わくわくワニランド、エバーグレーズ国立公園(フロリダ)
今回は古い旅の思い出です。(何と2003年、大昔ですみません!)
フロリダに大湿原の国立公園があると聞いて、キーウェストを訪れる途中で寄りました。アメリカの国立公園といえば、真っ先に思い浮かぶのは、巨木の森や美しい山々・クリークなどの水辺。湿地帯のエバーグレーズ国立公園は一体どんな所だろう・・・
旅の起点のニューヨークはクリスマスシーズンを迎え、道端にツリーが並び始めていました。
フロリダは冬でも暖かい日差しを感じ、季節が逆戻りしたような気候。リタイアした人が温暖なフロリダに住みたがる気持ちが分かります。
エバーグレーズ国立公園(Everglades National Park)は、フロリダ半島南端に位置する広大な湿地帯の一部。オキーチョビー湖から流れ出た水が標高差わずか4mのフロリダ湾にゆっくり注ぎこみ、淡水と海水が入り混じる複雑な生態系を形成しています。亜熱帯の多様な生物の宝庫で、世界遺産やラムサール条約にも登録されていますが、フロリダの開発や水質汚染、マイアミの水需要などで、2度も危機遺産に認定され、今も危機遺産のままです。
エバーグレーズ国立公園に到着。
私達が泊ったのはフラミンゴロッジ。 実は湿地帯だけあって蚊の天国なのです。乾季のベストシーズンとはいえ、とにかく蚊が多いので、ドアの開閉にも気を使いました。売店には蚊避けグッズがたくさん売っています。
残念ながらフラミンゴ・ロッジは、2005年のハリケーンで全壊し閉鎖。現在はキャンプサイトのみ運営しているとのことです。いつか再建できると良いな。日帰りはもったいない。
来訪者はシニアも多くのんびりした雰囲気でした。ところで皆さん何を見ているのでしょう?
はい、お目当ての野良ワニさんが日向ぼっこ中。
ワニに近寄らないでくださいという看板の真下に、ワニがスタンバっているという(笑)
広大な園内では散策だけでなく、サイクリング、トレッキング、カヤックなど様々なアクティビティを楽しむことが出来ます。 トレイルも歩いてみたかった・・・
湿地の生き物を描いたパネル。 マナティ、フロリダパンサー、アメリカンクロコダイルなど絶滅危惧種も多数生息しています。
ネイチャーガイドさんのレクチャー。
サプライズで取り出したのは、ワニの赤ちゃん・・・のおもちゃでした。
もぐもぐタイム。一斉にスタッフさんに迫ってくるので、なかなかの迫力でした。
エアボートクルーズでは生態系をより身近に感じることができます。 扇風機みたいなプロペラで進むため、動植物をあまり脅かさずに移動が可能。意外とスピードが出るので、高速航行時はスリルもありました。
解説を聞きながら、バックカントリーをクルーズ。
水鳥がボートにとまっているよ。
フレンドリーなスタッフさん。
”君たちはどう生きるか”
翌日はベイ・クルーズに申し込みました。
ツアーガイドは、キャップにサングラスにお髭の、ヘミングウェイっぽいおじさんでした。
不動の悟りのポーズ。
マングローブが群生。
しばらく狭い水路を進みます。
ホワイトウォーター湾(Whitewater Bay)に到着。 視界が一気に開け、雄大な海の景色に息を飲みました。
来たルートを引き返して戻ります。
至るところで遭遇するうちに、野良ワニさんは当たり前の風景になり、こちらも「あらまた、どうも」という雰囲気に。
柵もなく、うっかりすると尻尾を踏んづけてしまいそうな所にいるんです。道をふさいでいることもあるし、ときには折り重なっていたり。一生分のワニを見た気がします。
一口にワニといっても大きく2種類あって、牙があって口先がとんがっているのが獰猛なクロコダイル。口先が丸いのは大人しいアリゲーター。そんな違いがあるなんて知らなかった。エバーグレーズには両方のワニが生息しています。
怖いのに人気があるのは、熊と似ているかもしれません。有名な絵本作家モーリス・センダックの「アメリカワニです、こんにちは」は、ABC絵本なのですが、AがAppleではなくAlligator(ワニ)なんです。 ワニから覚えるんかい(笑)
そして日本でも放映された「ワニのワリー」は、動物園からすぐ脱走してしまうやんちゃなワニのお話。 水上スキーが得意なんですけど、エバーグレーズに来て、なるほどなぁ・・と納得しました。
私の推しは野鳥たち。湿原に佇む姿がとってもcool☆でした。
鳥だけで300種も生息しているそうです。
「草の海」と呼ばれる湿原。草原のようにみえて、草に覆われた水深30㎝もない浅瀬です。
面積は公園だけで約6000平方キロメートル、東京の3倍近くあります。 スケールの大きさに、危機といわれてもすぐにはピンとこないのですが、奇跡的なバランスで生態系が成り立っていることを肌で感じました。
昼下がりのフルーツスタンドでゆるゆるとフレッシュジュースを飲んだり、キーライムパイを食べたり。 キーウェストをまわってニューヨークに戻る頃はすっかり、のほほんとした「お上りさん」になっていました。
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