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KC Interview Vol.1 就活の方向性

 今回から数回に分けて、「コンサルティングファーム解体新書」と題しましてKPMGコンサルティングの人材開発室ディレクターの金子賢典さんと弊社の百瀬朝子のインタビューの模様をお伝えいたします。

コンサルティングファーム解体新書 KPMGコンサルティング
 
二人は実は前職時代の別のコンサルティングファームの元同僚で、既知の間柄ということで今回のインタビューが実現いたしました。実に10数年年ぶりの再会でしたが、そんな久しぶりという感じは一切なく大いに盛り上がりましたよ。
 
第一回は、「どうして金子ディレクターがコンサルティングファームに就職することになったのか」です。就職活動を前に悩んでいる学生の方、コンサルティング業界への転職に興味のある方に是非参考にしていただきたい内容になっています。

 KPMGコンサルティング 金子ディレクター(以下、金子D):
よろしくお願いします。 

ATJ 百瀬(以下、百瀬):
はい、お願いします。 

金子D:
今日はご質問に答えていけばよい感じですね。

 百瀬:
はい、そのつもりで来ています。まず金子さんご自身についてお伺いしたいと思うのですが、まず、なぜ大学のときにコンサルティングファームに就職しようと思ったのか。大学は理系でしたよね? 

大学時代は文系

金子D:
僕は文系だったんです。それもド文系で、理論社会学とか哲学の領域を勉強していました。修士のために通った大学院が東工大(東京工業大学院)だったのでみんな僕を理系と思い込んでいるのですが、実は理系ではありません。哲学とかをやってました。
 
百瀬:
哲学(驚きの表情)、なんで?
 
金子D:
「なんか世の中や社会って不思議じゃない? 」って小学生くらいから思っていて。
 
それで、いろんな学問をやろうとしたんです。最初は大学に入って弁護士になろうと思って、ダブルスクールもしたんですがピンとこなくて。とにかく覚えろ、みたいな感じですからね。「これが論点です。これが通説です。これが結論。理由はこの3つだけ覚えてください」という感じ。記憶したものをアウトプットするというようなことばかりだったので、「いやいや」となって(笑)。大学に入ったんだからもうちょっと意味のないこと、実効性のないことをやりたい、と大学1年か2年くらいから考えていました。
 
そのときに社会学の先生の授業で、
「世の中になぜ法律ってものがあると思う?」
「その前にまずなぜルールってものがあると思う?」
「遡ってそこから考えていいよ」
そう言われた時に、なんかこれだと思ったんです。
 
そこで社会学にはまって、修士まで6年間費やしたので、学生時代の時間を無駄にしてしまったようなものでした(笑)。
 
その領域で修士まで行った先に何があるのか。半分自虐的に、でも半分本音で、実は学者になりたいと思っていたんです。
 
百瀬:
それでも、就活したんですよね。
 
金子D:
そうなんです。修士になると研究室に入るのですが、そこに先輩たちがたくさんいて、修士の先輩も居れば、ドクターやポスドクの先輩も。その先輩たちをみていて、自分には向いていない世界だなぁと感じたんです。
 
「このままでいいのだろうか 」と、考えました。学問は大好きだったし、頭を使うことも大好きだったんですが、ここは一度就職してみようと思って就職活動を始めました。修士2年の春のことです。この時点で、企業側の採用活動はもう半分ぐらい終わっていたんですよね。その時点からでも応募できる企業を探すことが、僕の就活のスタート地点でした。
 

就活を始める

 百瀬:
なるほど。その中にコンサルティングファームがあったと。
 
金子D:
そうです。ただ当時コンサルティング業界って、今と違って一般的に馴染みがなく、少しうさん臭さもありました(笑)。それに僕も学生時代はビジネスなんか全く興味がなかったので、コンサルティングファームなんて当然知らないわけです。
 
まずは自分が知っている企業から、となると、どうしてもBtoCの企業で、メーカー、商社、金融はわかったし、イメージもできたので、その業界で一番良いところを1社ずつ受けてみることにしました。
 
合同会社説明会にも行ったんですよ。
でもすぐにこれは意味がないと気がついたんです。学生側も企業側もお互い良い話のみをしがちじゃないですか。
 
これでは本当に知りたいことを知れないのではと思い、合同会社説明会に出るのをやめて、OB・OG訪問をすることにしたんです。
 
僕は、高校・大学・大学院と全部違う学校だったので、OB名簿が3つあったんですよ。そこで、気になる企業のOBをピックアップして、とにかく手紙を書きました。
現在は、OB訪問のマッチングアプリみたいなものがあってシステム上で「会おうよ」となるのですが、昔はなかったので、「拝啓」から手紙を書きました。
 
百瀬:
手書き?
 
金子D:
当たり前じゃないですか、そういう時代でしょ?
 
百瀬:
いや、こっち(キーボードを打つ仕草)だったよ、もう(笑)
 
金子D:
OB訪問の手紙は手書きだった。エントリーはさすがに入力しましたけどね。
 
手書きでたぶん30人くらいに手紙を書いたのですが、社会人は偉いですよね、ちゃんと会ってくれるので、とにかく会って話を聞きました。いろんな話を聞く過程で、僕の中に軸ができたように思います。
 

2つの軸

金子D:
仕事選びにあたっての軸は2つあって、1つは頭使ってやる仕事がしたい、ということ。
 
当時は、OB・OGの方の中には
「頭を使う前に、いろいろ考える前に、まずやってみろよ」
といったことを言う方もいました。そうすることが最適な仕事もあると思います。
 
でも僕は、頭を使っても怒られない仕事がしたい、と思いました。
 
もう1つの軸に関していうと、実は根が飽きっぽいんですよ。
唯一続いたのは幼少期からやっているサッカーと、社会学・哲学の勉強ぐらいで、あとはもう全部、始めては飽きて始めては飽きての繰り返しで。普通の会社に入ると「これ、飽きるな」と思ったんです。話を聞いてると、だいたいどの仕事もタイムスパンが3年で、3年は同じ仕事を同じ場所で、同じ仲間と一緒にやる、みたいな。
 
それを聞いて、「無理だ!」と思いました(笑)。そういう意味では、僕は会社員として不向きかもしれないという自覚がありました。なので、こんな僕でもできる仕事、というのが2つ目の軸になります。
 

コンサルタントを目指した理由

金子D:
たまたま高校時代の部活の先輩がコンサルティングファームにいて、「コンサルタントって何ですか」って聞いたら、「転職を社内で繰り返すような仕事だよ」って言われたんです。
 
百瀬:
あー、なるほど。
 
金子D:
「え?」って言ったら、
「プロジェクト単位だから、仕事の中身も変わるし、上司も、部下も、同僚も変わるし、もっと言うと働く場所もね(お客さん先に常駐型が多かったので)。これ、転職でしょ?」って言われて、「これじゃん」と。
 
しかもコンサルタントは、頭を使わなければならない仕事なので、だったらコンサルタントがいいかも、と思い、それ以降は、まだ応募可能なコンサルティングファームすべてに応募しました。
 
百瀬:
なるほど。
 
金子D:
これが僕の就職活動、2002年(笑)
 
次回に続きます
  
金子ディレクターの飾らない人柄がとても良くわかりますよね。弊社の百瀬も相手がクライアントであることを忘れて友人に戻って会話を楽しんでいました。この後も話は弾みに弾みます。次回もお楽しみに!
 
コンサルティングファーム解体新書 KPMGコンサルティング


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