング・5・4・3・2を使ってレベル1のフラッシュを撃った場合、これを特に並び替えずに計算した場合キングで+3して倍率7→それを×2して14→残りの4枚で+12されて倍率は26となり、この条件下のチップ59と合わせて1534点になる。
これをキングを手動で右端に動かすとどうなるか。数字連中は前回と同様に倍率12を先に出すが、キングがフォトグラフの効果で×2倍をするときにこの数字たちが先に出した倍率も一緒に倍化の恩恵を受けるのだ。倍率は19×2で38となり、1枚のトランプを動かすだけで得点は2242点と708点も稼げた。

数字は掛けてから足すより足してから掛ける方が強い。この言われてみれば当たり前な黄金律を知っているかで負けていた戦いを勝てるケースは多い。
これはジョーカー同士にも言える。さらに多くのジョーカーが絡む例としてバナー(残りのディスカード1につきチップ+30・今回は残り3回で計算)
ジョーカー(倍率+4)
ハーフジョーカー(出したカードが3枚以下なら倍率+20)
カードシャープ(同ラウンドで一度出した役は倍率×3・一度出し済で計算)
ラーメン(倍率×2・捨てたカード1枚ごとに-0.01する・完全体で計算)
という顔触れで5を1枚だけ出すハイカードレベル1を出すとする。乗算倍率ジョーカーを左側へと置いた場合、ハイカードの倍率1をカードシャープで×3して3→ラーメンで×2して6→ジョーカーが+4して10→ハーフジョーカーが+20して30となり、チップが役の基礎チップ分の5+トランプからの5+バナーからの90で100となり100×30=3000点が出る。
今度は乗算倍率ジョーカーを右端に置いて計算する。素の倍率1に加算倍率ジョーカー2枚が4と20を追加して25→それをカードシャープが3倍して75→それをラーメンが2倍して150になる。チップは前回と変わらずに100だが、今度は100×150=15000点にもなる。なんとたった数回ドラッグするだけで得点が5倍/5分の1にも変わってしまうのだ。

こうしてタイミングの重要さを知ると、なぜタロット1枚で倍率×1.5だの×2だのが簡単に作れる一方、ジョーカーの効果で×2や×3をするのにさまざまな制限が付いて回るのかわかるだろう。役や手持ちの段階でいくら気前よく倍化をかけたとしてもその段階で倍になるのは他のトランプや役レベルから得られた倍率の数字だけで、それを増やすには大量の惑星カードやタロットが別途必要なのだ。もちろんそれらを用意できたなら、グラスやスチールは手軽な上に心強い強化手段となる。

解禁要素を探し出す

本作には多くのローグライク同様解禁に条件が設定されているものもある。強さはまちまちだが、使える要素はなるべく使いたい。優先したいものは:

スワッシュバックラー:ジョーカーを20枚売る。地道に売るべし。
バーントジョーカー:カードを50枚売る。ジョーカー以外も対象。
証明書:ゴールドシールの張られたゴールドカードを持つ。シールから先に探して悪魔のタロットをつける。
スメアードジョーカー:ワイルドカードを3枚以上所有。恋人のタロットはもちろん、死神で増やしてもよい。
シュート・ザ・ムーン:デッキ内のハートを1ラウンドで出しきる。積極的に塗り替えて母数を減らしてしまえばよい。
ハンギングチャド:ボスにハイカードでとどめを刺す。倍率とチップを両方ジョーカーから入手することを覚えれば楽勝。
ブレインストーム:ロイヤルフラッシュを捨てる。タロットも駆使せよ。
ウィージョーカー:18ラウンド以内でクリア。ある程度のスキップが必要。
運転免許証:デッキに強化カードを16枚持つ。エディションと強化は別物。
オニキスアゲート:クラブのカードを30枚以上持つ。月連打かスタンダードパック漁り。
インビジブルジョーカー:4枚以上ジョーカーを持たずにクリア。ペインテッドデッキなら確実に解禁される。
スタントマン:一手で1億点出す。役レベルを上げてひたすら掛けまくる。

役の特徴を認識する

役はそれぞれ出しやすさと惑星カードによる強化幅という差がある。そしてそれらの特徴によってどんなジョーカーと組むべきか、どんな利点とどんな欠点を持っているかが決まる。ひとつ言えるのは、どの役でも最適な手段に選ばれうるということ。一見頼りなく見える役でもしかるべき状況下ならばそれは唯一の勝ち筋になるかもしれない。

ハイカード(冥王星…倍率+1・チップ+10):いかなる状況下でも出せるというのが最大のメリット。他にも捨てる必要がない・連発できるなど大抵の初心者にとっては一見使いづらかったジョーカーたちが輝きだす役である。弱点としては強化効率の悪さ。役レベルでチップを受け持つという基本的な動きを実現するには他の役よりも大量の冥王星を必要とする。他にも多くのジョーカーが指定し支援する役はワンペア以上が多く、ハイカードを選んだ結果頼れなくなるジョーカーが増えるのもネック。詳しくは下の記事で。

ワンペア(水星…倍率+1・チップ+15):概ねハイカードに近いが、同様に現実的な安定感で出せるのが特徴。ただし完全に確定はしない以上わずかにハイカードが持っていた利点は失われている。代わりに惑星カードのチップ上昇量がわずかながら増えており、たった5でも育成効率が1.5倍になったり支援するジョーカーが使えるのは見過ごせない利点。その他は上の記事で。

ツーペア(天王星…倍率+1・チップ+20):惑星カードの仕事であるチップ上昇を一人前にこなせる数値が最大の売り。数枚確保した時点でジョーカーを倍率上昇に振り切れるため、火力を確保しながら役を出すための安定化へと舵を取れる。同じランク2個のペアを出すという都合上、一部のランクを使うと恩恵のあるジョーカーを利用して序盤を抜け出しやすい。その一方で倍率の強化は圧倒的な出しやすさを誇るハイカードなどと同等であり、十分な数値を持つ加算倍率ジョーカーがない場合は乗算倍率ジョーカーが全力を発揮しても大した数値にならないケースが多い。

