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アスリート専門管理栄養士になるためにどんなことをしたのか 大学3.4年生編

アスリート専門管理栄養士の小笠原真智です。

小笠原の自己紹介はこちらのブログにまとめてあります。

今回のブログではアスリート専門管理栄養士になるためにどんなことをしたのか大学3.4年生編についてお話していきます。

『アスリート専門管理栄養士になるためにどんなことをしたのか大学1.2年生編』はこちらをご覧ください。

スポーツトレーナーの勉強会に参加、ズタボロになる

大学3年になった小笠原は、母校などで栄養サポートボランティアを継続して、行っていくにつれて「スポーツ栄養士になりたいのなら、スポーツや身体のことについてもっと勉強をするべきなんじゃないか!」と思うようになりました。

姉がスポーツトレーナーをしているので、そのつながりでスポーツトレーナーさんが集まっている勉強会に参加させてもらうことができました。

トレーナーさんの勉強会では、みんなそれぞれ興味のある文献を選び、読みこんでからまとめ、発表するという流れでした。

すでにスポーツ現場で働かれて活躍されている方々の勉強会ですので、その内容は素人にはついていけないような専門的な内容ばかりでした。

題名的にはこんな感じ。
「体幹アライメントと体幹運動の関係」
「持続的緊張下で活動する筋を対象とした振動刺激の効果」
「上肢のアライメントと前腕回施可動域および皮皺の関係」

皆さんわかります???

栄養を勉強する大学ではなかなか聞きなれないお言葉ばかり。

相当の場違い感を全身に感じながら、ここはしがみついていくしかないと理解しようと必死こいて聞きました。
どれくらい理解できたかと言われると、たぶん、ほとんど理解はできていなかったと思います。(笑)

ただ、トレーナーの人が使う専門用語に耳が慣れて、何の話をしているかがわかるというのは、今も役に立っています。


私はもちろん、スポーツ栄養分野の文献を読み、まとめ、発表していました。
「分岐鎖アミノ酸代謝の調整機構」
「最近のアミノ酸サプリメントに関する新たなエビデンス」
などなど

が、しかし

文献への理解が足りない
説明が上手にできない

など自分の未熟さがあらわになり、勉強会の参加者からたくさんたくさん、それはもうボロクソにダメ出しを頂きました。

勉強会の帰りはいつも悔し涙を流しながら帰ったのを覚えています。(笑)

ただ、より深い勉強の仕方や大切さ、プロのアスリートのサポートをするためには学び続ける姿勢がなのか、ということを学ぶことができ、参加できてよかったと心から思っています。


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高校の3部活同時に栄養サポートが始まる

4年生になる前日。

ゼミの先生から連絡がありました。
「話があるから研究室に来てほしい」

話というのは愛知県内にある高校から依頼があり、バスケ部、サッカー部、ラグビー部へ栄養サポートをしてほしいというものでした。

母校への栄養サポートについてずっと先生に相談していたこともあり、先生が私を栄養サポートの担当に推薦してくださいました。

二つ返事で喜んで承諾し、4月から栄養サポートが始まりました!

今まで陸上競技という個人競技しか、してきていない小笠原にとって、チーム競技、しかも3つ同時にというのは新たな挑戦でした。

「陸上選手から管理栄養士の道を選んだきっかけはこちらからご覧ください」

栄養サポートで行ったこと

・体重測定(週に一度の測定)
・栄養講義
・個人指導
・栄養資料作成

実際の資料の一部(ラグビー部へ合宿前に配布した栄養資料)

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サッカー部への栄養講義の様子

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初めての競技でわからないことだらけでしたが、大切にしていたことがあります。

・参加できるときは毎日足を運んで練習に参加する
・先生やトレーナーさんとこまめに話をして選手の様子や困っていることを聞く
・選手に話しかける

上記の栄養資料は、先生と練習後にお話ししている中で
「毎年夏になると合宿があるんだけど、絶対に選手の体重が落ちていくんだよね~。食い止められないかな~。」
と、ぽろっと話して頂いたことがきっかけで作成することに決めた資料です。

作成した資料の中で一番喜んでいただけました。

こちらが伝えたい内容だけで資料を作っていたら、選手が本当に求めている情報とあまりフィットしていない場合もあります。

現場の人の声を聞くことが、選手/チームが強くなるサポートになるということを学ばさせて頂きました。

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トレーナーさん向けのスポーツ栄養講義の依頼をされる

小笠原が何やら頑張っているというのを、風のうわさで聞きつけてくださったトレーナーさんから連絡を頂きました。

トレーナーさんは私が中学生の時に陸上の練習中に肉離れを起こしたときにケガを診察して頂いていた先生です。

なんとその内容は
「スポーツ現場で活躍するトレーナーを育成するためのプログラムの中に入っているスポーツ栄養学の講師をしてほしい。」

しかも「すでにスポーツ現場で働いている現役の受講生もいるから、基礎知識は持っている人もいると思うから、深い内容でよろしく頼むよ」というプレッシャーをかけられ。

大学生が社会人に、しかもスポーツ現場で働いている人にセミナーなんて…!!

少々緊張で震えましたが、まだまだ未熟者の大学生を信頼して頼んでいただいたというのは大変光栄なことでしたので、喜んでお受けしました。

一生懸命資料を作成していました。
セミナー前もたくさん練習をこなして万全の準備に取り掛かりたかった。

のですが。

管理栄養士専攻の方はわかると思いますが、病院、給食施設、保険所への実習があるのです。

本来は3年生ですべて終わる実習ですが、3年生の病院実習当日に人生初のインフルエンザ発症という恐ろしいことをした小笠原は4年生で病院実習に行くことに。

トレーナーさん向けのセミナーが真夏の日曜日に開催が決まりましたが、前の週から2週間病院実習でした。

実習は事前課題や当日のノート作成、さらには連日の緊張などで相当の体力を消耗します。

そして何を血迷ったか、実習が金曜日に終わり、翌日の土曜日に研究室の仲間とマラソン参加に参加をし、日曜日に朝からトレーナーさん向けのセミナーを開催するという鬼スケジュールを立てていました。

実習の疲れが取れることもなく、マラソンを全力で楽しみ、
(マラソンの写真、楽しかったです)

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帰ってから、セミナーのリハーサルを死に物狂いで行いました。

普段はあまり緊張しないほうですが、初めての社会人向けのセミナー、さらにはプレッシャーをかけられていることもあり、セミナー前日の夜はまったくもって眠れず、緊張で吐き気を感じるレベル。

睡眠時間なく、朝を迎え、始発で電車に乗りセミナー会場へ向かいました。



そして、3時間にも及ぶセミナーをなんとか終えました。
(緊張のあまり、セミナー中の記憶ありません)

改善点は多々ありましたが、小笠原のビックチャレンジは無事に終了し、たくさんのトレーナーさんと交流ができました。

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その後、6年間にわたって、毎年トレーナーさん向けのセミナーを依頼し続けてくれています。先生には感謝です。


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大学1.2年生で初めての一歩を踏み出してから、継続して行っていくことで、繋がりや出来ることが広がっていき、3.4年生でさらに大きなチャレンジをすることができました。

大学生で多くの経験ができた理由は

「ちょっとの勇気」のおかげだと思っています。

・大学1年の冬に海外インターンに行っていなかったら、
・先生に栄養サポートをさせてくださいと言っていなかったら、
・トレーナーさんの勉強会に参加していなかったら、

今、こうしてフリーランスの管理栄養士として働いていないと思います。


サポートしてもらった”おきもち”は、サポートしているアスリートが試合でいい結果をだした時のごほうび品として使わせていただきたいとおもっています☺