アイスランドの小さな教会
その教会を訪ねるのは、少しばかり手間取りました。なぜなら、集落の中心にあるのでもなく、ヒストリック・ポイントになっているわけでもなく、島を周回する道路沿いの個人の敷地に、ひっそりと建っていたからです。
ここだろうと思った場所は、入り口が閉まっていて、Private Areaと書かれた看板がかかっていました。
失礼のないよう、教会を見せてもらえないかお願いしてみることにしました。 車を降りて、てくてく歩いていくと、教会の十字架が見えてきました。
手前に、農具や家畜のためと思われる小屋がいくつか並んでいます。教会と同く、山の斜面からなだらかに続く”芝生の家”(Laufas)です。まるでホビットでも住んでいそうですが、極寒の地で、断熱効果を生む工夫でもありました。
母屋の窓には、”最後に住んだ農夫”という男性の写真が貼ってありました。 そうか、無人の廃屋だったのですね。
訪問者に宛てた、”チャペルのみ公開されている”という張り紙を見て、教会に行ってみました。
小さなかわいい教会
ハートのような透かしのデザインが素敵。大人が6~7人腰かけたら一杯になりそうな空間です。
壁には、アイスランド語らしき手書きの文書がかかっていました。由来などが書かれているのかな・・・
祈りの場
日々ここに集い、家族や家畜の無事を祈り、感謝を捧げたのでしょうか? 権威を象徴するようなゴシックの教会と違って、とても親密な空間でした。タイムスリップしたような気持になって、しばらくの間、かつて暮らした人たちの温もりを感じていました。
アイスランドの大自然とともに、記憶に残る素敵な教会でした。