スリーカード(金星…倍率+2・チップ+20):8枚の手札と複数回の入れ替えを駆使してもなお安定するとは言い難い役。ワンペア・ツーペアが無改造のデッキでも十分に狙えるのに対し、こちらはトランプ変化系タロットなどの本格的な労力を費やさないと毎回の確実な使用は現実的ではない。代わりに惑星カードは数枚使えばジョーカーに引けを取らないほど強くなれる。専門のジョーカーも作りにくさを考慮してかスペックは比較的高く、デッキ改造が上昇するノルマとの競争に勝てるかが課題。
…なのだが、最大の敵はむしろフォーカードかもしれない。スリーカードを安定して撃てるようになる=だったらその改造を続行すればもっと強い役が視野に入るという当然の想定がなされるのだ。強さ(トランプのランクを1上げる)では狙ったランクのすぐ下の数値しか排除できず、8枚では安定化とは言い難いので死神(選んだトランプをもう一枚選んだものに変える)を連打することとなり、そこまで来るともはや目指すべきラインは大分曖昧になる。差別化が可能な点はカードの枚数よりそれを同時に保有する手札枚数の方だろう。この手の役を狙うのにうってつけなウィジャ(手札のカードをランダムな単一のランクにする・ハンドサイズ-1)のデメリットで減った手札では4枚役でもかなり狙いにくくなり、ブルーシールの活用のためにもスリーカードで手を打つのが視野に入ってくる。

ストレート(土星…倍率+3・チップ+30):これまでの慎ましやかな強化幅と違い、1枚使うだけでコモンジョーカー1枚分ほどの圧倒的なカードパワーが売りの5枚役。代わりにその作成難度も厳しく、運が悪いと一回も撃てずに惨敗するリスクを伴う。さらに拍車をかけるのがデッキ改造難度であり、同じ数字を作るのに適する死神はランクを偏らせるという形で根本的な解決にはならず、ランクを調整する強さは臨時の役作成には使えても後々ランクの区分が歪むという後遺症を残す。実質吊るされた男(カード2枚を破壊)しか絶対的に改造を進行させることはできない。
そこに颯爽と現れるのがショートカット(ランクを1個飛ばしでストレートを作ってよい)である。一応フォーフィンガー(ストレートとフラッシュを4枚で作れる)もあるが。実質ストレートはこれらのルール変更ジョーカーを持っていれば解禁される特殊役に近く、それ以外はトレーディングカード(最初のディスカードが1枚だけならそれを破壊)を早期に拾って徹底的なデッキ圧縮を行ったケースぐらいである。だがこれらのジョーカーがあれば後は延々土星を使うだけでスコアがぐんぐん伸びていくパワープレイを存分に堪能できる。バウチャーの望遠鏡(最も出した役に対応する惑星カードが天体パックから確実に出現するようになる)もあればもはや敵はない。

本作に限らずカードゲームはデッキを徹底的に薄くしたいところだが、このストレートに限ってはそれが正解とも限らない。デッキがすべて同じスートなら100%フラッシュが出せるし、同じランクならファイブカードが出せる。しかしストレートはデッキの中身を5種類のランクに絞っても確実に撃てるわけではない。同じランクを集中的に引くと役は成立しなくなり、だからといってそれらを捨ててしまうと今度はそのランクが足りなくなってしまう。これを解決するにはデッキではなく、それらを一度に受け入れる手札枚数を増やすのがよい。スートやランクの染め役はデッキ改造が済めば手札枚数は5枚だけで済むがその実現が難しく、逆にストレートは染めるという概念が通用しない代わりに手札枚数の増加が役作りを楽にする大きな要因なのだ。

フラッシュ(木星…倍率+2・チップ+15):5枚役の中では最も惑星カードの性能が悪い。その理由は何よりもその作りやすさにあり、ゲームの最序盤はトランプそのものから得られるチップと素の倍率によって目指さない理由がないほどのジェイガンっぷりを見せる。だが中盤以降から育成効率の悪さで何も考えず理由も持たずに使い続けるとジリ貧になっていく。スート変更用タロットはいずれも1個で3枚までのカードを変えられるため、これを積極的に連打してディスカードを消費せずとも毎ターン連発する体制を整えたい。5枚役だがその本質は一撃必殺ではなく、ハイカードと同じ連打役なのだ。
その一方で腐っても倍率+2と惑星強化を連発すれば倍率面では無視できない数値になる。これを活かすのがトランプ採点時に倍率を掛けるジョーカー・コンボであり、エンシェントジョーカー(毎ラウンドランダムに決められたスートのトランプが得点時×1.5倍)やフォトグラフ(各役で最初に使用する絵札が得点時に倍率×2倍)+ハンギングチャド(各役での左端のトランプを2回再発動)などが有力。特に後者の写真チャドコンボはキーパーツである絵札の使用数がフラッシュでは1枚で済み、圧倒的な倍率供給の前では本来誤差程度に過ぎないトランプからのチップですらも有力な得点源になる。
うおおおおおおおおお写真チャド最強!写真チャド最強!写真チャド最強!

フルハウス(地球…倍率+2・チップ+25):ツーペアとスリーカードの上位版とも言える役。大体はそれらの役がやや出しにくくなり惑星の性能が強化された形になるが、その割に金星とチップ+5しか変わらないのは微妙にケチくさい。数値が少ないので繰り返し使う際死活問題になった冥王星と水星と違い、20と25では体感そこまで違いが出ないのだ。いわゆる収穫逓減っつーヤツである。それでもこれを選ぶ場合、主にフィボナッチ(エース・2・3・5・8が得点時倍率+8)などのハイスペックなランク指定ジョーカーだったりツーペアを出しやすくするための死神&強さ連打が極まった場合など、本来スリーカードやフォーカードも狙えそうながらも目指すランクを統一しきれなかった末のケースがありうる。ツーペアとスリーカードが対象のジョーカーを両方利用できるため、いろいろと受けが広いのが便利。

フォーカード(火星…倍率+3・チップ+30):ここら辺からは本格的に改造が前提となる難易度になってくる。同じ強化幅なストレートと違いランクの違いをごまかすジョーカーは存在せず、スリーカードの項目で述べたようにタロットやウィジャなどで相応な労力と対価を支払った末になんとか実用化できる役と言える。そして同様にその報酬はすさまじく、特にあくまで4枚しか使わない以上5枚役と比べればブルーシールを使う難易度も低くなる。素の数値も相応に確保されており、望遠鏡の対象になれるまで食いつなぐ・青シールのためのとどめ役を務めるため先立つ火力があるのは安心できる。

