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法務スタッフの新しいキャリアパス?刺激と出会いがあふれる『わかほう』の魅力~第4回わかほう体験記~

この記事は約3000字(6〜10分ほど)です。


わかほうに申し込むまで

私はとある会社で法務をしています。交流会における用語によると「大規模法務」に該当するみたいです(日本における法務部員は60名以上)。
キャリアの中で事業法務(契約法務や紛争対応など)も経験してきましたが、今は法務部門の企画・調整に関わる仕事が中心です。リーガルオペレーションズや会社のガバナンス構築も行っている・・・と言えばかっこいいですが、実際には事業法務や商事法務といった専門業務の中間に位置するような仕事が多く、時には各部門のとりまとめ的な仕事など、総務に近い業務も担当しています。

リーガルオペレーションズって少し前に話題になりましたよね
リーガルテックHubbleのホームページから引用)

こういった業務を続ける中で、社内のセクショナリズムの根強さや責任回避、ガバナンスの形骸化(「グループガバナンスのロジックに基づいて旗振るべき人が、なんでそもそもロジックを理解していないの…」)を痛感する場面も多く、正直なところ閉塞感を抱いていました。
また、業務がどうしても社内完結になりがちで、タコツボ化も懸念していました。
自分自身もある程度の経験を積んできているため、他者からのフィードバックや新しい気づきを得られる機会が減りつつあるのも、個人的には気になっていました。

そんなときに、「わかほう」と呼ばれる若手法務交流会の存在を知り、思い切って申し込みました。申し込み自体は開催2週間前だったためキャンセル待ちでしたが、運良く繰り上がり、参加の機会を得ることができました。

こんなメールがきます

参加前の準備と期待

参加者に向けて送られてきたメールには、会場や持ち物などの詳細に加えて、「参加マニュアル」のリンクも案内されていました。
読んでみたところ、ふわっと参加してもふわっと終わるだけなので、参加目的を明確化しておきなさいとの記述がありました。そりゃそうですよね。

そこで、私も以下のような目的を設定して臨むことにしました:

  1. 転職経験者に転職の動機やプロセスを尋ね、自分のキャリア形成に役立てること

  2. 他社法務部門の課題や注目している法律を聞き、自分のスキルや知識に足りない点を把握すること

  3. 社内のセクショナリズムへの対応方法について意見を聞き、今抱えている課題に活かすこと

これらを聞くことで、より視野を広げるヒントを得たいと期待していました。
悩むようなら、ChatGPTとかに入力して言語化の助けにするといいかもしれません。

一般論を聞くときにとても頼りになる生成系AI

交流会での体験

会場はレアゾンHDさんのコミュニケーションルームで、1,000円の会費で軽食付きという嬉しい配慮もありました。協賛企業の支援があってのこととのことで、本当にありがとうございました。
会場には5分前に到着しましたが、既に参加者が多く集まっており、オープンと同時にスタッフの方(もちろん法務の方)と会話できる雰囲気でした。話す時間が欲しい方・いろんな人に会いたい方は、開場時間に行くとより有意義な時間を過ごせそうです。

イベントはパネルディスカッションと参加者同士のフリートークで構成されていました。
パネルディスカッションは登壇者の自己紹介などもあって時間は短めでしたが、自分もその話題で話したいのに…!とやきもきしない丁度良い塩梅でした。アイスブレイクやフリートークの起爆剤(登壇者への質問から輪をつくりやすい)なんだと思います。

フリートークは時間を区切って(15分前後)テーマごとに集まる形式です。最初は業種ごと、次に興味のある法律、次にテーマ自由という感じだったと記憶しています。
話したい内容をアピールしたい場合は、画用紙とマジックペンが置いてあるので、それで目的地をアピールするヒッチハイクのように(実際に「ヒッチハイク」と名付けられています)話し相手を探すことが可能です。

ヒッチハイクは相手が見つかるまで孤独なイメージですが、ヒッチハイカーも車もたくさんいます

名刺交換は最後に行います。ここでもう一回フリートークで話した人と話せるので、後で「これも聞いておけばよかった…!」「この会の後も連絡を取りたい」といったニーズを拾えるようになっています。

得られた気づきと学び

実は以前にも法務関係の異業種交流やワークショップなど色々参加しているのですが、「わかほう」は事前に明確化した目的を達成しやすいのではないかなと思います。

話をするきっかけが多く(パネルディスカッション、「ヒッチハイク」など)、フリートークのサイクルが約15分と短時間で区切られているため、話し相手や話の輪が硬直化せず、絶えず有機的に他の人へつながることができます。

雄弁にnoteで語っているため、私のコミュニケーション能力が高そうに見える方がいるかもしれませんが、不特定多数の中で輪の中に入ったり、人をつかまえて話をする立食形式が苦手です。
立食パーティーはもちろん、法務部門の全体懇親会でさえ、いつもぼっちです。悲しい…。
しかし、多様なパネルディスカッション登壇者から目的に合いそうな人を捕まえればよいですし(特にアテがなければ、登壇者の輪を回るのがベストかもしれません)、それも終わって ぼっちにしてると、スタッフが声をかけて助けてくれます笑

私は司会の方が転職歴のある方だったので、この方に話を伺いました。
短い時間の中で、自分のキャリアの現状や今後の方向性がぐっと明確になり、得るものが多かったです。転職活動において大事なのは、「自分が何をしたいのか」を明確にすることが軸であるという話を聞いて、理性的な面では既に理解していましたが、生の話を伺うことで感情的にも納得感が生まれました。

また、法務部長の方とも話す機会があり、社内調整の方法について意見を伺ったところ、これまで自分が考えていた方法と大きな差がないことが分かり、安心感を得ることができました。

「やりたいことの明確化」だけでなく、「どんなチームで働きたいか」「誰と働きたいか」も転職やキャリアにとっては重要なポイントだと改めて感じました。他社の法務部長の方と話す中で、この視点が自分にとってもキャリアの選択における大切な要素になると思いました。

さらに、私も他の参加者のトピックに対して自分の経験をシェアすることがあり、いわば「Take」と「Give」のバランスを大切にできた時間でした。自分の知識が他者の助けになる瞬間は(ただの手前味噌でなければいいのですが)、やはり気持ちが良いもので、こちらも交流会の醍醐味でした。

最後に

実は今日の出社中、鳥の糞をスーツにひっかけられました。帰って着替える羽目になり最悪でした。
ただ、鳥の糞をかけられると幸運がその後起こるらしいです。Indemnificationですね。それが今日の収穫だったんだと思います。

…いや、鳥の糞は非常に不愉快だったので、ちょっと足らないですね。法務なら自らの不利益に対してはアグレッシブに動いて補償を掴み取らないといけません。

ちょっと強引なまとめですが、みなさんも法務業務でモヤっとしたことがあれば、ぜひ勇気を出して「わかほう」に参加してみてはいかがでしょうか!このnoteが少しでも参考になれば幸いです。

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