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今までにない常識を取り入れ、新しいカルチャーをつくる拠点になってほしい。

 2024年4月1日、ヒューマンリソシア株式会社の東京支社が開設されました。この東京支社には、DX関連事業が集約され、さらに、子会社であるシステム開発事業を展開する株式会社エフ・ビー・エス本社(以下FBS)も同じタイミングで移転いたしました。

中野坂上駅直結のオフィスビル。 ヒューマンリソシアとFBSは24階にオフィスがあります


 光が抜けるガラス扉を開け、中に入る。オフィスをくるりと囲む窓ガラスには、都心の風景が広がり、その奥には、富士山やスカイツリーを眺めることもできます。オフィスチェアは、背の高い椅子があれば、ソファ席もある。1人で座るデスクもあれば、打ち合わせで使えるテーブルもある。遊び心がありつつも、無駄なものがない、温かみのある落ち着いた雰囲気のオフィスです。
 この機能美を追求したオフィスの新設プロジェクトにおいて、中心的な役割を担ったのが、ヒューマンリソシア株式会社 DXソリューション事業本部 本部長である井元道由さん(株式会社エフ・ビー・エス代表取締役兼務)と DXソリューション事業本部 管理部 部長の佐々木大輔さんです。どのような思いを込めてこのオフィスを作ったのか、お2人にお話を伺いました。

–––今回、東京支社の開設において、中心となって進めた井元さん、佐々木さんにお話を伺いしたいと思うのですが、最初に、お互いの印象を教えてください。

井元:佐々木さんの印象ですか? 考えたことなかったな(笑)。彼は、営業の仕事も長くやっていましたが、管理部門が適任だと思います。物事に対する考え方がスマートだし、管理することに関して非常に長けています。営業部門にも、ダメなものはダメとはっきり言える人。使命感を持ってやってくれます。

ヒューマンリソシア株式会社 DXソリューション事業本部 本部長 |井元 道由さん


佐々木:井元さんは、基本的に、やりたいということはだいたいOKしてくれる。いろいろな業務を任せてくれるので、仕事はとてもやりやすいです。

ヒューマンリソシア株式会社 DXソリューション事業本部 管理部 部長 | 佐々木 大輔さん


井元: 私自身、細かいことができる人間ではないので、佐々木さんにお任せしていることは多いです。
 
–––お互い信頼し合っているんですね。そんなお二人が進めた東京支社の開設ですが、どういう経緯で始まったのでしょうか?

井元:この東京支社には、4つの拠点が集約されています。西新宿にあったDXソリューション事業本部、新宿本社に置かれていた海外ITエンジニア派遣(GIT)サービス、高田馬場のDXトレーニングセンター、そして、飯田橋にあった子会社のFBSです。
 昨年(2013年)の5月、ヒューマンホールディングス株式会社の佐藤朋也代表取締役社長から、2点、助言をいただきました。まず、DXを推進していく中で、部門が4拠点に分かれていることでかかっているマネジメントの負荷を軽減した方がいいのではないか。そして、ヒューマンの名前を掲げてDX事業を推進するのであれば、それに見合ったオフィスに移転をしたほうがいいのではないかと。そこで、4つの拠点を集約し、DXを推進する拠点としてオフィスを新設することになりました。

–––東京支社は、丸の内線中野坂上駅直結のビルにありますが、ここを選ばれた理由は?

井元:当初は、FBSがあった飯田橋や本社のある新宿で探しましたが、予算など条件に合う物件がなかなか見つかりませんでした。そんな中、仲介業者からこのオフィスを紹介されて、内見に来たら、広さも申し分ないと感じました。それに「駅近に勝るものはない」……と仲介業者さんがおっしゃるので(笑)
 ただ、社員からは、遠くて通えない、嫌だなど、3月31日までは、ネガティブな反応も正直ありました。

佐々木:新宿勤務の社員が多かったので、新宿で丸の内線に乗り換えなくてはいけないことに抵抗があったのだと思います。

井元:それが4月1日以降は、「そうそう、こういうところで働きたかった!」と口を揃えて言っています(笑)。みんな嬉しそうに働いており、高評価をいただいています。朝、一番人気の窓際の席を取り合う社員を見ていると、自然と笑顔になりますね。

–––社員の方々の憧れを体現したオフィスなんですね。新設するにあたり、「DXの推進拠点としてふさわしいオフィス」という命題がありましたが、これはどう解釈されたのですか?

井元:ミニマリストの世界というイメージで考えました。入り口から入った時に、雰囲気が良さそうだと感じてもらうことがすごく重要だと考えました。
佐々木:そうですね。オフィスの設計を依頼した会社には、すっきりさせたいことに加えて、光がさす明るいオフィスにしたい、1人あたりの作業スペースを移転前よりも広くしたい、さらに、4つの拠点から社員が集まるため、コミュニケーションがとりやすい空間にして欲しいと伝えました。
 
–––窓からは、太陽の光が降り注いで、とても明るいですね。また、オフィス全体の色味が抑えられているので、すっきりとした印象を受けます。

晴れた日には、富士山を眺めることができるそう


井元:オフィス全体のデスクの色、棚の天板の色を、淡い木目調に統一しています。また、フロアには配線がなく、ゴミ箱も一箇所にしか置いていません。
佐々木:緑が多いのも、このオフィスの特徴でしょうか。

海洋プラスチック再生樹脂を使用したオフィスチェア(写真上段の黒いチェア)を導入するなど、環境保全にも配慮

–––社員同士のコミュニケーションに関してはいかがですか? 