ストレートフラッシュ(海王星…倍率+4・チップ+40):無改造なデッキの52枚で作れる最強の役。当然ながらそんなパワーが楽に使えるはずもなく、ジョーカーの補助やタロットで色変更とお膳立てしてやっと手に入れられる境地にあるのがこれらの役である。そしてこの辺の役が抱える決定的な問題として、実用化する前にそこまで食いつなぐのに使った役の方が大抵強い。火力に直接はつながらない様々なタロットやスペクトラルカードもタダではないのだ。それをいつか本命の役ができるからと他の惑星には見向きもせず海王星を連発しても大抵は志半ばにして倒れるのがオチである。ルール変更ジョーカーを複数枚抱えればデッキ改造の労力は軽減されるが、ジョーカーを使ってジョーカーの仕事を減らせる強い役を作る、というのも本末転倒。

ファイブカード(プラネットX…倍率+3・チップ+35)
フラッシュハウス(セレス…倍率+4・チップ+40)
フラッシュファイブ(エリス…倍率+3・チップ+50)
これらの役とその惑星カードは実際にそれらの役を撃つまでそのプレイでは出てこない。なぜまとめて書くかと言えばストフラ同様、実際にアンティ8のボスを突破するにはこれを作るまでに強化した普通の役の方が強い場合が多いからである。それ以降のインフレしていくノルマを戦うならこれらの役に頼るべきだろうが、大抵の場合は新たな候補が入ってきた天体パックから対応する惑星を引くことすらままならないだろう。

スキップの価値を鑑みる

スキップは一般的なローグライクで言うと戦闘を避け、イベントなどを選択する行為に当たる。タグの中には普通のショップでは滅多に得られない特殊な恩恵を持つものもある。
だがスキップが普通にブラインドを倒すよりも良い選択である場面は極めて限られる。このゲームの経済やショップのシステムがその原因だと言える。

他のゲームと違い、本作は戦闘によって失われるリソースが極めて少ない。一部の食品系ジョーカーが行動ごとに効果が減っていったり、グラスカードが割れてしまうリスクなどがそれに当たる。しかし前者はそもそもの性能に限度があり、後者はトランプという比較的ゲーム全体に対して影響が少ない要素なのだ。さらに普通のゲームなら戦闘で体力などのリソースが減少した結果本来なら勝てたはずの戦闘で勝てなくなる…というケースがある一方、本作のスキップが可能なスモール・ビッグブラインドではひたすらノルマが上がり続ける。今目の前の戦闘から逃げたプレイヤーを待っているのはより強力な敵なのである。そんなわけで、スキップするからにはすでに強い状態でなければならない。そしてすでに強いプレイヤーにとっては楽に勝てる敵をすぐに倒せば余りハンドや利息でさらなる収入が確定しており、ダメ押しとして新鮮な品揃え・パック・リロール価格を持つショップが待っている。

結果としてスキップする価値がある状況とはすでにクリアが確定したほどの強力なデッキがお遊びとして使うか、逆にまともな火力確保すら怪しい悲惨な状態のデッキが望みを託し強化手段を探す…というのが大半ではないか。ゲーム側が設定したスキップの価値の目安として、スローバック(スキップしたブラインド1個ごとに自身に×0.25を足す)がある。すなわちスキップで0.25倍以上を稼げればおおよそ得をしていると言っていいだろう。例としてホログラム(トランプをデッキに足すと自身×0.25を足す)を持った状態のスタンダードタグなど。他にも直接強くなるオービタルタグや道化師タグはショップを介さずに火力を手に入れられる。またどうしても資産を形成するための元手が少ない序盤の投資タグ・鬼門となるボスを突破するために資金を浪費した後で経済を復興するためのハンディ・ガベージタグなど、絶好のタイミングに現れるタグはスキップに見合う価値があると言える。その一方とりあえずネガティブタグがあればスキップという姿勢はかなりギャンブル寄りという意識は持つこと。戦法に無関係なコモンジョーカーが追加されたところで実際には役レベル強化やタロットを構える方が強い場合が多い。

スキップのもうひとつの使い方に、逃げる・駆け込むためのスキップという視点がある。逃げるスキップは火力は十分だがしかるべき状況を作るのには不安があり、そしてそれがショップではなかなか行えない場合が該当する。例としては補助用ジョーカーがない場合のストレートが挙げられる。倍率をホログラムなどの1枚ですさまじい値になるジョーカーが担保し、考慮することはもう実際にストレートを撃てるか否かという段階では、ショップへと訪れてその改善手段を探すよりも多くの戦闘をするリスクが勝るのだ。
駆け込むスキップは主にエンシェントジョーカーを使うフラッシュを指す。これに限らずラウンドごとに指定する対象が変化するジョーカーはスキップしてもその対象は変化しない。次のボスが対応するスートにデバフを掛けるボスだった場合、何も考えずにビッグブラインドを終えるとうっかりボスに対応するスートが選ばれた場合対応する手段がなく即死する。そんな事態を防ぐため、ビッグブラインドを選択する場面でボスと違うスートが選ばれていたならその時点でボスへと突入して安全にアンティを突破するのがよい。

唯一戦闘そのものに貢献するタグにジャグルタグがある。スチールカードを大量に搭載する・難しい役を確実に連打するなど、今後の戦闘に耐える火力はあるが今このボス相手には補助や確実性が欲しいという場面では頼れる。特にアンティ8のボスなど後のことを考える必要のない場面になるほどその価値は急上昇していく。

ラウンド1を一撃で仕留める

ゲームの流れはいつどんな戦略を取るかでいくらでも変わってくる、なので解説しようにも全てのプレイヤーに平等なラインはここしかない。
300点を出すのに必須なのは倍率4以上の役である。ツーペアでの最善手は42×2=84・スリーカードでも33×3=99と悲惨な点数しか出ない。
ストレートの場合クイーンを含むと(10+10+10+9+8+30)×4=308でギリギリ越す。フラッシュならチップの合計が40以上なら75×4=300を超える。
フルハウスの場合大きい数字が3枚側の場合、小さい数字との合計が14以上ならよい。小さい数字が3枚側なら合計は15以上が必須。
フォーカード以上は役の素の得点だけで超える。

