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映画「ノエル」:クリスマスの奇跡を信じたい人に

クリスマスの時期になると無性に見たくなる「ノエル」 クリスマスの映画は星の数ほどあるけれど、私はやっぱりノエルを選んでしまいます。クリスマスイブから朝を迎えるまでの一晩に起きた、愛と奇跡の物語です(2004年 チャズ・パルミンテリ監督)

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舞台はクリスマス・イブのニューヨーク。きらびやかな街の喧騒から取り残されたように、孤独と心の傷を抱え、一晩が無事に過ぎることを願っている人たちがいました。

ローズ(スーザン・サランドン) バツイチ・子供なしの児童書の編集者。アルツハイマーで入院している母親の世話と仕事がすべての、孤独な毎日を送っています。同僚に勧められ、クリスマスイブに同じ出版社の男性とデートすることに・・・

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マイク(ポール・ウォーカー)& ニーナ(ペネロペ・クルス) 婚約中のカップル。自分に自信のないマイクは、美しいニーナが他の男に取られるのではないかと、些細なことでひどく嫉妬してしまう。一番幸せなはずのクリスマスイブに、二人は最大の危機を迎えてしまいます。

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アーティー(アラン・アーキン) マイクがたまたま入った喫茶店の謎めいたウェイター。何の面識もないマイクにつきまとうようになります。一体なぜ・・・?

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ジュールズ(マーカス・トーマス) 複雑な家庭に育ち、今もしがない独り暮らし。14歳のとき、父親に鼻の骨を折られて病院で過ごしたクリスマスが、唯一の幸せな思い出。もう一度、病院のクリスマス・パーティーに参加したいと思っています。

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そしてもう一人、クレジットされていない重要な人物が登場します。 あのロビン・ウイリアムス!! これ以上書くとネタバレになってしまうので、書けないのが残念~! 

登場人物たちの物語が別々に進むのですが、何の接点もない幾つもの人生が、それぞれに完結しながら、響きあいます。自分は独りぼっちだと思っていても、見知らぬ誰かの人生に影響を与え、与えられている・・・長い夜が明けるにつれ、自分自身を許していなかった苦しさからも救われます。 何度も見て知っているのに、毎回クリスマスの魔法で胸が一杯になります。スーザン・サランドンがウェットになりがちな役柄を、からっと演じていて素敵です。ローズは、本当は強さもお茶目なところもある女性なんですよね。

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監督のチャズ・パルミンテリは、実際に奇跡を見たことがあり、天使と話したこともあると言っています。”9・11後の世界で、ノエルのような映画=見た人が内面から心地よくなり、人を幸せな気分にさせ、愛する人に伝えるべき言葉を思い出させる・・・そんな映画が必要だ”と思ったそうです。

パルミンテリは「ブロンクス物語」のソニー役、といったらピンとくるでしょうか・・「ブロンクス物語」の元になった戯曲を書いたのがパルミンテリで、ロバート・デニーロはそれに惚れ込んで映画化しました。「ノエル」でも監督自身、めちゃ怪しい謎の人物役で登場しています^^

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低予算と撮り直しができないスケジュールのなか、実力派揃いの俳優陣が、従来のイメージとは異なるキャラクターを演じながら、素敵なアンサンブルを作り出しています。この作品を世に送りたいという思いを、皆が共有していたのだと思います。よくみると病院の看板は布の幕だし、どんだけ予算が無いんかい^^; マイク役のポール・ウォーカーは、”オファーを受けるか迷うほどギャラが少なかったけど、孫が見るかもしれない後世に残る映画になる”と思って出演したそうです。ポールは9年後、40歳の若さで自動車事故で亡くなってしまいました。ロビンも世を去りましたよね。二人を思うと、ホロっとします。

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好きな人は好きという映画で、華やかさはないけれど、静かに心を温めてくれる映画です。今年のクリスマスに是非いかがですか。 


<NOEL  作品情報ほか>


(動画引用元:https://www.youtube.com/watch?v=l-yn48tt4nc)