<プレスリリース>~ITエンジニアへの就職動向レポート~新卒でITエンジニアとなる卒業者は大きく増加、文系および女性の就職者が増え、ITエンジニア増に貢献、一方、理系出身者の比率は大きく低下し4割以下に。
総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)は、世界のITエンジニアの動向を俯瞰的に把握することを目的に、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の公表データ、各国の統計データベース等を基に独自集計し、「データで見る世界のITエンジニアレポート」として発表しています。このたび、ITエンジニアとして活躍が期待される国内の大学等新卒の就職動向について、独自集計した結果を、レポートとして発表します。
【本件のポイント】
【調査結果概要】
DXに向かうなか、国内ではIT人材不足が深刻化しています。当社の調査では、日本のITエンジニア数は増えているものの、世界各国と比較すると、増加の力強さは物足りず、また将来IT領域での活躍が期待されるの卒業者が減少傾向であることも不安材料となっています(※参照)。
このような状況を受け、このたび、人材の大きな供給源となる大学等新卒の就職動向について集計・分析したところ、新たにITエンジニアとしてキャリアをスタートした新卒就職者は、10年間で約2倍に増えていることが明らかとなりました。さらに、ITエンジニアへの就職者の増加は、文系など理系学部(理学部および工学部)以外の出身者や、女性就職者の増加が寄与していることがわかりました。一方で、ITエンジニア就職者のうち、理系学部出身者が占める比率は年々低下しており、2023年には4割以下となっています。
育成を前提とした採用や、女性の積極活用など、企業各社がITエンジニア確保に取り組んでいることはプラス材料となる一方で、新しいサービスや技術が次々とうまれ、高度化するIT領域においては、専門知識やスキルを有する人材の育成および教育の重要性が、一層高まると考えられます。
■大学等を卒業し、ITエンジニアとなる新卒者は大きく増加
大学および大学院(修士・博士)を卒業し、ITエンジニアとして新卒で就職する卒業者数は、2013年の2.3万人から2023年には約4.8万人となり、10年間で2倍と大きく増えています。2021年には前年より2.4%減少となったものの、それ以外では前年を大きく上回っており、直近10年間の平均増減率は7.5%増となりました(図表1)。
■文系を含む理系以外のITエンジニアへの就職者が大幅に増え、就職者の6割超を占める
こうしたITエンジニアへの就職者数を出身学部別にみると、理系(理学部+工学部)学部出身の就職者が緩やかな増加である一方、文系を含む理系学部以外の就職者が大幅に増えていることがわかります。2013年の大学学部の新卒就職者においては、理系出身者が55.1%を占めていましたが、2023年には理系出身者が占める比率は38.2%まで低下し、61.8%を理系以外が占めています(図表2)。
■ITエンジニアとして就職する女性が増加し、女性比率は約3割に
また、ITエンジニアへの新卒就職者を男女別にみると、男性、女性、いずれも増えていますが、女性の増加が顕著となりました。男性は2013年の約1.80万人から、2023年には約3.42万人へと10年間で1.9倍となる一方で、女性は2013年の約0.53万人から1.40万人と約2.7倍になりました(図表3)。2023年には、ITエンジニア就職者のうち29.1%を女性が占めています。
▼プレスリリースの詳細
<ヒューマンリソシア株式会社・会社概要>
総合人材サービス会社として、人材派遣、人材紹介、業務受託サービスを全国27拠点で展開しています。1988年創業以来、教育事業をバックボーンに多彩なサービスを展開するグループの総合力を活かし、「人材」に関する幅広いサービスを提供しています。
本記事は、2024年3月12日のプレスリリースの抜粋となります。