仕様を学んで差をつける

トランプの強化は異なるジャンルなら上書きせずに共存できる。これを利用し手札に残して使うスチール・ゴールドカードとブルーシールを合わせれば1枚で火力・資金と惑星カードを生み出す強力なトランプが作れる。他にもレッドシール+グラスカードで手軽に役の倍率を×4倍にしたり、ホログラフ+ストーンカードで倍率+10・チップ+50するオールラウンダーを作れる。
一度出たボスは他の全てのボスが出るまで出てこない。つまり序盤でスートデバフ系のボスが来れば以降はよほど長くプレイしない限り再度対策されることはないわけで、デッキを一色に染める場合どのスートを目指すべきかはこれを基準に決めるといい。
持っているジョーカーや惑星カードはショップなどで重複して出てこない。真っ先に解禁されるが大抵のプレイヤーが説明文を理解していないであろうリングマスター(既に持っているカードが重複して出るようになる)はこれを許可するということ。これを利用すればいらない惑星を抱え続けることで目当てのカードをパックから狙って出しやすくなる。逆にタロットの使い所を狙ってずっと抱えているとそれが出てこなくなるので、早い段階で候補を見つけて使わないともう一度入手するチャンスがどんどん潰れてしまう。
メガサイズのパックは2枚選べるが、欲しい候補が1つしかないならいらないものを先に選びたい。愚者(最後に使ったタロットか惑星を作る)で目的のカードを再生成できる可能性を考慮し、いつ愚者が来てもいいようにカードの履歴を有用なカードに設定しておけば後悔することもない。
タロットは山札のカードが配られた場面ならいつでも使える。スペクトラルパックを開ける場合、有用なシール追加系やクリプティッド(選んだカードのコピーを2枚作る)などと組み合わせるために即席で相性のいいトランプを作る準備をしておきたい。
ボスを倒したらアンティが上昇するが、その後に訪れるショップでラン情報を見れば次のボスが何かこの段階で見られる。危険なボスだったら対応手段を早めに探すべき。対策は早めに練れるならそれに越したことはない。他にディレクターズカットでボスのリロールが可能な場合、経済的な問題でない限りは早めに回したい。リロール後のボスが安全である保証などないのだ。
クリアランスセールなどの売値割引効果は店でなにかをこちらが買う時だけでなく、こちらが売る時にも適用され売値が下がってしまう。売却額を参照する効果を利用している場合、あえて余裕があっても買わない場合もある。
役を出すことで成長するジョーカーがある場合、わざと手加減すれば数値を稼げる。もちろんし過ぎてクリアできなかったなら本末転倒だが、実質的に火力を資金で買える貴重な機会でもある。
ヴァンパイアがストーンカードの強化を解除した場合、採点の対象となったまま役と無関係なカードとしてしっかり得点になる。興味深いことに、これで中身が絵札だった場合ライド・ザ・バスの倍率はリセットされず、しかしスケアリーフェイスなどの絵札シナジーを持つジョーカーは発動する。

強力なコンボを覚える

本作はジョーカーの組み合わせで生まれるシナジーを活かすのがゲーム性の特徴だが、実際に「コンボ」と呼べるレベルのものは多くない。そもそも、同じ条件下で反応するジョーカー…ジョリージョーカー(ワンペアを含むと倍率+8)とスライジョーカー(ワンペアを含むとチップ+50)を並べたからといってゲームをクリアできるわけではない。それでは単に起動条件が同じジョーカーを並べただけで、両方の強みを生かしているわけではないのだ。
コンボの評価基準としてそのパフォーマンス・成立難度・個々の部品の強さなどがある。相性はよくとも最大火力が出ないなら存在価値がないし、レア度が高かったり枚数を要したりと実現できないなら机上の空論でしかない。相方が見つかれば強いがそうでないならお荷物、というジョーカーを抱えるのも厳しい。いわゆる強力なコンボとはこれらを満たしていたり、あるいはそうでなくても突き抜けた火力を持ちアーキタイプと呼べるパワーを持つ。

エッグ+スワッシュバックラー:ブラインド撃破時に自身の売値を3$増やすエッグと他のジョーカーの売値を倍率として加えるスワッシュバックラーのコンボ。エッグ側は早ければ早いほど売値が上がり、スワッシュバックラーは序盤の手頃な倍率源としても便利。倍率として出力する以上後者がコンボの主軸であり、同じような働きをするギフトカード(ブラインドを撃破時に所有しているジョーカーと消耗スロットにあるカードの売値を1$増やす)とでも組める。ギフトカードは4枚を1$ずつ増やすので強化スピードが速いが、後からジョーカーを変えると倍率が失われるのでやや取り回しが悪い。いずれにしろ元手いらずの倍率増加と節制(ジョーカーの売値合計を獲得)での臨時収入が狙え、レアリティも低めなのがありがたい。

フォトグラフ+ハンギングチャド:役に使われた最初の絵札1枚が倍率×2倍するフォトグラフと役の最初のカードを2回再発動するハンギングチャドのコンボ。倍化対象はほぼ役の基礎倍率のみに限られるが、2枚で2×2×2の8倍を叩き出す超火力と手軽さが売り。得点時に倍率を足せるジョーカーや強化ならここに割り込んでさらに強化が可能であり、例えばスマイリーフェイス(絵札が得点時に倍率+5)を併用するとレベル1のハイカードでも倍率は78に達し、単なる倍率カードでも64まで上がる。さらにフラッシュの役解説で書いたように役レベルの伸びが多ければこの数値は凄まじい効率で増える。唯一にして最大の弱点はボスのプラント(絵札をデバフ)である。コンボの起点である絵札を潰されると完全に機能を停止するのだ。だがフォトグラフの効果は実質的に「最初の絵札が壊れないグラスカードになる」と呼べるので、常に正義(選んだカードをグラスカードにする)を構えておけば対策が可能。このコンボは役レベルさえあれば火力に関する懸念が消滅するので、むしろリソースはその安定化に費やした方がいい。グラスカードを絵札以外につける・スタンダードパックから絵札を回収する・一度倒したボスが対策していたスートに変えて少しでも安全な絵札を増やすなど。これに限らず、無駄にオーバーキルするメリットは存在しない。必要以上の火力で轢き潰すのに専念するよりも、その労力を安定や補助に回すことを意識したい。

