あまとみトレイル86kmを歩く 後編
前編はこちら ↓
妙高山麓にステージを移し、トレイルの後半を歩きます。タープ泊のスルーハイカーが3~4日で踏破する行程を、私たちは宿と往復しながら6日かけて歩くゆるゆるな日程。楽とはいえませんが、朝晩ビュッフェで行動食もしっかり食べて、全然痩せませんでした。それでも、ロングトレイルなんて別次元の話と思っていたのに、こんな素晴らしい自然や歴史を肌で感じることが出来て最高でした☆
カラフルな秋のパレット
清水ヶ池
笹ヶ峰牧場 130ヘクタールもある牧場で、複数の酪農家から預けられた牛さん達を秋まで放牧します。
笹ヶ峰グリーハウスで小休憩。相棒のザックとストックを記念撮影。ギアナ高地、スペインの巡礼街道や熊野古道を一緒に歩いた気心知れたバディです。
日本でも珍しい国際自然環境アウトドア専門学校の車が停まっていました
クロカンコース
ドイツトウヒの森 人工の森ですが、大きな松ぼっくりやキノコに、フィンランドを懐かしく思い出しました。
この先の激坂を発電所に向かって下りました
下から上を見上げて
関川のつり橋
西野発電所 関川に沿って、苗名滝を目指します
あまとみトレイルのパンフレットの表紙にもなっている巨木
野ブドウもよく見かけました
葉っぱをサクサク踏みしめる音が心地よい。穏やかな道でしか写真を撮れないので、急登・激下りは想像してくださいね(笑)
送電線の保守用と思われる小道を辿ります。ほぼ崖で、お天気が良くて助かりました。
何とか転ばず下りきって苗名滝へ
実りの秋
ずっと下の方から聞こえていた滝の音が、すぐ近くに・・・
苗名滝(なえなたき) 「瀧けぶり 側で見てさへ 花の雲」(小林一茶)の句碑が立っています
キノコたっぷりのお蕎麦&ニジマスのから揚げ。これを楽しみにせっせと下ってきました。
杉野沢の里山歩き
いもり池のほとりにあるスタイリッシュな妙高高原ビジターセンターに到着。カフェやノースフェイスのショップも入っています。この日の行程はここで一旦終わり。
上越自動車道を横切り関川の関所へ
関川関所跡 佐渡の金を運んだという北国街道の関所跡 あまとみトレイルは登山道、自然遊歩道、街道、里山の生活道路等、多様な道がつながっていて飽きません。
関川
カーンと鳴らして、熊さんにご挨拶
ケールなど、ほろ苦系サラダ菜の畑
蕎麦畑
伝九郎用水
用水路の事故などたまに耳にしますが、幅と水流を見て納得。
ナウマン象で有名な野尻湖に到着
マンホールもナウマン象
シャッターにもナウマン象
ちょっとシュールなスワンボート。何故そこに??
お洒落な店構えに素通り出来ず、あれこれ買ってしまった湖畔のベーカリー EN BAKERY 39 さん。 とても美味しかったです。
建物はかつてのバス停。
しっかり除雪しておきたい防火水槽
町でよく見かけたナウマン象のオブジェは、全部デザインが違うそうです
薪を下まで運ばずに済む落下装置
しばらく湖畔を反時計回りに歩いて、斑尾山登山口へ
集落の雰囲気がたまらなく懐かしい。日本人のDNAを実感。カラスが鳴いて、「下校を見守りましょう」という防災無線のアナウンスが聞えました。
小さな神社で休憩。
マンホールが稲刈り模様に変わっていました
古い登山道から斑尾山に登ります。標高差700m
しばらくは造林された森
自然林に変わっていきます
標高が高くなるにしたがって、靄が立ち込めてきました。
幻想的で美しい
斑尾山山頂(1381m)でゴール!!!
やった~、ついにあまとみトレイルを踏破☆ と言っても山頂はビューもなくベンチもないこじんまりした場所で、おやつを食べながら静かな達成感に浸りました。
するとチリンチリンと熊鈴の音が聞えて、大きなバックパックを背負った男性が現れました。通しでトレイルを歩いている人にまったく出会わなかったのに、最後の最後にゴールで会うなんてびっくり! 驚いたのは男性の方でしょう。歩き切って独り余韻に浸ろうと思ったら、シニアなおばさん5人+ガイドさんが先客でいるのですから。勤続10年の休暇でスルーハイクを思い立ったそうです。私たちは熊に会わず、一か所だけ野生動物の気配を感じた程度でしたが、彼はガサガサいう音や唸り声も耳にしたそうです。グループで歩いたのが良かったのかたまたまなのか・・・ これもご縁ですねと写真を撮りあいました。
次は下界に降りなくてはなりません。スキー場のゲレンデをひたすら下っていきました。
お疲れ様の後は温泉。さっぱりして飯山駅から帰路に着きました。
世界各地からゲストがやってきます。欧米にはロングハイクの文化があるので、トレイルを訪れる人もさらに増えそうです。
想えば、凄く若いときから長く歩くのは好きでした。山手線を一周したり、房総半島を横断して日の出を見に行ったり・・・頂上を目指す登山のような縦移動よりも横移動の方が、私にはあっているみたいです。トレイルでは意外と里の人とお話しする機会もありました。といっても、挨拶くらいなんですけど、都心にいると、見知らぬ人に「こんにちは」なんて言うことはまずありません。終わった途端、もっと歩きたいな~と思ってしまいました。
あまとみトレイルのゴールだった斑尾山頂から、信越トレイル110kmが始まります。まだ知らない風景を求めて、信越トレイルもいつか歩いてみたいです。