スペイン巡礼街道、サリアから114kmを歩く 7:自転車旅への憧れとペイ・イット・フォワード
これでマイ・カミーノ日記も最後です。 年間30万人が歩く「道」は、21世紀になるまで、半ば忘れられた道でもありました。2002年頃7万人を超え、歩く人は急増しています。立ち止まって、生き方や人生を見つめたいという人が増えているのでしょう。
自転車旅への憧れ
巡礼手帳は、徒歩以外にも自転車・馬・船・車椅子のカテゴリーがあります。さすがに馬で巡礼する人は見かけなかったけど、お馬さんには時々会いました♡
私は以前、フィンランドの湖畔を20kmほどサイクリングして、ヨーロッパを自転車で旅したいという憧れを持っていました。とはいえ、普段は電動ママチャリで買い物するだけですから、いきなり自転車巡礼はハードルが高過ぎます。今回歩きながら、たくさんの素敵なサイクリストに出会い、いつか自分も!という小さなタネを心にインプットしました。
ロードバイクは、徒歩の巡礼者と全く同じ道を進むことは出来ません。ところどころに、自転車用迂回ルートの標識が立っています。
一般道に迂回するのはつまらないと思っていましたが、日本の幹線道路のように車に煽られながら進む訳ではなく、景色も良いので、ロードバイクも気持ち良さそうです。 色々夢が広がりました。
そして、最後の最後にもうひとつ。
ペイ・イット・フォワード
実は何年か前に女子大生の親族が、アメリカ留学から帰国するタイミングでフランス人の道を踏破しました。
途中、足のマメが潰れてお医者さんに行かなくてはならなくなったそうです。
道すがら知り合ったカナダ人の男性が同行してくれて、治療費も払ってくれました。 彼女は帰国荷物に学生証など一切を入れて送ってしまったあとだったので、ご厚意を有難く受け入れて、「日本に帰ったらお返ししますから、連絡先を教えて下さい」と言いました。
するとその男性は、「自分はカミーノを歩くのが夢で、リタイアしてやっと実現することができた。この費用は返さなくて良いから、今度あなたが困った人に会ったときに、助けてあげなさい」と言ったそうです。
まさに、Pay It Forward☆
何が起きるか分からないのに、身分証も持 たないなんて!と怒られはしたものの、そうでなかったらこの体験はありませんでした。人が出会う出来事って、不思議ですね。意図したわけではないのに、どこかで決まっていたように感じるときもあります。
思いつくままに綴った私のカミーノ、最後まで読んで下さってありがとうございました。 それではまた、次の旅で。
おしまいに