グリーンジョーカー+ライド・ザ・バス+スクエアジョーカー+超新星:このジョーカーたちに共通する点として、条件に合った役の出し方をし続けると出力が上がっていく。この面子がいつでも揃うわけではないにせよ、これらのジョーカーが提示する条件…カードを捨てずに(グリーンジョーカー)、絵札を使わず(ライド・ザ・バス)、トランプをちょうど4枚で(スクエアジョーカー)、なるべく同じ役を撃ち続ける(超新星)。厳しい条件だが、ジャグリングのようにこれらの要求を満たせば莫大なチップや倍率が使ったトランプや役を問わずに供給される。詳しくはハイカードの役解説で。

儀式の短剣+ジョーカーステンシル+キャンプファイア:すぐ右のジョーカーを破壊して成長する儀式の短剣・空きスロットの数だけ×1倍を自身に加えるジョーカーステンシル+種類を問わずカードを売ると自身に×0.5倍を加えるキャンプファイアのコンボ。これらの面子はいずれもジョーカースロットを犠牲に倍率を稼ぐという共通点を持ち、ショップで不要なジョーカーの売買を余ったスロットで繰り返してキャンプファイアを強化し、ブラインド開始時に短剣が不要なジョーカーを斬って火力を上げ、そしてその開いた穴からジョーカーステンシルがさらなる乗算倍率を得るというシナジーを形作る。要求されるのはこの莫大な浪費を許す経済基盤である。空きスロットが戦法のコア故に実質何もしないジョーカーを抱えて資金を捻出しせねばならず、残りのスロットはチップジョーカーなどで補助しないと倍率を活かせない。もちろんこれらに加えて一般的な惑星強化などのセオリーもこなすわけで、実際にプレイ軸として回すには優れた財政管理能力が求められる。

パレイドリア+ミダスマスク+ヴァンパイア:全てのトランプを絵札とみなすパレイドリア・採点された絵札をゴールドカードにするミダスマスク・強化されたカードが採点されると強化を消して自身に×0.1倍を足すヴァンパイアのコンボ。これらが揃えば役を出すと全てのカードがゴールドになり、それをすかさずヴァンパイアが吸って倍率に変える。適当な5枚役を連発すれば強烈な倍率が稼げるという仕組みになる。弱点はいずれもアンコモンという集めにくさ。一応コンボの軸は倍率を出すヴァンパイアであり、この3枚が同時に揃わなくともミダスマスクで先に強化を用意する→売り払ったころにヴァンパイアが出てきてそれを吸うといった同時に存在しなくてもコンボが成立するルートがあるのは救い。なんならパレイドリアがなくてもある程度強化は用意できるわけで、コンボを妥協するという概念があるのも評価点。上を見るならスプラッシュ(出したトランプが全部採点される)だとか運転免許証(強化されたカードが16枚あるなら×3倍)とかあるしキリがない。

おまけ:私的ティアリスト

強い時に強いカードは弱い

おまけ2:デッキ評価

なぜ使うデッキという重大な要素をおまけで書くのか?端的に言うならば、全部のデッキを使うのは大前提だからである。特定の目的を達成するために強力なデッキを使うのはもちろんだが、デッキそのものは実質的に別ゲーと言っていいほどに小さな、しかし確実な差をゲームに投げかけているのだ。なら全てのデッキの特徴と得手不得手を知るべし。そして狙え実績全制覇。

レッドデッキ(ディスカード+1):ハンドとディスカードではハンドの方が価値が高い。そんなわけでブルーの影に甘んじているわけだが、実際はこのゲームで上手く行っている場合というのはそもそもワンパンを連打している状態なので、実質ハンドの価値は強くなるほど徐々に薄れていく。んなこと言い出したらトントン拍子の時は使われすらしないディスカードはどうなんだよと言われそうだがこちらは残りディスカード数を参照するジョーカーがいくらかあったり、中規模の役をプレイとディスカードを交互に繰り返して整えつつ連発するという場合は少なからず役に立つ。

ブルーデッキ(ハンド+1):得点源・資金源になるハンドを追加する優秀なデッキ。最初にある画像の連勝はブルーデッキでやっている。とにかく残りハンド数からの収入が序盤から増えているというのが強力無比であり、全体を通して他のデッキよりも23$多く使えるというメリットは計り知れない。特にハイカード軸などハンド数が火力に直結する戦法では文字通りに頭一つ抜けた安定感を誇り、レッドとブルーに共通するデッキを掘れる枚数の多さも一撃必殺系大型役にも対応可能なポテンシャルになる。

イエローデッキ(追加で10$所有):序盤が安定するデッキ。と評されがちだが、実際使うなら序盤に無理を通すために選ぶデッキ。開始時から大金を持つことで利息を見越した資金繰りがやりやすくなるというのは確かに売りだが、単にそれをやるだけなら偶然隠者や節制を引き当てた他のデッキでもできてしまう。またアンティ1のショップが悲惨な品揃えでも金の力でゴリ押せると思われがちだが、本当に悲惨なショップでは得点に寄与するものがろくに売っていないんですよ!!!わかりますかこのつらさが!!!!!!追加資金というのは他のデッキの好調時と比べ、閾値と言える決定的な変化点が少ない。この数値を超えてるから他のデッキにできないことができる、というポイントが薄いのだ。そしてそれを実現できるタイミングはどこかと言えばやはりアンティ1である。序盤だが絶対に買いたい(買い揃えたい)ような高額商品・コンボが並んだ場面で、他のデッキならそれを見送るしかないそれらを確実に買える…無理を通す必要な出費を許すのが強みである。

