点字を読む〜指先触読装置化計画進行中
「ひとりで学べる点字触読テキスト」
読書工房 発行
「ひとりで学べる」
なんて、半信半疑だったけど
本当にできた!
春から通っている点字教室は、実は晴眼者向け初級講座
需要がないからか視覚障害者向け講座がないので、私のためにサポートを1人つけてくれて、一緒に参加させてもらっている
だから、というか
晴眼者が点字を学ぶ目的は主に点訳なので
どうしたって点字のルールや打つことが中心で
触読まではなかなか時間が取れない
でも私が1番身に付けたいのは、やっぱり読むこと
それを見かねた先生が
こんなのあるよ、と探してきてくれた
発行元の読書工房さんは、様々な人が様々な形で読書を楽しめる出版物を手がけている会社のよう
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購入後、半信半疑のまましばらく寝かせていたけれど
この猛暑で盲導犬の姫との外出もままならないので
それならば、と夏の宿題のつもりで本腰入れて取り組むことにした
QRコードで読み込んだ墨字テキストを音声で聴きながら
ひたすら点字が刻まれたテキストを指で触っていく
目では1文字も見ていない
1日1ページ
ひらがな2文字ずつ
約1ヵ月
読める!わかる!
指先で触れた6つの点の組み合わせが、文字になって頭に浮かぶ
反対に
家族との会話で出てきた短い単語を、思わず頭の中で6つの点に置き換えてみたりしている
触読は何ヶ月も何年も時間がかかると思っていたからびっくりだ
教室では、点字一覧表を見やすいように拡大したり、自分で1文字ずつ単語帳を作ったり、点字学習アプリを利用したりしても、目からの学習だけでは全然覚えられなかったのに
これは身体に擦り込まれる
やっぱり点字は見るものでなく触るもの
そういうふうにできている
当たり前のことを実感する
目からの記憶が写真をフォルダにため込んでいくことだとすると
これはもっと深い体験を伴った身体の記憶
いちど身に付けたら簡単には忘れそうにない
もちろん、いきなりスラスラと本が読めるわけではないけれど、
日常生活の身の回りのものの識別ぐらいなら全然できる
日本語→点字か、点字→日本語か、
最終的には繋がるひとつのトンネルでも
訳す人と読む人では入り口も進む方向も正反対なのに
読む人である私は
結局今までは文字を知らずに文法を勉強していたのだと気がついた
幼児が言葉を覚える時だって、単音、単語から始まって少しずつ実践の中でルールを学んでいくのが自然な流れ
それで言うと私はまだ小学校1年生レベルだけど
文字が読める、
それだけでこの先の生活が少し豊かになる気がして世界が明るく楽しくなる
先生もすごく安心して、すごく喜んでくれた
やっぱり記憶は
脳と身体の動作や感覚が連動したときに深く刻まれやすいんだな
家事をしながら音声読書をするとスルスル頭に入ってくるのと同じ
生きる実験体として
そんなことを自分の身体で発見できるのも
また面白い
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残念ながら、日本全国どこにいても同じように、視覚障害者のために用意されたプログラムを受けられるわけではなく、地域格差が大きい
人口の少ない地方では特に、
自分でなんとかするしかない、全てが基本そんなかんじ
このテキストが作られた背景にはそういう現状への思いもあるようです
だからもし、私と同じように近くに点字を学べる環境がない、という人がいたら、1つの方法として、こんなのあるよと知ってほしい
私でもできたから、きっとできる