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詩の賞の比較。第7回永瀬清子現代詩賞に入選しました

今日は詩の賞についての、よもやま話をします。
まず、すごく具体的な話から。

もう21(土)になったから、公表して良いでしょう。
第7回永瀬清子現代詩賞に入選しました。
連絡が来なかったから、入賞はしなかったようですが、
入選30篇の中には残りました。

5年前の、’19年の第4回に入選して以来の、今回が二度目になります。
今年の作品は、亡くなった母の生前のエピソードをモチーフにしたので、ぜひ入賞したかったのですが、力及ばずでした。
まあ、入選しただけマシだと思うことにします。
また残念ながら、この入選作品は、2月の授賞式時の作品集刊行までは詩集に載せられないので、11月発刊予定の僕の第2詩集には掲載できません。



前回の入選の5年前の際は、授賞式へは参加しませんでしたが、今回は、今のところ、岡山の赤磐市まで出掛けて参加するつもりです。

ところで、この賞は僕の感覚では、現代詩手帖に載るような、バリバリの言語修辞派の現代詩ではなく、やや近代詩的な抒情詩や生活詩が主体な気がしています。
今回、僕が送ったものも、その系統のもので入選したことはドンピシャだったのかな、と思います。
実は、第4回に入選した「白い音」は、モチーフとして父が出てきますが、あまり抒情詩ではなく、ユーモアとペーソスあふれる少し現代詩っぽい、ものでした。

で、少し話が変わりますが、
詩の、1篇で応募できる賞には、この永瀬清子現代詩賞以外にもいくつかあります。

幸い、僕は西脇順三郎賞の新人賞以外は、近年、どれも入選できたのですが、その位置付けがいまだによくわからない部分があります。
先輩詩人の方々とも、若い詩人の方々とも話す機会があるのですが、不躾なので、あまりそういう話をすることもありません。
ですから、いまだによくわかりません。
みなさん、自分の詩集を編んだり、同人誌活動がメインで、あまりこういう1篇のコンクールにご興味がないようですね。

また、若い詩人の方々は、投稿と言っても一足飛びに『ユリイカ』や『現代詩手帖』へ詩誌への投稿へ進んでしまっておられます。
これらは、どちらかといえば、暗号かと見紛う言語修辞的な現代詩か、究極の高度な抒情詩しか入選しない感覚を僕は持っています。
何よりも選者との合う合わないがあるようにも思います。
僕も、過去、『ユリイカ』に二度入選で作品掲載、佳作で一度だけ題名掲載されただけで、『現代詩手帖」は梨の礫です。笑

詩誌では、他に二誌ありますが、『ココア共和国』は抒情詩から、現代詩まで幅広く掲載されますよね。
『詩と思想』は、どちらかといえば、抒情詩にウェイトが高い感じです。
その応募数は200ぐらいと聞いたことがあります。
それ対して、1000篇近く毎月応募がある、『現代詩手帖』『ユリイカ』に比べれば、選ばれるのが非常に困難んで、名前だけの佳作でも大成功ですね。
『詩と思想』は応募数が少なく掲載して講評がもらいやすい気がします。

ところで、『公募ガイド』の383号’18年7月号が、今のところ、ここ8年で唯一と言って良い、詩の特集があるものです。
内容は、すごく良いいです。
詩を志す方は買って、損にはなりませんよ。
僕も電子書籍で持って、時々読み返します。
購入をぜひおすすめします。

ここで、詩誌以外の、1篇で応募できる詩の賞の話に戻りますが、
自作で送った作品の感覚も合わせて以下にまとめてみます。
難易度は入選のしやすさで、正賞しかないものは、また別です。
あくまでも、僕の私見です。

A、西脇順三郎賞の新人賞(難易度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
……最近、できた、まだ次が第3回の歴史の浅い賞ですが、バックアップが思潮社の分、バリバリの現代詩しか入賞できない気がします。
   また、その思潮社がバックにいる分、権威があり、難易度が高めだと思います。
   入選がない分、レベルがぐんと上がります。 
 (毎年、応募もずっと落選です。今年はまだ未応募ですが、多分落選。笑)