グリーンデッキ(利息がない代わりに残りハンドから2$・残りディスカードから1$を得る):経済のシステムを変更するデッキ。このデッキでは資金を貯め込む動機がなくなり、積極的に投資してなるべくハンドもディスカードも使わずにブラインドを倒せる火力を作るのが推奨される。とはいえ、資金を火力に変換する手段は意外に少ない。雑にリロールなどでジョーカー捜索もいいが、レッドカードやフラッシュカードなど品揃えが無関係な強化手段も試してみるべし。利息は得られないものの単純に高額な商品が来ても購入できるよう、ある程度は準備しておくこと。このデッキでは貯金の副産物がないが、だからといって積極的に浪費する理由もないのだ。

ブラックデッキ(ジョーカースロット+1・ハンド-1):苦しい!!!!!ブルーデッキが強い理由がそのまま逆になって襲い掛かるデッキ。リソースには適量というものがあり、レッドデッキの項目にあるように多すぎるならその価値はやや薄れる。しかしハンドとは4か5くらいがこのゲームでは最もバランスのいい数値であり、それを下回ったこいつは生まれてくるべきではない存在なのだ。ジョーカースロットが多いのは一見メリットだが、それを埋めきるまで生き残ること自体が難しい。リフラフやトップアップタグなどとにかく頭数を揃えなければ減ったハンドによる火力不足が重く響き、資金も序盤の重要な収入源が減ってジョーカーが持てるデッキなのにジョーカーが足りないという矛盾を起こす。そして首尾よく生き残れたとして、ハンドが減ったデメリットは1回当たりの要求火力の上昇として付いて回る。1.3倍の火力を出さなければ他のデッキと比べて総火力で劣り、増えたスロットは大抵新たなる乗算倍率ジョーカーをなんとか探し出して置くという本末転倒な苦労をしてようやく平等になる。その分ハンドを増やす手段は他のデッキ以上にありがたく、バウチャーで確保できればこのデッキも真っ当な人生を歩める。でもやっぱきついものはきついんでハンド-1はRedditで言われてるようにデフォでヒエログリフを所持にしませんか?しましょうよ

マジックデッキ(水晶玉と愚者2枚を持って開始):愚者は強力。タロットに限らず、コピー系効果は似たような効果をかき集めるのすら苦労するこのゲームにおいて、確実に同じ効果を使うことでデッキの軸を作れるからだ。となるとどんなタロットを再利用すべきかだが、なかなかに困る。色変更系を使えばフラッシュを出しやすくなるが、フラッシュへと特化するだけならはるかに使い勝手のいいデッキが他にある。ランクを変更するのもいいが、2回再利用できる程度だとやや地味。となると結果として選ばれるのが資金の増加である。結局金かよ!一応水晶玉を活かすためにブルーシール持ちを死神で増やすのもいいが、そもそも愚者が強いのにそれをアルカナパックで拾うチャンスが潰れてしまうのでなるべく早く使いたい、となるとお膳立てがなされるまで悠長に待ちたくない…というジレンマがある。やっぱり金!

ネビュラデッキ(望遠鏡を持って開始・消耗スロット-1):ブラックほどではないものの、独自のデメリットを持つデッキ。メリットである望遠鏡もそれ自体はとても強力だが、開幕から持たされると本命の役より序盤を突破するのに使ったフラッシュなどの役が選ばれてしまいがち。消耗スロットの減少は積極的にタロットを使ったり構えたりするプレイでは障害になるが、一番目立つのは女教皇と皇帝のランダム生成組であろう。実際にこの2枚で確実に狙ったものが出てくるわけではないので消極的な選択肢ではあるが、やはりチャンスを奪われた…というかこれらを使った瞬間スロットの減少を実感するという形でマイナスイメージが強い。その瞬間まで気づかなければ実際そこまで損はしてないわけだが、望遠鏡の最頻役が序盤で使用した役を追い越すまで実用化できない問題もあり、妙にプレイヤーに不満を抱かせるケースの多いデッキと言える。強さとしては望遠鏡が望遠鏡です以外に言うことがあまりないが、それが強く活きるはずのストレートは火力よりも実戦での出しやすさを補助するデッキの方がよい。

ゴーストデッキ(ショップのランダム枠にスペクトラルカードが追加され、ヘックスを持って開始):派手な影響を及ぼすが多くの場合パックを開けたタイミングでしか使えないスペクトラルカードが買えるようになる。確率は低いが、簡単にリソースを増やせるシール追加・失うものが少ないからこそ積極的に使えるレイスやアンク・いざという時の切り札として使える紋章やウィジャなど運良く買えた場合は戦略の幅が一気に広がる。ヘックスも序盤に拾った優秀なジョーカーにつければ少量ながら確実な乗算倍率が確定するのはすばらしい。何かしらの上振れで生まれたリソースを活用できる上級者ならかなり希望を持てるデッキだろう。素直に強いから書くことがねえ!

アバンダンドデッキ(デッキから絵札が削除されている):カードゲームの基本であるデッキ圧縮がなされた状態で始まる。ごく序盤はトランプからのチップに困窮するだろうが、それが些事になってくる中盤以降は大型役でも成立が狙いやすい強みが活きる大器晩成型のデッキ。デッキ改造への労力が軽減されているのが強力だが、別にこの40枚で満足しなければならないわけではない。さらなる圧縮やランク変化も考慮しておくのがいいだろう。絵札関連のジョーカーは採用できないが、実際に強力なのはフォトグラフくらいなので積極的にフィボナッチなど数字を使う系列のジョーカーが活躍する。フルハウスなど作るのが難しい大型役は概ね有利になるが、このデッキではある程度ハンドやディスカードを増やせばデッキを完全に掘り尽くせるようになるのが他のデッキにできない差別化点。アクロバットやダスクを使い、究極の一手を決めることだけに特化したデッキも作れるかもしれない。

チェッカードデッキ(スペード26枚とハート26枚のデッキ):当然ながら、フラッシュを推奨するデッキ。作りづらいというフラッシュの弱点が消え、連発役としてのポテンシャルをフルに発揮できる。特に手札枚数が増加する効果と相性がよく、手札9枚なら確実に同じスートが5枚存在する。最序盤をフラッシュ連打でほぼ確実に突破できるという点もあり、デッキの大幅改造という形で間接的にさまざまな恩恵を振りまいているデッキと言える。弱点はそのままスートデバフの影響が増え、使えるジョーカーの候補が減る点。クラブとダイヤに影響するのはもちろん、フラワーポットなど多くのスートを使用する系もアウト。またゲーム内からその2つのスートが消滅するわけではないので、エンシェントジョーカーで選ばれたりスタンダードパックや証明書などのカード追加効果では普通に出てくる。

