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私たちは食べたもので出来ているvol.31#288

皆様、こんにちは。
佐伯です。

毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。

私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。

さて、毎日猛暑を超えて酷暑の日々ですね。
迂闊に暑さ対策せずに外に出るとすぐに熱中症になってしまいます。
皆様もくれぐれも熱中症にはお気をつけ下さいね。

さて、先日暑い日が続いているとのことで義理の祖母から我が家に鰻の差し入れがありました。
それはもう小躍りするぐらい嬉しく、美味しく頂きました。

「土用の丑の日だから鰻を食べてスタミナつけて頑張ってね」ということですが本当にありがたいです。
そして、土用の丑の日って具体的な疑問も湧きました。
私にとっては2重の意味で美味しい鰻でした。

というわけで今回は「土用の丑の日」と「なぜ鰻がスタミナがつくと言われるか」について掘り下げてみたいと思います。

調べてみて本当に思ったのですが、和食というのは文化性と娯楽性が丁度いい具合で融合していて本当に面白いです。

それではお付き合い頂けると幸甚です。


①土用の丑の日はいつ始まったの?

土用の丑の日が最初に広まったのは江戸時代とのことです。
これは夏の暑さによる体力消耗を補うために始まりました。
鰻は消化が良く、栄養が豊富なため、夏バテ対策として効果的だとされています。

ここで驚きが1点。
確かな資料がなく、そう言われているというレベルのお話という前提でお聞き下さい。

土用の丑の日は蘭学者の平賀源内が「本日丑の日」と宣伝し、鰻を夏のスタミナ源として広めたと言われています。
この宣伝がきっかけで、鰻がスタミナ食品として認知されるようになりました。

驚きです。
あくまでも一説の一つですが、蘭学者の平賀源内が商業的なセンスを持ち合わせていたという点も、とても面白いです。

皆様考えてみて下さい。
自分の考えたフレーズが100年、200年の後の世にも残り続けるなんて凄いことです。

偉大な学者のビジネスパーソンとしてのセンスもあることに少々感動を覚えました。

②そもそも土用の丑の日ってどんな意味?

これも調べてみて面白かったです。
子供の頃は「土曜日に食べること」と思っていましたが全然違いました(笑

土用とは実は年4回あるのです。
これは陰陽五行思想という古代中国の自然(アニミズム的な)思想及び哲学から引用されたものです。
立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間が土用の期間です。

土用は「土旺用事」の略で、「土」が強くなる時期という意味です。
この期間は、農作業や建築作業などで土を動かすことが忌避されることもあります。
これは、土の力が強まるため、土を乱すことが避けられるべきとされているからです。

そして、土用の丑の日が最も日本が暑くなる時期と重なったことからスタミナ食品である鰻と引っ掛けて平賀源内はマーケティングを行い大成功したということです。

歴史的にも文化的にも商業的にもとても面白いお話だと私は思いました。

そして、もう一つ面白い点があります。
実は江戸時代は「小氷期」と呼ばれる時期にあたり、全体的に気温が低かったとされています。
しかし、局地的な高温の年もありました。例えば、1861年には江戸で約34.4度に達することがあったと記録されています。

温暖化なのか地球の周期なのかはわかりませんが、江戸時代とりは確実に現代の方が暑いです。
鰻1本では足りないかも知れませんね。

③まとめ

今回は土用の丑の日を中心にお話しましたが日本食の背景というのは本当に面白いです。

調べれば調べるほど、当時の人々の知恵や工夫、あと何気に商魂逞しい感じが伝わってきて面白いです。
意外に思われるかも知れませんが、江戸時代の人々はとてもビジネスの嗅覚が優れていたと言われています。

よく株価のチャートをニュースで見ることがありますが、あのチャートにある蝋燭みたいなひげの生えた箱を並べて線で繋げたチャートは江戸時代の人々が開発したのです。

それが今では世界中で使用されていると思うと感動です。
食と文化、経済とはどれも繋がっているのだなと思いました。

それでは皆様、ご機嫌よう。

是非ご購入をお願いします!


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