井元:私と事業部長のデスクをひな壇席にしていますが、それ以外はフリーアドレスです。事業部長の前のデスクにだけ、ディスプレイが置いてあるんです。上司とコミュニケーションをとりたい社員はそのデスクを使っています。

佐々木:事業部長のデスクに、小さな丸椅子を置くことにしました。報告に行った際など、立ったままではなく、座りながら打ち合わせができるようになったのも工夫の一つです。

井元:相談があるときなど、同じ目線で話せるのはすごくいいなと感じています。

佐々木:集中したいときは、オフィス奥の壁際のデスクを使うなど、その時の自分の状況に合わせて席を選んでいるようです。せっかくのフリーアドレスなので、固定にならないようにはしています。私物を置かない、昨日座った場所には座らないなどルールを決めています。

スタンディングミーティングを可能にするために、キャビネットやロッカーの上もデスク仕様に。

 –––さまざまな工夫をされていますが、ご苦労されたことはどんなことでしょうか?

佐々木:先ほど井元さんが言っていたように、4つの拠点の人たちが集まります。部署が違うだけでなく、外国籍のメンバーもいます。例えば、宗教によってお祈りの部屋が必要だったり。多様性のある社員のみんなが、快適に仕事ができるよう、抜け漏れがないよう、配慮しながら進めていきました。

井元:さまざまな調整にお金のやりくりと、佐々木さんは大変だったと思います。無事に開設できて、みんなに喜んでもらえて、良かったなと感じています。

佐々木:初めてこのオフィスに来る人みなさんが、入り口のガラス扉の前に立った瞬間、「はっ」とした表情になるんです。光が抜けて、明るいからだと思います。その表情を見ると、個人的にはとても嬉しい気持ちになります。顔には出しませんが、心の中でよしと!と(笑)。

受付から見える景色。ガラス張りのドアとオフィス内の広い窓へ続き、開放感が感じられます

 –––大変だったことは多かったと思いますが、報われたお気持ちなのではないでしょうか?

井元:移転当初は、贅沢なのではないかという声もありました。これまでの移転費用と変わらない予算のなかでやりくりしたのですが、ゆとりがあるように見えるため、贅沢な空間に見えるのだと思います。

佐々木:スペースに関しては、一人当たり横幅が20cm広くなっただけなのですが、ゆとりを感じるオフィスになっています。

井元:オフィスを訪れる人たちに「いいオフィスだね」と言われることが増えました。「こういう贅沢はいけないと思っていたが、社員の喜ぶ顔を見ていると、オフィスの環境改善に投資することも大切だと考えが変わった」と話してくれる方もいます。

佐々木:当社は、ITエンジニアの採用が課題です。面接に来られた方々にも自信を持ってオフィスの紹介できるようになったのは、ありがたいことだと感じています。

井元:従業員エンゲージメントを高めていき、離職率も改善しなくてはいけない。その点で、いい拠点をつくれてよかったと思います。ヒューマングループのなかで、一つの新しいカルチャーを作っていく、シンボリックな場所になればいいなと思うようになりました。

オンライン会議や集中したいときなどに個別型ワークブースも設置

 ––––最後に、この東京支社において、今後、事業をどのように展開してこうとお考えでしょうか?

井元:ヒューマンリソシアのDX部門は代理販売と利活用支援を行っています。一方、FBSはシステム開発の会社。多様なサービスを包括的に提供できる体制を整えることで、より強力に、顧客企業のDX推進を支援できるものと考えています。その中で、今あるものが最善ではなく、あるものをよりよくする、もしくはないものを生み出す。そういうことができる拠点としていきたいです。今までになかった常識を取り入れていこうと思える場所になっていって欲しいです。  

東京の街並みが遠方まで見渡せるオフィスからの眺望


<プロフィール>

ヒューマンリソシア株式会社 DXソリューション事業本部 本部長
株式会社エフ・ビー・エス代表取締役 
井元 道由
2000年、ヒューマン・タッチ(現ヒューマンリソシア)入社。人材派遣部門やアウトソーシング事業部を経て、自らRPAの事業化を企画し新サービスを起ち上げた。2018年、RPA事業本部長。2022年より、株式会社エフ・ビー・エス代表取締役に就任。


ヒューマンリソシア株式会社 DXソリューション事業本部 管理部 部長
佐々木 大輔
2000年、ヒューマン・タッチ(現ヒューマンリソシア)に新卒入社。人材派遣の営業からスタート。営業管理、行政の業務委託に携わるなどし、2019年より現職に就任。DXソリューション事業本部の管理部門を担う。


※2024年7月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
 肩書き・部署名等は取材時のものとなります。


<ヒューマンリソシア株式会社・会社概要>
総合人材サービス会社として、人材派遣、人材紹介、業務受託サービスを全国27拠点で展開しています。1988年創業以来、教育事業をバックボーンに多彩なサービスを展開するグループの総合力を活かし、「人材」に関する幅広いサービスを提供しています。

<株式会社エフ・ビー・エス・会社概要>
 
1985年に創立以来、独自開発のパッケージソフトの販売およびサポートを行っています。特に、30年以上に渡る貿易ソフトの開発・販売に強みを持ち、そのノウハウを活かして、BI帳票ツールの開発・販売など、新しいフィールドにビジネス展開しています。
 DX推進サービス提供を拡大・加速化するため、2021年に総合人材サービス会社で、RPAをはじめとしたITソリューションを活用したデジタル化支援サービスを展開するヒューマンリソシアの子会社となりました。