ゾディアックデッキ(オーバーストック・惑星商人・タロット商人を持って開始):ショップの性能を強化するデッキ。出現率変化系バウチャーは本来ジョーカー陣が完成してから使うことでパックに頼らず該当カードを買えるのが売りだが、このデッキはジョーカーが必要な最序盤からそれらがある。そう聞くと弱いデッキに思えるが、オーバーストックの影響で実際はわずかに他のデッキよりジョーカーが出やすい。このゲームで強くなる手段である強力なジョーカーの発見や隠者などでの資金増加など、ランダム性に頼った戦力増加を狙いやすくなるのは地味ながら強力。オーバーストックの存在は実質的に2回ブラインドを倒すとリロール1回分余計に商品をチェックできるわけで、金銭的な負担もかなり減る。パックからの購入と違ってタロットはランダム枠から買うことで、タイミングを選んで構えやすくなるのも利点。華々しい強みはないが、堅実に強化の手段を積み重ねるいぶし銀なデッキ。

ペインテッドデッキ(ハンドサイズ+2・ジョーカースロット-1):頼れるジョーカーが少ない分よりコストを要求しながらも強力な面子を揃え、その上でストレートなど派手な役で少しでも得点源全体を活かしきる必要のあるデッキ。大型役を目指す前提でも手札10枚はやや過剰とも言える数値。他のリソース関連でも何回も言ってきた多すぎるリソースはその価値を薄める、といういいサンプルである。ジョーカースロットはブラックデッキの真逆でその上限に達するまでは何枚だろうと損はしないわけで、相対的に最序盤がいくらか有利になるデッキと言える。エクトプラズムやウィジャなど対価を払ったさらなるジョーカーの追加やデッキの改造を行えば真っ当な上に強いデッキになれるだろう。タロットやスペクトラルパックの購入時により多くの選択肢があるのはマジックデッキ以上にタロットを使いこなしている。

アナグリフデッキ(ボスブラインドを倒すとダブルタグを入手):スキップ自体はあまり強くない。ならば最小限の損失で最大の利益を出したいところだが、このデッキは実際にスキップするまでメリットがない。このデッキを見て多くのプレイヤーが思い浮かぶネガティブタグ量産も、実際にタグ自体が現れるまでバニラ状態で生き残らねばならないのだ。地味ながらも一度は試してみてほしいのはオービタルタグ。タグを運よく引いた上で狙いたい役が出るというのが理想のシナリオだが、ハイカードとかでも一気に10レベルも上がればいきなり主力役になれる。強烈なレベル上昇は実質戦法に合ったネガティブジョーカーを引けるに等しいのだ。とはいえ、なんだかんだ実際に利益を得るならある程度の元手から経済タグ辺りを介して大金を得るのが一番手っ取り早い。マジックデッキと大して変わらんのじゃ!結局金かよ!

プラズマデッキ(得点の計算時にチップと倍率の数値を両方の平均値として計算する・ノルマスコアが2倍になる):この項目の最初にデッキは実質的に別ゲーとか頭のおかしいことを抜かしていたが本当に別ゲーにしてしまうデッキ。チップと倍率のバランスを考える必要はなくなり、とにかく絶対的な数値そのものをひたすら増やすことを求められる。そしてチップと倍率ではチップが増やしやすい分、基本的にはそちらに注力すれば序盤は問題なく突破できる。しかしこの有利な計算式の代償として、ノルマスコアの上昇が異様に早い。チップジョーカーがある程度のスコアを出す分には苦労しないように、このデッキもある程度ならほとんど苦労せず出せる。しかしノルマが厳しく設定される高ノルマ系ボスではその強化点も数倍にされてしまい、固定値を供給するのに特化したチップジョーカーばかりではいきなり現れるハードルに対応しきれなくなりやすい。ボスのリロール手段で確実に弾けるならいいが、それ以外では少なからず普通のデッキのように倍率を確保するのが安全策となる。得点システムの変化をフルに活用するのもいいが、実際は普通の計算式でも強いデッキが強いという意外にも夢のないデッキ。

エラティックデッキ(デッキ内のランクとスートが不規則に決まる):説明に困る!なにせデッキがどうなるか分からないのだから解説のしようもないのだ。ただ少なくとも言えることとして、ポーカーの役はストレートを除き同じ要素を集め違う要素を排除することに集約される。デッキ圧縮の手段があるなら積極的に少ない要素を排除し、多いものをパックなどから増やすとよいだろう。すべてのランクが4枚ずつという普通のデッキは、逆に言えばすべての役に対して敵対的なデッキと言えるのだ。多くのデッキは開始時に10$ほどの利点を持って開始する…バウチャーと同等の効果だったり、あるいは直接資金を持っているデッキもある。そしてこれはデッキ内のランダムなカードの組み合わせに死神が適用されまくったデッキと表現できる。つーかこの理論だとゾディアックくんが強くない?連勝途切れたら試したいんすよ

おまけ3:こぼれ話

8ボールは当初8を2枚使った場合惑星カードがランダムに生成されるという効果で背景も対応するシールがそうであるように青色だった。そっちの方が使いやすいのではないか?実際にそうだったらしく、元々はアンコモン。

遅れた満足感は原文では"Delayed Gratification"。主にマシュマロ実験に代表されるような、より後の利益を得るため目の前の得を我慢する能力のこと。実際の挙動はハイカードなどを連打し目の前の得点をかき集めるようなものになるので、正確なネーミングかというと疑問。なおマシュマロ実験自体はその後に正確性に疑問が持たれ撤回されている。

詐欺師は原文では"Hack"。主にスタンダップコメディにおいて、他の芸人が作ったジョークをパクって二番煎じしている人の事を指し、しょうもない輩が複数回同じ話をする、という点を効果で再現している。

グロスミッチェルは実在したバナナの品種。カリブ海地域での病害で壊滅的な被害を受け、その病気に強いカベンディッシュに取って代わられた。だが食用のバナナは種を持たず、株を分けて繁殖するために同じ品種であるならすべて同じような病気に弱くなる。カベンディッシュも別の病気に弱いことがわかっており、いずれ1000分の1の確率たる絶滅へと向かっている。