B、新しい詩の声(賞)(難易度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
……(去年’23年度第7回に優秀賞をいただいたもの)
  感謝しております。選考の1次選考から最終選考まで、オープンにされているので、すごくクリアです。
  感覚的には、僕の現代詩っぽいものでも認めてくれたので、抒情詩から現代詩まで許容してくれるイメージがあります。
  文字通り、「新しい」をどう解釈するか、ですね。
  母体となる日本詩人クラブが日本現代詩人会と並ぶ、全国組織のプロ詩人の集まりなので、他の賞より高い⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎としましたが、
  たぶん、正賞は伊東静雄賞の方が権威があり、難しい気がします。まだ歴史が浅いのでね。でも、応募者は詩を描き初めの初心者や初級者は少ない気がします。
  (去年が最優秀ではなかったから、次の第8回も僕は一応、応募する予定です。過去にそういう方もおられるみたいなので)

C、伊東静雄賞(難易度:⭐︎⭐︎⭐︎)
……今年、第35回の歴史ある賞。
   たぶん、正賞の難易度なら⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ですが、上記の⭐︎⭐︎⭐︎は入選のレベルです。
   バリバリの抒情詩の生活詩でなければ、入選できない気がします。
   歴史があるので、他の永瀬賞や白鳥賞よりも⭐︎一つプラスの⭐︎⭐︎⭐︎にしました。
  (’23年に入選佳作になりました。今年は応募済みで、結果待ち)

D、氷見現代詩大賞(難易度:⭐︎⭐︎)
……去年までは、金澤詩人賞という名前でした。
   珍しく複数回、応募できるのが特徴です。 
   しかも、入選数が170近くある分、1篇だけか2篇しか応募できない他の賞よりも入選がしやすく、たぶん、永瀬清子賞よりもその確率は大きいと思います。
   ただ抒情詩派よりは、やや現代詩的な感じがします。
   正賞は⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ほどで、やはり難しいですが、作風が抒情詩に限られない分、たぶん伊東静雄賞よりは獲りやすい感覚があります。
  (’22年に入選。今年も応募予定、忘れそうだから早めにしておくべきか)

E、白鳥省吾賞(難易度:⭐︎⭐︎)
……今年、26回の、これも歴史ある賞。
   こちらも、抒情詩か生活詩でないと、当選できないと思います。
   そもそも、人間と自然というテーマの縛りがありますし。
   伊東静雄賞とは、四季派とのネームバリューの差で、⭐︎一つ減の⭐︎⭐︎にしましたが、入選だけなら難易度は同じぐらいかもしれません。
  (’22年に入選しております。今年は応募済みで、結果待ち)

F、永瀬清子現代詩賞(難易度:⭐︎)
……今年で第7回。一時、中断しておりました。
   その分や歴史の浅さで、⭐︎一つ減の⭐︎にしました。
   ただし、 正賞が決して簡単だというわけではないです。あくまでも入選の難易度なので。
   なんとなくですが、伊東賞や白鳥賞に比べて、抒情詩から外れたものでも許容してくれる懐の大きさを感じます。
  (次回の第8回も応募予定です)

あまり、こういう詩の賞の比較記事ってないので、また、入選しての感覚がないと、比較しにくいと思うので、
結構、貴重な記事じゃないか、と自画自賛しておきます。笑
あくまでも、私見なので、参考程度に止めてください。
(ふう、結構、まとめるのが難しかった。)

あと、僕は直接、聞いてないんですが、なんでも詩集単位の中也賞の最終候補になって、詩誌に「現代詩の精鋭」と評されて紹介されると、
こういう詩1篇の公募賞や投稿欄は卒業で、応募しないという暗黙の了解というか縛りがあるそうです。
ああ、もちろん、現代詩手帖賞やら、ユリイカの新人のタイトルを獲ると、これら詩1篇には応募するのは弱いものイジメ的になるので、御法度だとの認識は僕でもあります。

後進に道を譲りましょう。

ただ僕は、年齢はともかく、詩歴は浅くまだまだヒヨッコなので、応募させてくださいませ。

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