育児休業等中の保険料免除にかかる 14 日以上の免除基準について
令和4年4月1日から育児・介護休業法が段階的に改正されていることはすでにご存じの方が多いと思いますが、令和4年10月1日施行の「出生時育児休業の創設」及び「育児休業の分割取得」に伴い、育児休業中の社会保険料免除要件が変わることとなります。
育児休業等中の保険料免除に係る主な改正内容は以下3点です。
①出生時育児休業制度について、育児休業等の取得促進の観点から、保険料免除の対象とする。
②月途中に短期間の育児休業等を取得した場合に保険料が免除されないことへの対応として、育児休業等開始日の属する月については、その月の末日が育児休業等期間中である場合に加えて、その月中に 14日以上の育児休業等を取得した場合にも標準報酬月額に係る保険料を免除する。
なお、その際には、同月内に取得した育児休業等及び出生時育児休業による休業等は合算して育児休業等期間の算定に含める。
③賞与保険料が免除されることを要因として、賞与月に育児休業等の取得が多いといった偏りが生じている可能性があることへの対応として、育児休業等が短期間であるほど、賞与保険料の免除を目的として育児休業等取得月を選択する誘因が働きやすいため、連続して1ヶ月超の育児休業等の取得者に限り、賞与保険料の免除対象とする。
今回は、令和4年3月31日に公開された「育児休業等中の保険料の免除要件の見直しに関するQ&A」より、【標準報酬月額の保険料免除にかかる 14 日以上の免除基準】に関する部分を抜粋してご紹介していきます。
<<Question>>
前月以前から取得している育児休業等について、最終月の月末まで育児休業等を取得しておらず、最終月に14日以上の育児休業等期間がある場合、最終月の保険料は免除対象になるのか。
<<Answer>>
今般設ける14日の要件による免除の仕組みは、開始日と終了予定日の翌日が同一月に属する育児休業等についてのみ適用し、月末を含む育児休業等(開始日と終了予定日の翌日が異なる月に属する育児休業等)の日数は、14日の要件の適用において考慮しない。したがって、「前月以前から取得している育児休業等」の最終月の保険料は、その月の月末日が育児休業等期間中であるか、その月の月中に当該育児休業等とは連続しない別途の育児休業等(14日以上)を取得している場合にのみ免除となる。
<<Question>>
「育児休業等日数」に基づく14日要件の判定はどのように行うのか。
<<Answer>>
ある月の月内に開始日と終了予定日の翌日がともに属する育児休業等が複数ある場合、当該月の「合計育児休業等日数」(そのすべての育児休業等の「育児休業等日数」を合算して算定)が14日以上であれば(休業は連続していなくても可)、当該月の保険料を免除する。
<<Question>>
同月内に取得した複数の育児休業等に係る育児休業等日数の合算について、前月以前から取得している育児休業等の日数についても合算の対象となるのか。
<<Answer>>
14日要件の判定に用いる「育児休業等日数」の合算は、開始日と終了予定日の翌日が同一月に属する育児休業等についてのみ行い、月末を含む育児休業等(開始日と終了予定日の翌日が異なる月に属する育児休業等)の日数は、14日要件の適用において考慮しない。したがって、「前月以前から取得している育児休業等」の日数については合算の対象としない。
<<Question>>
育児休業等日数の算定にあたり、休日は含めるのか。
<<Answer>>
育児休業等日数は、ある育児休業等の開始日から終了予定日までの日数(当該育児休業等が出生時育児休業である場合、開始日から終了予定日までの日数から就業日数を除いた日数)をいい、その間に土日等の休日、有給休暇など労務に服さない日が含まれていても、育児休業等日数の算定に当たり差し引くことはしない(育児休業等日数に含まれる)。
<<Question>>
出生時育児休業における就業日数については育児休業等日数の算定から除くとあるが、日単位ではなく、時間単位で就業した場合、どのように算定から除くのか。
<<Answer>>
育児休業等日数の算定に当たって、就業日数が、
・ 日単位の場合にはその日数を「就業日数」として、
・ 時間単位の場合にはその時間数を1日の所定労働時間で除した数(1未満の数は切り捨て)を「就業日数」として、
それぞれ控除するものとする。
<<Question>>
育児休業等日数の算定にあたり、一時的・臨時的な就労を行った日は含めるのか。
<<Answer>>
労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に、一時的・臨時的(災害や突発的な事態への対応等、あらかじめ予定していない場合)に、その事業主の下で就労可能とされているところ。こうした一時的・臨時的な就労については、限定的な状況であることから、事後的に育児休業等日数の算定から除く必要はない。
ただし、育児休業等開始当初よりあらかじめ決められた日に勤務するような場合は一時的・臨時的な就労には該当せず、育児休業等をしていることとはならないことに留意すること。