【絵本づくり】ボローニャイラストコンクールの応募を終えて
忙しさにかまけて、noteに記事を書けずにいました。
お元気でしたか?
先日、ボローニャイラストコンクールへ作品を提出しました。
いや〜、がんばった、私、えらい✨
ボローニャを目指す講座に参加しながらのチャレンジでした。応募期間ぎりぎりまで修正をしていたため、最終確認ができずの提出となりましたが、講座で作品提出の手順をまとめたプリントを頂いていたので、そのおかげで迷うことなく無事に応募することができました。
今回、提出期限が当初の予定の「10月12日まで」から、「10月18日まで」に延長されるという異例の事態が起きました。
講座の仲間から聞いたところ、締切日当日はアップロードに時間がかかったとのこと。また、支払いがうまくいかなかったりといったトラブルもあったようで、世界中からアクセスが集中したのかもしれません。
約一年間かけて頑張ってきたイラストコンクールへの挑戦。提出後、数日間は脱力して過ごし、それから、気分転換にアサギマダラを探しに行ったり、小旅行等に行ったりして意識を切り替えました。
今回のこの貴重な体験で得たものを、私なりに振り返ってみようと思います。よろしければお付き合いください。
恩恵その1:蝶や生き物へのラブ度が高まった。
この一年間は蝶を描くために、何度もフィールドワークに出かけ、さまざまな蝶たちの様子を観察してきました。山に登り、河川敷や海辺に行き、どんな環境で蝶たちが暮らしているのかをみてまわりました。
また、自宅の庭に蝶の食草を増やし、その観察記録をXで綴ってきました。幼虫を飼育して、蛹化(さなぎになること)や羽化(蝶になること)をすぐそばで観察し、アゲハチョウ科やタテハチョウ科の生まれたての姿を撮影することができました。
他にも、河川敷の草刈りで食草を失い彷徨っていたジャコウアゲハの幼虫、翅を傷めた蝶、羽化不全の蝶を保護して、お世話をしていました。
このお話はまた別のnoteに書きたいと思いますが、自然界の厳しさを目の当たりにしたからこそ、生命の輝きを尊く感じるように。気づけば、蝶に対して愛が深まり、蝶たちの生命の営みが、今、この瞬間も行われているとイメージできるようになりました。
食草を一生懸命もしゃもしゃ食べている幼虫をみると、なんとも言えない幸せを感じます。蝶の完全変態の素晴らしさに驚かされましたし、表翅と裏翅の色合いの違いや美しさに幾度となく心を奪われ、この情熱は私の創作のモチーフへと繋がりました。
恩恵その2:イラストレーターとして見えてきた視点
先生との面接の第一声は、「君は画家になりたいんじゃないのか?」という、確認だったのを思い出します。
私自身、イラストレーターなのか画家なのか、それともまた別の何かなのか、当初はなんて名乗りたいのか分からない状態でした。
講座の途中に、先生の訃報を知り、再開するまでの数ヶ月間は先生との会話を思い出しながら、筆を進めていました。そして、先生の娘さんであるI先生が講師を引き継いでくださることになり、思い切ってさまざまなところを変更していくことに。
細密に描き込む作風で考えていましたが、徐々に、物語を表現するには、強弱が必要なことに気づきました。余計なものは描かずに、シンプルでストレートに表現すること。絵本のイラストとして、伝わりやすさを目指して、作業を進めていきました。
時間をかけて向き合ってみて、どんな絵本を描きたいかは、自分は何が好きかの追求なのだと気づきました。そしてそれこそが、作家性の追求でした。
伝わりやすくデザインされた表現と、情熱で生み出された表現は違うけれど、どちらも人間にとって必要な文化の欠片であり、イラストレーターと画家の違いはそこなのだと、今は腑に落ちています。
恩恵その3:先生からの投げかけ
「君はなぜ、日本の絵本はメルヘンなものが多いか分かる?」
それを投げかけられた時に、言葉に詰まりました。
咄嗟の質問に動揺して、素直に教えを請えず、結局その答えは聞けないままに。先生は一体何を伝えたかったのだろうと、ずっと考えていました。
先生を偲んで開催されたお茶会で、I先生が思い出話を教えてくださいました。先生は、仕事の大きさに捉われずに、誰に対しても対等な関係で真摯に向き合ってきたということを。こどもに対しても、一人の人間として尊重し、対等に扱っていたということを。
それを聞いて、胸が熱くなったのは、私自身も子育てを通して出会い、夢中になって学んだモンテッソーリ教育の、こどもを尊重する姿勢に通じる何かを感じたからだと思います。あの投げかけの答えのヒントは、そこに隠されているのではないかと思えてなりません。
無垢な状態で人生をスタートしたこどもたちに、大人の色眼鏡でみた偏った世界ではなく、ありのままの美しい地球を紹介していきたい。そんな意思を、しっかりと心の奥に仕舞い込みました。
沢山の恩恵を得て、新しい構想を練り始めています。絵本づくりの日々は、次なるステージへと進んでいく。。
お読みくださりありがとうございました✨