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守るべきこととは「演出家SEIGO」

今日、NHKラジオ「らじらー!SUNDAY」に早川聖来さんかの口から、ライブ演出家SEIGOの問題のある発言が暴露されました。

ファンとして偏った視点にはなるでしょうが、結論から言うと「彼は排除すべき」と言うことです。

問題の発言

彼は、ライブのリハーサルの時にメンバーの容姿を侮辱する発言や、「シネ」や「お前一人いなくても良い」などの暴言をよく言う方だそうです。特に今回問題と感じた発言は「掛橋沙耶香が舞台から転落したのはお前らのせいだ」と言った趣旨の発言です。

集団で仕事をする上で大事なこととは

今回、この暴露は一人のメンバーのみの口からですが、同席していた別のメンバーも否定することもありませんでした。どれだけ事実なのか、事実だとして、どのような文脈で、そのような意図でそのような発言をしたのか、それらは分かりません。

しかし、常識的な考え(と、あえて言います)では、おそらく、強い語気で集団の結束力を纏めることを基本的な戦術としている人なのだと考えられます。昔気質の芸能界ではよく聞く話です。

この戦術が全くの無意味かと言いますと、それは無いでしょう。「お前一人いなくても良い」と言う発言が真実だとすると、これは「仕事から外す」という脅迫であり、これにより、同じ目的を持つように集団の意思を強制できます。また、これにより、そぐわない目的や価値観を持つ者を排除することができ、結果的に自身に従う集団を構成することができます。一から丁寧にゆっくりと目的と価値観を植え付けていくよりも、効率よく自身の思いのままに動く集団を手にできます。

問題点は、それにより離反する者が現れることですが、経済的に問題を持つことになることや、かつての目標を断念することにもなることや、将来の仕事を失う可能性があるため、離反にはある程度逆向きの圧力がかかっています。

このように、ある程度の効果がある戦術だと言えます。

では、これしか戦術は無いのでしょうか?

元々全員が全く同じ目標や価値観を持ち、同じ仕事に向き合っていることは決して無いでしょう。
中には、とても軽く見ている人もいるはずです。要は、集団内のなるべく多くの人を同じ目標や価値観に近づけることが重要だと言うことです。

それは教育ではできないのでしょうか?
それはNoです。できます。

そもそも、全員が元々異なる目標と価値観を持っているため、全員が全く同じ方法によって同じ目標と価値観に矯正できるとは限りません。個々人によって、モチベーションの構成方法は全く異なります。

これは心理学の研究からわかっており、「内発的」「外発的」「利己的」「利他的」な動機が全て揃うと仕事へのやる気が著しく上がることがわかっています。そして、これらは個人的な価値観から決まるため、丁寧に考察して自身で作る必要があります。実際に、多くの会社でも重要視されているようです。また、短期的・長期的なメリット・デメリットをしっかりと言語化することもとても有用とわかっています。

ここまで分かっていて、脅迫的動機付けを行う意味があるでしょうか。これはもっとも単純な方法で、短期的には効果があるでしょうが、集団の疲弊と仕事効率の低下がもたらされることは自明です。わざわざ質の低い、そして誰一人として楽しんでいない仕事をする必要はあるでしょうか。全くありません。

大事なことは、長期的に健康的に、集団が納得して仕事が行われることでしょう。

通過儀礼問題

「昔からこうだ」「自分たちもやってきたんだから後輩もやる」と言うのは、正しいでしょうか。統計的に他の方法よりも効果的であることが示されているのであれば、正しいでしょう。では、今回の件はそのようなことがされているでしょうか。

このように、すぐに「統計的」と言うのは見地が狭いですが、それすら考えもしないことは、もっと見地が狭いでしょう。

今回、早川聖来さんはメンバーで初めて彼の問題発言について言及しました。

これはジャニーズの性被害問題にも似ていて、これまで何も言わなかった先輩方にもある程度の問題もあるかと思います。しかし、それが暗黙の了解になっている時、そのような集団心理になることもやむを得ないでしょう。