イーブンスティーブンとオッドトッドは本作独自の名称ではなく、英語圏で単に"even"と"odd"に似た名前として歯切れが良いので付けるような呼び名。特に西洋圏が精力的に訳しており、”Gerader Gerd”と"Ungerader Udo"とするドイツ語("Gerade"で偶数を指す)・"Gelijke Pijke"と"Oneven Steven"とするオランダ語("Gelijke"で偶数を指し、"Oneven"の方が奇数を指す)…など。日本語なら「偶数のグース」と「奇数のキース」みたいな感じである。

ToDoリストは予定の頭文字を続けて読むと"JOKER"になっている。

リフ・ラフとは日本語で言うところの「烏合の衆」。

メールによる払い戻しは原文では"Mail-In Rebate"。主にアメリカで見られるキャッシュバックキャンペーンの形態であり、商品に付属している書類などを郵送することで小切手の形でキャッシュバックを行う。これを介し主要な購買層を調査する・ブランドイメージの維持のため表面上の価格を保ちつつ値下げを行う・小切手の額面をかかった運送コストなどに応じて調整する・単に客が忘れればその分丸儲けなど(メーカー側の)メリットがある。一方で客側は実際の値下げに比べて表面上の価格にかかる消費税を払わなければならないというデメリットがある。

ウォーキートーキーの効果はアメリカの警察などで用いられたテン・コードに由来する。"10-4"で「了解」を意味し、2つ目の数字それぞれに様々な意味が設定されている。

ソックスとバスキンは古代ギリシャの喜劇と悲劇の象徴とされる靴のこと。ソックスは鋲などを使わず縫い上げられた薄い革靴を指し、女性的であるとみなされたことや動きやすさから喜劇役者の履物として用いられた。当然、靴下を指すソックスの語源である。一方バスキンはコトルノスとも呼ばれたブーツを指し、アキレス腱など後ろ側は覆う一方で前は紐で編まれた程度のサンダルに近い構造になっている。バスキン…「半分のブーツ」という呼称はこれによる。野外での活動用に底面がコルク製であり、これによる身長の底上げ効果が威厳の求められる悲劇に用いられたとみられる。

スワッシュバックラーは元々左側のジョーカーの売値だけを計算しており…マジで?当然エッグとしかまともに組めなかった。スワッシュバックラーの意味自体は冒険活劇の主役を指し、「剣客」などと訳される。

ハンギングチャドとはチャド…打ち抜ききれなかったパンチカードの切れ端がぶら下がっている状態のものを指す。これは主に2000年のアメリカ大統領選挙で問題となり、当初パンチカードで行われていた選挙(有権者が手書きで投票する日本のスタイルはかなり少数派)では打ち抜く力が不安定だったために読み取り機での正確な計測ができず、手作業での再計測が行われた。このジョーカーの効果が再発動なのはこれに由来する。

リングマスターは原文では"Showman"。意味するところは同じなのだが大分訳自体は違っている。だが日本語に限らずほとんどの言語がリングマスターの方で訳している。どころかゲーム内のコードですらリングマスター呼び。

メリーアンディの効果は12ラウンド以内にクリアという極まった解禁条件に対して妙に地味だが、本来は残したディスカードを次のラウンドに持ち越すというとんでもない効果でレアリティもレアだった。

すべてが6!は原文では"Oops! All 6s"。クエーカー・オーツ・カンパニーのシリアルブランド「キャプテン・クランチ」シリーズの一種である"Oops! All Berries"のパロディ。元々シリアルとベリー(色付き・おそらく味も違う?)が混ざったバージョンがあり、その中のベリーだけを新商品として展開した柿の種ピーナッツだけみたいな商品である。これが英語圏でネットミームとして、全部同じであるものを表現するときに使われた。それはいいとして「朝食用シリアルの広告キャラクター一覧」じゃあないんだよwikipediaくん

ヒット・ザ・ロードは1961年リリースの"Hit the Road Jack"より。邦題では「旅立てジャック」だが、稼ぎのない男を女がとっとと出て行けと蹴り出すという身も蓋もない歌詞。

カイーノは原文ではCanio。だからどう見ても「カニオ」である。シンプルに原語でも当初は間違えており、ジョーカーのグラフィックでもスペルミスしていた。その後修整されたがフランス・日本・ポーランド・ポルトガル語では未だにCainoの頃の訳である。なんならゲーム内のコードもそのまま。

ゴールドシールは当初出したカードが手札に戻ってくるという効果だった。

プラネットXとは天王星や海王星の公転軌道が理論と異なる点の説明として「未知なる惑星の引力が軌道に影響を加えているのだ」という理論のもとに提唱された理論上の惑星。惑星カードの上部には太陽系でそれらが存在する場所が白くハイライトされているが、このカードは理論上の惑星なので存在しない。その後天王星などが実際は1%ほど軽かったことが判明し、その数値を使い計算すると実際の軌道とほぼ一致し、プラネットXは役割を終えた。

セレスはカード上部の帯や絵柄が示すように、火星と木星の間の小惑星群…いわゆるアステロイドベルトに存在する惑星。歴史上では初めて観測された小惑星であり、氷と岩で構成された月の35分の1程度しかない小さい星。

エリスは冥王星よりもさらに外側に位置する準惑星。当初は10番目の惑星と目されており、命名のために各々の科学者や研究チームが紛糾した末、神話において争いを引き起こす女神であるエリスの名前が採用された。

ゴアドとはGoad…家畜を追い立てるのに使う尖った棒を指す。その用途から転じて人に何かをさせるよう仕向ける、という動詞にもなった。

初期のバージョンではオレンジ・ゴールドステークの内容が「パックの価格が1回買うごとに1$上昇していく」「ハンドサイズ-1」だった。このパッチは5月1日に配信されたため、それ以前の攻略で現在以上にハイカード・ペアが推奨されているのは主にこの条件による。パック価格上昇(=ショップの価値の低下)や現在の高難度でのステッカーといい、スキップが弱いことは作者も把握している模様。他を弱くするよりタグを強くしてくんねえかな…

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