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ナイト・ブレード・百物語
ズゥゥゥゥン……!
ズゥゥゥゥン……!
ズゥゥゥゥゥゥゥン!
「畜生ーッ!サイアスが踏まれて死んだっぽいぞ!」
「バカ野郎!奴を見上げるな!奴のことを見上げるんじゃないッ!」
「グオォォォォーン!」
地響き、悲鳴、咆哮。
巨人が振り向いた。
見上げサイクロプスは山の如き巨体を震わせ、その奈落のような一つ目の視線をこちらに向けている。
俺たちは奴らを呼んでしまったことを……百物語に
眠らぬ鉄の魔女:設定集
魔女アウロラ:
主人公。虚無の魔女。魔女は生まれつき強い魔力を持って生まれる。それは魔女特有の臓器、魔導器と呼ばれるものの恩恵によるものだが、彼女にはそれが体のどこにも存在しなかった。空の器である自分をコンプレックスに思い、姉に隠れて密かに対聖騎士の訓練を続けていた。下級魔術を駆使して戦い、聖騎士たちの聖剣の力と身体を奪って行く。
魔女スノウホワイト:
人間の国語教師として生活していた。氷結の魔
サイファイ・パンデモニウム
「幽霊って本当にいるのでしょうか?」
カドワキが後ろでアホなことを言った。
「何言ってんだ。仕事中だぞ」
俺は振り返らずに答えた。しゃがんだまま作業を続ける。ああ、カドワキってのは俺の助手だ。
「でも、ここって目撃証言もたくさんあるんですよ。集団ヒステリーにしたって……あるいは、義眼の故障のせいだとしても、おかしくないですか?」
俺はため息をついた。
「なあ、カドワキ。今が西暦何年か知
アジ・ダハーカの箱 第10話:罪なき罰
「ま、待ってくれ!俺が悪かった!やめてくれ!やめろッ!やめ」
無視だ。俺はクソ野郎の口に鉄板入りのブーツをブチ込んだ。加減の無いサッカーボールキック!歯が何本も砕け、飛び散り、口唇がちぎれ飛んだ。
「ぐわッ!がッ!ああああッ!」
嗚咽、悲鳴。振り子のように揺れる芋虫。無様な姿だ。だが俺の心は冷えている。気を失われると面倒なので、次はそのたるんだ腹に一撃おみまいしてやった!全裸で縛られたクソ野
デッド・デッド・リローデッド
「お前の番だぜ。ほらよ」
俺は古臭いリボルバーを対面で座ってる男に投げる。まるで奢った酒をテーブルに滑らせるバーテンダーのような気軽さ。ポーカーじゃあるまいし、ブラフは意味がないことは知ってるが、まあ、気分だ。
男は無言でリボルバーに手を伸ばす。手が震えていない。怖気付いた様子は無い。どうせハッタリだ。俺が勝つに決まってるんだからな。
説明不要、これはロシアンルーレットだ。
自分の
ネイキッド・チャーチ
おはよう!
青い空、白い雲。
朝の太陽の柔らかな光が木々を輝かせ、俺の白い服を照らしていた。今日も心地良い風が吹いている。
「おはようございます」
エドワード神父がやって来た。
「神父様、おはようございます」
俺は挨拶を返す。エドワード神父は微笑み、朝日を眺めながら深呼吸した。俺もそれを真似る。美しい山の空気を肺いっぱいに吸い込む。すべてがきらめき、輝いて見える。なんて清々
アジ・ダハーカの箱 第5話:死都編 【承】
"……それにしても、噂通りだな"
"ああ、驚いた。信じられん"
"本当に……犬属性のドラゴンどもが寄って来ない。一度も襲われてない。このまま目的地まで到着できるんじゃないか"
"そうだな。車を走らせてけっこう経ってるが、こんなにど真ん中のルートを通ってもまったく襲ってくる気配がない。不思議なほどだ"
"見ろ。向こうにいるのは犬属性ハイエナドラゴンだ。目が光ってる。……こっちを見てる。何匹も