最大の問題は、このようなことをこの時代になっても当然のように受け入れてきた組織の幹部にあります。この演出家は多くのライブを手がけている大御所のようで、さぞかし(擬似的な)大きな権力を持っていることでしょう。予算も集まりやすいなどのメリットもあるでしょう。

しかし、それによって仕事もままならないメンバーがいたらどうでしょうか。

今、数人のメンバーが休養中ですが、全員ライブ当日の数日前に休養を発表しています。忙しくなってキャパを超えてしまってのかと思っていました。正直それも大きな問題ですが、この演出家がメンタルを病む一因になっていた可能性もあります。

勝手に問題を拡張するのは好きではありませんが、簡単に予想できてしまうことです。

これを伝統だとか、通過儀礼だとして、彼女達のやる気とメンタルを削ぎ、脅迫観念によって仕事をさせることは正しいことで無いことは明らかです。

もっとも許せないこと

もっとも許せないことは、「掛橋沙耶香が舞台から転落したのはお前らのせいだ」と言う発言です。

もしかしたら、立ち位置が少しづつずれることによって、本来はいるはずのない場所にきてしまって落ちてしまった、ということもあるのかもしれません。

もしそうだったとしても、この問題を全て彼女達に押し付けることは許されることではありません。もし何かしら、全員のミスでこの事件が起きたのだとしても、それは、そのようなミスが起きうるような演出にした人間にも問題があるでしょう。実現し難い課題を求められて、それができない時、それは課題を出した方に問題があります。本来、上司にはその責任をあるはずです。

彼女達自身、この事件に心を痛めていたはずです。そんな彼女達に対して、まるで何にも考えていなかったように、何も責任を感じていないように、何も心配していないように罵るとは、言語道断です。

もし、これまで一切パワハラ的発言をしていなかったとしても、この一言だけで、この人が集団で仕事をする能力も権利もなく、責任を負うことなど到底できない人間であると、十分言えるでしょう。



最後に

部外者ですが、全く、許せません。

心臓と肺が燃え上がるように熱くなりました。こんなに怒りを感じたのはとても久しぶりです。

このような人間を長らく使い続けている事務所と芸能界には呆れます。
このようなことが別の業界でも蔓延しています。
そう考えるとやるせない気持ちと、なんとかしなければと言う気持ちで葛藤し、そして、とても悲しい気持ちになります。

残念でなりません。

以上です。



追記(事務所の声明を受けて)

件の演出家は、一部の行き過ぎた発言を認められ、真夏の全国ツアー2023の担当を辞退されたとのことです。

私の想定していた事は

  • 早川聖来さんが謝罪の旨を発表する事になる

  • 演出家サイドも一応声明を発表

というところでした。
大体の流れは予想通りでしたが、展開としては最悪でもなく、悪過ぎることもなかったように思えます。

事務所側や演出家側が謝罪をしても、引き続き起用されることなどを懸念していました。彼は多くのライブを担当している方なので、方々に忖度することで、彼を切るよりメンバー一人を切る方がダメージが無いと判断されかねないとも思っていました。その部分は、今回は、ないようで安心しました。

ただ、私が最も重要視していた「掛橋沙耶香の事故はお前らのせい」という発言に関しては誤解だったとのことでした。

もしかしたら「次、事故が起きてしまうのはお前らのせい」のように、掛橋沙耶香さんのことに関してでは無かったような発言だったのかも知れません。この部分が具体的にどのような文脈だったのかは、録音が残っていない限りわからないでしょう。しかし、これを早川聖来さんだけがこう取ってしまったのか、その辺りが気になります。今回の事務所の声明では、そのようにも取れました。

今回の件は、正直、最悪の結果では無かった上に、演出家の変更もされたため、少し安心しています。

これ以上の追求は余計な揉め事を生んでしまうかと思いますので、1ファンは口を閉ざす事にします。

聖来ちゃんが傷つき過ぎていないことを祈ります。
もしそうだったとしても、事務所と周りの皆さんが守ってくれることを切に願うばかりです。

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